まちみちふうけい

四角い枠に切り取られた風景は一瞬のもの、そんな一瞬を追い求めてこれからも相棒と走り続ける・・・

No.1760 「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」

2022-05-15 20:36:48 | 日記
よろしくお願いします。


昨夜はレイトショーに行ってきました、見てきたのは↓↓↓



初代ウルトラマンの放送が自分(一人称)が生まれた年だったので再放送で見ていたのですが、ほとんどのエピソードは憶えています。今回そのウルトラマンが映画になるとのことで楽しみにして行ってきたのですが・・・、帰ってからネットを見ると賛否両論いろいろとあったのですが、ここはと言うことで感想を述べていきたいと思います、一応禁マークは入れますが多少のネタバレはご勘弁を。


令和と言っても「kaijuu」も「ultraman」の概念もない時代にあらわれた怪獣、その駆除のために結成された「katokutai」=「禍特対」は各省庁からの寄せ集めチームで、現場に出向いても出撃することはなく「kaijuu」=「禍威獣」の弱点をパソコンと数式を駆使して調べ上げ、上司を通じて政府や官僚の許可を得て攻撃を現場に指示する・・・と、なかなか現代的なシステム。怪獣は日本にしか現れないから、外国は武器を売りつけて怪獣の駆除は日本に丸投げして傍観するのみ、まあ確かに怪獣と戦っている時に外国からの千羽鶴はいりませんね、怪獣の攻撃の時には武器の値段を気にすると言う場面もありました。




その禍特対が禍威獣を前にして迎えたピンチに上空から落ちてきたのが金色の巨人、光線技を駆使して禍威獣を倒すが人々からは敵か味方か半信半疑な存在とされてしまう。この辺りは『仮面ライダークウガ』が未確認生命体2号、4号と呼ばれていたことを思い出してしまいました。巨人は「ウルトラマン」と名付けられて2度目の登場でも見事に禍威獣を撃退するが、ネットでは禍特対に所属する神永がウルトラマンに変身する動画が挙げられ、政府からは神永はとされて、追われる身となってしまう。この辺りは『ウルトラマンエース』の最終回で北斗がエースの正体をばらしたために人間に戻ることができなくなると言うエピソードがオマージュとなったのかな。北斗の姿に戻れても彼はウルトラマンとして扱われる、だから地球にはいられなくなると言うハードなものでしたが、今回の場合も諸外国がウルトラマンに興味を持ってしまったために、神永は姿を消さなくなってしまったと言うことでした。そんな神永の助けとなるのが仲間である禍特対、そして相棒となる浅見と言う女性です、ヒーローものでありながらも人間的なドラマもなかなかの見所でした。




次のウルトラマンの登場は外星人ザラブとの対決、この物語では宇宙人と言う言葉も存在しないみたいです、神永も相棒の浅見から正体のことを聞かれた時に外星人なのか?と言われていました。一時は日本政府を味方につけたザラブがとなって町を襲撃、ザラブによって拉致されていた神永は浅見に助け出されてウルトラマンに変身するのですが、自分(一人称)はここが一番印象に残っています。この対決の時に流れた音楽が初代ウルトラマンの時にかかっていたファイティングテーマ、あのPL学園の応援歌によく似た曲です。この曲をバックにウルトラマンが夜の大都会でザラブとの戦いを繰り広げるのですが、このシーンがなぜか泣けて泣けて仕方なかった。確か『ウルトラマンティガ』でティガがピンチに陥ってウルトラマンが現れた時にもこの曲が流れました、ウルトラマンが登場した時に流れる音楽はどれもカッコいいんですよね、この映画ではここだけでしか流れませんでしたが心が躍る場面でした。



初代ウルトラマンでも好敵手だったメフィラスが登場です、ドラマの時と同じように今回は長澤まさみがにされてました・・・まあ別ににしなくても有名なエピソードだから分かる人も多いと思いますが、まだ公開3日目なのでネタバレ禁止と言うことで・・・。長澤まさみに関しては、これはセクハラやろ~、と思うシーンがいくつかありました、出動するときに気合を入れるためにするシーンとか、神永が手掛かりを探るために浅見にシーンとか。まあ本人が楽しんでやってそうだからいいとは思うんですけど、対して同僚の女性隊員には全然そんなシーンはなかっただけに、どっかの団体からはクレームが来るんではないですかね。で、メフィラスですわ、上の写真にあるように演じていたのは 山本耕史、もう怪しさ満点のこの男がこの映画の後半を持って行ってしまった感じでした。名刺には「メフィラス」、神永とで語り合うシーンは『ウルトラセブン』でモロボシダンとメトロン星人が語り合うシーンのオマージュでしょうね。互いに人間の姿をしているのにメフィラスは神永のことを「ウルトラマン」と呼びます、「割り勘でいいな、ウルトラマン」はさすがに笑ってしまいました、今は大河に出ている山本耕史も今後はメフィラスと呼ばれることになるでしょう。


ドラマのウルトラマンでは最終回、ゼットンに敗北して地球を去ることになるのですが、今回もゼットンは登場します。しかしウルトラマンの本当の最後の敵となるのが・・・、この辺りが50年以上の積み重ねの歴史から生み出されたこの映画のクライマックスなんでしょう。ここが一番いい意味で期待を裏切られたところでした、まさか

「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」

を理由にウルトラマンを滅ぼそうとするなんて・・・。神永が浅見に正体を問われた時に人間でもあり外星人でもあると言うのですが、ドラマではハヤタ隊員が何気に変身していたのに対して、神永を演じていた斎藤工はウルトラマンに変身する意味の繊細な部分を名前通りにたくみに演じていたと思います。最近の仮面ライダーシリーズや今回のウルトラマンでもいろいろな30代、40代の有名な俳優さんが変身していますが、みんな子供の頃に見ていて変身願望があったからでしょうね。自分(一人称)が見る前に期待していた、敵を倒してすっきりとした気持ちになる、と言うシーンは全然ありませんでしたが、現代的な疑問を全面的に押し出した内容は決して悪くなかったと思います。まあ子供の頃は何も考えなく、ウルトラマンに限らず、仮面ライダーも戦隊ものも悪い奴は倒して終わり、ってことだけを満足として見ていたわけですからね、大人になればいろいろと疑問も湧いてくるのも当然のことです・・・今やってる『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』はちょっとブラックな部分が見え隠れしているが・・・。そんなわけで『シン・ウルトラマン』、自分らの年齢くらいの大人が見て楽しめる映画だったと思います、まあ子供は理解できなくて置いてけぼりになるだろうなあ、そこが家族で見に行くべきかどうか迷うところですが。ところで『シン』って何を意味してるんだろうねえ、「新」、「真」、「信」、「芯」・・・?、今回もご覧いただきましてありがとうございました。・・・・・・・・・・まちみち