LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:Bonanza Service Clinic3

2016-03-15 | Flight Log (機長)

その1、その2と日記が続いたBonanza Service Clinic。受付も含めて2時間以上も皆と話していると、だんだん仲良くなってくる。話す内容は飛行機談義なので、なおさら打ち解け合える。ボナンザのオーナー整備、ボナンザの癖、飛行特性、エンジン管理など、いろいろな事を学んだ。Service Clinicを終え帰途につくときには、なんとなく機体の調子が良くなったような感じすらした。操作系のグリスアップしたのもあるが、コンチネンタルの技術者にお墨付きをもらったのが大きい。

リバーサイド空港のRwy27から離陸。オンタリオ空港のClass C Airspaceを避けて低空を飛び、コロナ空港が見えてきた頃に4500ftまで上昇した。ここでオートパイロットに入れ、4500ftでの巡航開始。規定通りのRich of peakの燃調とし、さらに20-30F度くらいRich気味にして巡航速度を計測。4500ftでの外気温は20度を超えていたが、それでもIAS153kt、Garmin530WでTASを計測すると163ktと出ていた。約70%出力でのフライトだが、この外気温だと6000ftで75%の設定で飛ぶのが最高巡航速(174kt)が出る組み合わせ。POH通りの性能がきっちり出ている事が確認できた。

そのままロングビーチ空港の上を飛び、そしてSpecial Flight Rule 4500ftに入る。そのままサンタモニカ空港に帰らず、ヴァンナイス空港とカマリロ空港の間の空域まで足を伸ばした。Class B Airspaceを避けて、6000-8000ftで巡航して遊べる場所というのが理由。ところが、カマリロ空港とオックスナード空港にIFRで降りていく機体と進路が交差し、Socal Approach 134.2が他の機体にトラフィックアラートを出してた。Type unknown, high performance aircraft doing 160-170kt, I am not talking to the aircraftと言っている。あまり邪魔し続けてもなんなので、3500ftまで降下して海岸線を目指す。この時、GS190ktを越えたが、the aircraft 5mile North of Malibu, are you on this frequency?とイライラ声でこちらを呼ぶ。もちろんon frequencyだったが、法的に強制力はなく、すぐに退散して海岸線に逃げた。

速度が出ていたので、マリブからすぐにサンタモニカ空港管制塔を呼ぶ。Squawkをもらい、Right traffic Rwy21と言われた。これでレーダーで見てもらっているので、安心して速度を維持。20inchのスロットル開度を維持し、降下しながら180ktで飛び続けた。ぐんぐんと空港が迫ってくる感じがたまらない。ブレントウッドの上空で160kt、ダウンウィンドでは150kt、ここでちょっと高度を上げて140ktまで減速してギアダウン、ベースターンでは110ktまで落としてフルフラップ、ファイナルは80ktまで楽々減速。なんて速度管理のしやすい機体なんだ!と感動する。カウルフラップは閉じたままだが、シリンダーヘッドの冷却率も50F度を超えることはない。ショッククーリングという考え方には懐疑的だが、乱暴なスロットルの引き戻しをしないでエンジンをいたわるという目的では同意できる部分も多い。このボナンザ、スロットルを15inch以下にせず、エンジンを過冷却せず、MPゲージがグリーンアークのまま160ktから80ktまで落とせる。うーん、素晴らしい!と、ショートファイナルでつぶやいた。

高度と速度の管理は完璧だったのに、着陸はしらけるほどダサかった。でも、リーバーサイド空港までのクロカン飛行と、Bonanza Service Clinicでの学びと飛行機談義、そして帰りの高速巡航は爽快そのもの。最高の1日だった。


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