雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

「ことば」をはぐくむ環境

2006年01月13日 | 楽しい学校生活
ここにもいろいろ書きとめておりますが、ちびくま、最近
富にことばが達者になってきました。
小学校入学の時点では、基本的に1語文、しかも要求を表す
発語がほとんどだった、と言っても、今では信じてもらえない
こともしばしばです。

ただ、それは「聞き覚えたことば」を少しアレンジして
場面に合わせて使っているわけで、機能的遅延エコラリアの
延長と言えるだろうと思いますし、
いわば絵カードの代わりに「頭の中に録音」した言葉を
使っているわけで、決して「言語能力」が高いわけではないんですが

ただ「コミュニケーションの意欲」という点では、ちびくまは
結構高いものがありそうです。

アメリカにいた頃も先生の指導を盗んだり教えてもらったりで
「ことば」を育てるための工夫はいろいろしていましたが

何より小学校に上がってからぐんとことばが伸びたのは
とりもなおさず、息子にとって「伝えたい(楽しい)こと」が山盛りあり、
「伝えたい(大好きな)相手」がいつも傍にいて、
「伝えればいいことがある」というご褒美がいつも手に入る環境だったから、
という気がしています。

挨拶ができるようになったのも、彼にとって人間は信頼できるもので
だからこそ「きちんとした挨拶をして、感心されたい、褒められたい、
認められたい」という気持ちが芽生えたからのような気がするのです。

昨年からガイヘル制度を利用するようになって、
母は送迎だけして、どこに行ってなにをするか、は
本人とガイヘルさんで話し合ってもらうようにしたことも、
息子の「言葉で伝えること」への意欲を増大させました。
だってガイヘルさんは「伝えれば願いを叶えてくれる」人。
親よりもずっと辛抱強く根気強く、子どもにつきあってくれます。
おかげで息子は、最近は母とのお出かけとガイヘルさんとのお出かけを
うま~く使い分けるようになりました(笑)。

昔、息子がまだ言葉を持たなかった頃、でも「言葉を教える」よりも
「伝えたい気持ち」を育てるほうが先なのではないか、と言って
「雲をつかむような話でごまかして、子どもの可能性をつぶしている」と
言われたことがあったけれども、あの時そう感じたことは、
少なくとも息子に対しては決して間違いではなかったのでしょう。

最近発達障碍に注目が集まって、いろいろな情報が本当に簡単に
手に入るようになったけれども、それはひとつ間違えば、
「指導のテクニック」だけを学んで、当事者である発達障碍児・者の視点を
見過ごすことになってしまわないか、と危惧を抱くこともあります。

「ことば」を「教える」ことも大切だけれど、「ことば」を
「はぐくむ」環境、ということは、もっといろいろな場面で
考えられてもいいことなのではないかと思っています。
もちろん、この場合、「ことば」とは「音声言語」に限りません。

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