まちみちふうけい

四角い枠に切り取られた風景は一瞬のもの、そんな一瞬を追い求めてこれからも相棒と走り続ける・・・

No.143 奈良市の山里

2015-05-31 22:47:52 | ふうけい
おはようございます。



GW4連休の最終日、箱根から帰って来て翌々日、どっか走りに行こうと思い立って自宅を出発、でどこへ行くか、せっかくなら未踏の道を走ってみようと思い奈良市東部の田原地区を目指すことに決めた。







奈良交通の市内循環線高畑バス停から少し南へ行った交差点から県道80号線を東へ向けて入って行く。百毫寺付近を過ぎるとそこからは未知の世界、そして厳しい上りが続く区間、覚悟はしていたとは言えくねくねカーブが連続する上り坂は容赦なく迫ってくる。まあ上りは先日箱根で国道1号線を克服しているので恐怖感はない。しかし朝の陽光をまともに前方から受けての走りなので、朝の涼しい時間帯のはずなのに汗が流れてくる。
写真3枚目、車がスピードを出せないよう道に工夫が為されている区間を走る、まあ自転車ではあまりそうは感じませんが。ここを過ぎると厳しい上りも終わり、やがて下りとなって展望の開けた風景が広がってくる。







辺り一面緑色、新緑の風景が目に眩しいくらい。田原御陵のバス停を過ぎると、ああ、もうこの辺りは田植えが済んでいるんだなあ、GWとは言え農家の人たちには休みはない、食卓を守るためのお仕事御苦労様です。






田原地区の中心地辺り、しばらくは平坦な区間が続いている。さっきまでは厳しい上りで汗だくだったが、5月の涼しい風に吹かれてなかなか気分爽快だ。
ここは映画『殯の森』のロケ地となった所、奈良市の中心地とは10キロと離れていないこの地には土葬の習慣が今でも残っているとかで、映画でもそんなシーンが繰り広げられていた。まだ尾野真千子が今ほどメジャーでない頃の作品だが、何か映像が暗いと言うイメージしか残っていない。
でも今走っている所はそんな暗いイメージなど全く感じさせない明るい雰囲気の漂っている山里の風景。さっきも書いた通り、目に眩しいくらいの緑一色の田んぼや茶畑が広がっている。しかし写真4枚目、日笠バス停を過ぎるとまたまた上りが始まり、しばらく平坦が続いていて楽をさせていた足が唸りをあげる所へと差し掛かって行く。






ここもくねくねカーブの上り坂、それを上り切った所で水間トンネルへと入って行く。結構長いトンネルを抜けると今度は一気の下り坂で水間の集落へとたどり着く。道の脇に沿って建つ民家の一角には大量に巻かれた薪が積み上げられている、この辺りは林業が盛んな所なのかな。
坂を下りきった所、下水間バス停付近で県道は国道369号線と一部重複する区間となる。先に左へ分かれる道は名阪国道の針インター方面へ、その先で右に分かれる道は柳生方面へと通じている。今回は左へ曲がり針へと向かって進むことにするが、そのお話についてはまた日を改めて、今回はここまでとしておきます。    まちみち

No.142 本州最南端へ(3)・本州最南端

2015-05-30 22:39:36 | ふうけい
おはようございます。これも久しぶりとなります、本州最南端へ向かう旅、今回はいよいよそのハイライトとなる場所へと到着します。








県道14号線は所々海が見える所はあるものの山の中をくねくねと行く上り坂、やがてその上り坂が終わる所で前方に展望が広がってくる。写真1枚目は前回の最後にも貼ったものですが、その上り坂の行き着いた所、写真の右端にチラリと見える建物が写真2枚目にある潮岬観光タワー、でも自分(一人称)はあまりこういう施設には興味はないので素通りです。県道を挟んだタワーの反対側には望楼の芝生と言う名の広場、その向こう側には太平洋が見えている。







『本州最南端』モニュメント3連発です。地点としての最南端は結局何処やねん?と野暮な事を言うのはやめときましょう、自分的にはここに来れただけで大満足なので。





またこのフレーズを使ってしまいますが、ここから見る海はまさにまじりっけのない太平洋、青い海に青い空、1月とは思えないほどの暖かさだが、太陽の高さはやっぱり冬のものだろう、夏だったらもっと高く頭上に輝いているはず、でもこの高さだからこそ陽光が海面に溶け込んでまた絶景ぶりを演出してくれている。
この近くにあるバス停が『黒潮前』、なかなかいいネーミングじゃないですか。『くろしお』と言うと紀勢本線を走っている特急の愛称だが、ここから見る海こそがまさに『くろしお』なのでしょう、南紀の代名詞と言った感じがします。そう言えば最強ダート馬クロフネをクロシオと言った解説者がいましたな、後で宮川一郎太に突っ込まれていたが、大坪さん・・・






