まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.1757 吉野川分水・県営曽我川工区(1)

2022-05-10 08:23:51 | 吉野川分水
よろしくお願いします。
























吉野川分水巡りもようやく中盤戦、いよいよ大和平野の中央部を網羅する水路系統を巡って行こうと思います。今回からお送りしていくのは県営曽我川工区、一番上の地図では真ん中の辺りに曽我川工区の文字が見えると思いますが、水路全体が前に河川巡りもやったことのある曽我川にまとわりつくような経路となっています。この工区の始まりは大淀町の国道309号線沿いにある今木の集落にある今木分水工、吉野川にある下渕頭首工から始まった分水路が東西幹線に分かれる手前で、一番最初に迎える分岐点がこことなります。一番上にある地図の2枚目、黄色い矢印が水色のラインを示していますが、今木分水工から分水された水は隣接している今木川へと注がれる、その川を水色のラインで表しています。分水が一般の河川に流出されると言うのは、前に飛鳥川でこのパターンがありました、その時は数百メートル先に2つ頭首工があって、そこを経て吉野川分水路へ配水されていました。ここでも同じケースとなるのですが、まずはその場所を探してみるべく、この今木川を追って行くこととしましょう。











川に沿う国道309号線は御所市から大淀町を経て吉野方面へと伸びる道、この辺りは車もあまり多くなく長閑な雰囲気が漂う所、川の水が排気ガスに汚される心配もないようです。今木川はそんな長閑な風景の中を流れて奉膳の集落へ、ここは京奈和自転車道が通っていて、吉野方面への入口に当たると言うこともあって気合が入り直す所、と言っても何もない集落です。今木川に架かる橋の袂には大きな石の道標が立っている、高野山と伊勢神宮への分岐点と言うこともあって昔の旅人にも重要なポイントとなっていた場所だったのだろう。今木川はこの橋を越えた所で南の方から流れてきた曽我川と合流、川幅が少しだけ広くなって近鉄、JR吉野口駅前を過ぎていく。ここからは国道309号線の旧道、と言うよりは京奈和自転車道に沿って流れて、巨勢、戸毛と言った集落の中を流れていく、この辺りの曽我川の流れは見ていて気持ちが和んでくる、更に広がった川幅に透明な水が緩急を繰り返しながら下流へと差し掛かって行く。そりゃあこれから大和平野の食を担う原動力となる水です、こんなところで汚れるわけにはいきません、いくつかの堰を乗り越えていよいよ吉野川分水路へと至る場所へと近づいていきます。



















曽我川はずっと京奈和自転車道沿い、近鉄葛駅付近でそれまで見え隠れしていた近鉄吉野線から離れて、今度はJR和歌山線に沿って進んで行く。その近鉄葛駅の向こうの山の辺りにあるのが吉野川分水の東西分水工、幹線水路は地下に埋まっているので、曽我川はいつの間にかこの水路を飛び越えてしまっていることになる。いつの間にかJR線も見えなくなって、長閑ではあるがあまり見栄えのしない風景の中へと差し掛かってくる。周辺は工事現場や建材置場、工場と砂埃が上がってそうな所、その風景の中に曽我川兵庫頭首工が現れる。川を流れてきた水はここで堰をくぐり抜けて分水路へと導入される、ここからが曽我川工区区間と言うことで、橿原市、田原本町、広陵町と言った大和平野の骨格部分にある地域へと用水を導いていきます。その水路は上の地図を見ても分かるようにちょっと分かりにくい複雑な経路となっている、次回以降はその経路を相変わらずの予測と予想を織り交ぜて巡って行くこととなりますが、さて、うまくまとめることができるでしょうか、自分でもちょっと心配なところです、今回もご覧いただきましてありがとうございました。・・・・・・・・・・まちみち