Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

花火

2007年07月30日 | Weblog
あれは、まだ小学生の頃だったから半世紀以上昔のことになる。隣の農家の息子と遊び友達だったから、学校を終えるとすぐ隣家の広い庭先や裏の納屋とか竹やぶで遊んだ。農繁期になると、遊びがてら息子と一緒に草取りや収穫を手伝いをしたりしていたので、家族からは可愛がってもらった。
そんなある日、花火を観にいくというので一緒に連れていってもらった。当時は今のようなシャレたワン・ボックスなんか無いから、小型トラックの荷台に幌を被せただけの「即席バス」に家族全員積乗せて、多摩川の日野橋へ向かった。日本では、その当時からトラックの荷台に人を乗せてはいけないことになっていたので、子供心にも警察に見つかったらどうしよう、などと要らぬ心配をしていたが、着いた先は農家の親戚(やはり農家)の庭で、道路からは見えないようになっていた。
目の前の川原に下りたのは夕日が沈みかけたころ。花火が始まるまでの間子供達は近くの水溜りで遊び、大人達は多分酒盛りでもしていたのだと思う。やがて薄暗くなって最初の一発が上がった。目の前で大きな打ち上げ花火を観るのは生まれて初めてだし、その大きさ、華やかさ、胸に響く大きな音に圧倒され、首が痛くなるまでづーッと夜空を見上げていた記憶がある。
今では花火大会はどこでにでもある身近なものになったけれど、帰り道などで遠くに見かけると、つい立ち止まって見入ってしまうのは、子供のころの郷愁だろうか・・