Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

勇気あることば

2009年04月12日 | Weblog

                   
米大統領オバマさんが、チェコのプラハで市民を前に行った演説は、まことに歴史的な勇気ある発言だった。

核兵器を初めて使用した国として率直にその事実に言及し、核兵器のない世界平和を目指すと述べたことは、特に被爆国の日本、更には広島・長崎の方々にとっては大いに歓迎された。
彼自身も述べているように、殆どのひとが実現は難しいと思っているだろうし、実際容易なことではなかろう。けれども「言わないでおくことの方が簡単だ」という言葉のなかに、彼の人柄と強い意志を感じた。

数年前、米スミソニアン博物館で広島・長崎の原爆被爆品の展示を行うことが決まったとき、旧軍人や原爆投下を正当化しようとする人たちの反対で、結局中止になり爆弾を投下したB29エノラゲイの展示だけに終わってしまった。核の恐ろしさを知ってもらおうとした日本側の願いは、狭量で勇気のない一部米国民には通じなかったけれど、その米国からオバマさんのような大統領が現れてくるとは、アメリカという国はまことに懐の深い国だと改めて感心した。

しかし、米国が真に核廃絶を願うならば、世界一の核保有国として、先ず率先してロシアとともに核兵器の削減に再び取り組んでほしい。自分たちが大量に最新の核兵器を保有したまま、他国の核開発だけを辞めさせようとしても、説得力に欠ける。
イランや北朝鮮に核の開発を断念さるには、核保有国の姿勢と、それを支持する核を持たない他の国々の強い意志しかないだろう。

それにしても、世界で唯一の被爆国である日本が、もっと世界に向けて影響力のあるメッセージを送れないものだろうか・・・
考えてみれば、戦後歴代の政治家の誰ひとりとして、自国のこと以外真剣に世界平和に取り組んだ方はいないし、オバマさんのように何事かに理想をもって努力した総理大臣も見当たらない。
まあ、それを望むほうが無理というものか・・・