ここ本州最南端から先に見えるのが潮岬灯台、台風情報ではお馴染みな場所ですが、波が打ち寄せる崖の上に静かにたたずむように建っています。せっかくですから近くに行って見てみることにしよう、と思ったが、いざ行ってみると門は閉められていて中に入ることはできず。灯台を間近で撮影しようと思ったのですが、写真2枚目のように柵に邪魔されて少し残念な写りとなってしまった。まあいい、灯台は遠くからその姿を臨むことこそが乙哉、周辺の風景に溶け込んでいる姿こそが絵になるのです。
さあ、そろそろ日も西に傾き始めてきた頃、冬の日暮れは早いのでそれまでに串本の町に戻ることにしよう。この天気なのでいい夕日が見れるかも知れない、その顛末についてはまた次回にお送りすることとして、今回はここまでとしておきます。     まちみち


No.141 妻籠宿

2015-05-29 09:16:36 | ふうけい
おはようございます。久しぶりに中山道木曽路の旅、今回は写真を中心にお送りしていきたいと思います。







三留野宿からJR南木曽駅を通り過ぎて妻籠宿へと向けて走る。山に向かって行っているのだがまだこの辺りは上りと言う感じではなくむしろ平坦に感じる。距離もそれほどなく間もなく妻籠宿の入口へとたどり着く。ここからは旧街道の雰囲気を残す古い町並をゆっくりゆっくり、通り過ぎて行くことにする。







細い溝に沿って建つ古い木造の民家、水車小屋、家の軒下にもたれかかっている鉄の釜、その民家が両側に軒を連ねる細い道、まるでタイムスリップした空間の中の放り込まれたような感覚になってくる。








観光地とあって人が多いのは仕方ないこと、でもそんなお客さんを迎える宿場町もむやみに観光には走らず、宿場町のあるがままの姿で出迎えてくれている。自分(一人称)もここでは迎えられる立場のお客さん、ここは相棒を押し歩きで、旧街道の雰囲気を感じながら進んで行くことにする。
妻籠宿の賑やかな通りを抜けるといよいよ上りがきつくなる区間へと差し掛かって行く。再び自転車に跨って先を進んで行くわけだが、果たしてこの山、無事に越えることができるのだろうか。続きはまたの機会にお送りすることにして、今回はここまでとしておきます。     まちみち

No.140 箱根駅伝ミュージアム

2015-05-28 10:07:13 | 箱根
おはようございます。



小涌谷から国道1号線を走って来てたどり着いた箱根町。元箱根から続く杉並木を抜けると展望が開けて平坦な区間、沿道の大歓声を受けて(もちろん妄想です)やがて右へ曲がるとそこは栄光のゴール!花火が鳴り響きます、って妄想いい加減にしとけって・・・





いやいや、ここに来るとやっぱしそういう気分になってしまうんですわ。正月2日3日は大勢の人で賑わう箱根駅伝の5区ゴール、6区スタート地点、そこは公園から外れた駐車場の入口の目立たない場所だが、神聖な雰囲気を感じられる所でもあります。この日は生憎の曇り空、周辺は霧で覆われて芦ノ湖も見えない状態、でも晴れた日には写真3枚目にもあるように向こうに富士山を見渡すこともできる。



(5区ゴール地点にて)





その地点のすぐ横にあるのが箱根駅伝ミュージアム、四角い壁には襷を模したモニュメントが懸けられていて、入口には出場校各校の旗がはためいている。中からはビデオでも流しているのだろうか、実況中継の音が聞こえてくる。オープンして10年たつとのことだが、今まで一度も中に入ったことがなかった、今回は時間に余裕があるので、初めて入ってみることにする。

内部は写真撮影は禁止、入ってすぐの所はグッヅ売場で、その一角にあるカウンターで入場券を購入してミュージアム内を順路で進んで行く。そこは幾つかのゾーンに分かれていて、進んで行くにつれて箱根駅伝の歴史、データ、その他いろいろと見ることができる。駒沢大学の大八木監督、自分的にはあまり好きじゃない人だが、ここに来ると人には歴史あり、って感じで意外な一面を知ることができる。まさに箱根駅伝は神聖なものなんだな、と感じることができる場所であった。


(箱根町にて)

(小田原中継所にて)


関西では箱根駅伝ってあまり話題にはならないんですねえ、出場しているのが関東の学校ばかりで、こちらでは馴染みがないこともあってかも知れないけど。でも自分(一人称)は毎年楽しみに見ています、そのうちの1日は相棒を駆って走っているのでほとんどラジオ観戦ですが。
自分が箱根駅伝で一番印象に残っているのは、法政大学の徳本一善選手。奇抜ないでたちとビッグマウスで有名だったが実力もかなりなもの、しかし最後の箱根駅伝で2区を走行中に肉離れを発症して涙のリタイア、自分(一人称)はこの時は旅の途中でラジオで聞いていたが、その無念さは実況を通じて伝わってきた、自分(一人称)も走りながら泣いてしまったくらいだから。まあそれに限らずリタイアは駅伝では絶対見たくない光景である。
あと繰り上げスタート、近年レベルが上がってタイム差が早くから開くので、それを見る機会が増えてきた。襷をつなげるスポーツなのにそれをつなげることができないなんて、あまりにも無念すぎます、ドラマだと言ってしまえばそれまでだけど。
シード権争いは面白いですねえ、復路はほとんど早くに決着がついてしまうだけに、シード権争いは見ていて白熱してしまいます、で、なぜかいつも気になるのが城西大学、ここだけは毎年応援したくなってしまいます。でもそろそろ優勝争いに加わってきてほしい気もするけど。あと2区で追い抜き記録を紹介していますが、あれ1区の選手に失礼な記録じゃないですか・・・失礼、何か熱く語ってしまいましたか、箱根駅伝好きなのでこのままだと際限なく語ってしまいそう、今回はここで止めておきましょう。      まちみち




No.139 明日香(5)・岡寺

2015-05-27 09:35:11 | ふうけい
おはようございます。






石舞台古墳を後にして県道155号線を下って行くと、途中で右に分れる道があるのでそちらへと入って行く。すぐに観光案内所があって、ここでは明日香に関するいろいろな資料やパンフレットを集めることができる、少し休憩するにも適した所。ここは軽く立ち寄ったことにして、さて、走りを続けることにしよう。
この辺りは旧街道の雰囲気を残す町並が続く道、古い建物の脇を沿って流れる小さな溝ほどの小川が旧街道らしくて、いい雰囲気を醸し出してくれている。この道を少し行った先、道幅は更に細くなる所で、右に分かれる石の鳥居をくぐって伸びている道があるので、そちらへ入って行くことにする。この道は岡寺へと続く道で、ここも古い町並が軒を為しているが、先へ進むにつれてやがて急な上り坂となっていく。



最初は何とか進んで行ったが、坂道はこの先も容赦ない傾斜で迫ってくる、さすがにこれはきつい、と言うことでここは相棒を押し歩いて上って行くことにする。県道15号線の高架下を過ぎると更に上りはきつくなってくるが、もう目指すべく岡寺はすぐそこ、最後の気力を振り絞って相棒を押し歩いて進んで行く。






やっとこさ上り着いた所が岡寺の山門、相棒を手前に置いて見物に向かうことにする。参拝はもちろん有料、出費を嫌って石舞台古墳には入らなかったのに、なぜここではお金を払って行くことにしたのか、それはここで見たいものがあるからです。あ、写真2枚目にもうそれが写っている・・・








自分(一人称)が見たいと思っていたもの、それは写真にある通りの黄色い彼岸花。自分(一人称)が知っている所で見ることができるのはここだけだったので来たわけである。
ただ石舞台の白い彼岸花にしてもそうだったが、ここに並べた黄色い彼岸花の写真のうち上2枚は5~6年前に撮ったもの、その下は去年の秋に来て撮ったもので、明らかに咲いている数が最近の方は少なくなっているのが分かる。某ブログでは「観光客に踏まれて咲かなくなった」と書いてあるのを見たことがあるが、確かにそうかも知れない、でなければ誰かが摘んで持って帰るとか・・・子供の頃、彼岸花は毒があるから触ってはいけないと聞いたことがあるけど、そんなことする人がいるんだろうか?




花だけを見て帰るのは出費が浮かばれないので、お寺を一通り巡ってみることにする、と言っても狭い境内である、ほんの数分でぐるりと回ってくることができる。ここの鐘は自由に撞くことができるらしい、修学旅行の生徒達が代わる代わるに鐘を撞いているので、その音がまるで乱打されるように境内に響いている。もうこうなりゃ鐘のありがたみもあったものではない。
一応これで参拝料の元は取れたと思うので、岡寺を後にすることにする。さて、次回ここに来る時には黄色い彼岸花はどうなっているだろうか?今回来た時よりも増えているのか、はたまた減ってしまっているのか・・・再び相棒に跨って次の目的地へ向かうことにしよう、と思ったが、今度は背筋も凍るほどの急な下り坂、ここはゆっくりゆっくり慎重に下りて行く。今回はここまでとしておきます。      まちみち