LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:Bonanza Service Clinic2(動画)

2016-03-14 | Flight Log (機長)

前回日記に続き。American Bonanza Societyが主催するBonanza Service Clinicに参加。Riverside Airport / RALにあるWaypoint Aviationまでやってきた。いよいよService clinicはためになった。American Bonanza Societyの受付でチェックイン、RobertというABSボナンザ専門家がService Clinicの担当だ。ボナンザ専門ショップだけあり、ショップのメカニックもボナンザやバロンには詳しい。また、コンチネンタルエンジンに受付でチェックインすると、小太りで立派な体格をしたオジさんが担当だった。ニコニコしながら、Are you Japanese? ときいてきた。そうだよというと、彼のお母さんが沖縄出身らしい。日本人とのハーフだよ!、俺はといっていた。テキサス訛りの強い英語、立派な体格、日本人のハーフには見えなかった。でも人のいいオジさんで、気軽に質問できそうな感じだった。

いよいよボナンザ専門家、Robertが検査を開始。テキパキと必要項目をこなしていた。最初は主翼の付け根のボルトの確認。こんなところにボルトがあるとは知らなかった。勉強になる。そのボルトの付け根の凹みにドレーンがあるのだが、どうやら埃で詰まっていた。すぐに専用の器材でドレーンを解放していた。あと、フラップの付け根を確認すると、すでに推奨される補強が行われているとのこと。ただ、ウイングウォークが付いた強靭なフラップとはいえ、やはりフラップの上を歩かないほうがいいと言われた。主翼上面にあるボルトの部分は、推奨されるラバーブッシュで置換されているとのこと。我が愛機ボナンザ、前のオーナーさんが相当お金をかけて整備してきたことがわかった。構造上問題ないが、エルロンの付け根に使われているビスとワッシャーのパーツが純正じゃないとの指摘を受けた。変更するように推奨された。ラダベーターのジョイント、ケーブル、ヒンジなど、すべてを確認。潤滑油LPS1を頻繁に吹き付けるように言われた。それから、マグネシウム製のラダベーターの可動部の付け根に小さなクラックがあり、大きくなれば修理と言われた。他の小さなクラックは問題なく、マグネシウムの弱さから来るものらしい。re-skinするほどじゃないとのこと。ちなみに、片方のラダベーターをRe-skinするだけで4千ドル。バランス取りと色塗りも入れると、現実的にはその倍くらいの費用になるようだ。Re-skinをしないでラダベーター付け根のクラックを修理するショップもあり、カリフォルニアだとサンディエゴのラモナ空港にあるそうだ。良い情報をもらった。

そうこうしていると、エンジンのファイバースコープ検査が始まり、そちらに呼ばれた。圧縮比、エンジン外部、内部とも問題なさそうだとのこと。ただ、シリンダーの表面を見る限り、ちょっと飛んでなかった時期があるんじゃない?と言われた。前のオーナーさんがボナンザを売りに出してから自分が購入するまで半年くらい飛んでいなかったと伝えたら、それが原因だろうねとの返答。大きな問題はないが、頻繁にエンジンを回してあげてねと言われた。ボナンザの購入から4ヶ月弱になるが、45時間飛んだ。まあまあのペースだろう。あと、Lean of peak、Rich of peakのミクスチャーの絞り方については、コンチネンタル社としてはRich of peakを推奨するようだ。議論が分かれるところだが、1時間で2ガロンくらい節約しても飛行経費に大差はない。私個人としてはRich of peakの信者だし、いままでもそれで飛んできた。エンジンの検査終了後、エンジン検査方法のDVD、エンジン管理のマニュアル、コンチネンタルのステッカー、コンチネンタルのロゴが入ったタイヤ圧力計にドリングボトルをもらった。コンチネンタル社、なんとも気持ち良いサービス。

再び機体検査に戻る。エンジンルームでは、Alternate airが入る部分のスプリングが弱くなっているとのこと。要交換。ガソリンキャップのシールも要交換。右エギゾーストがカウルフラップに触れており、これはエギゾーストを持ち上げないといけないらしい。簡単な調整で済むので、次回Annualの時にやっておきたい。いよいよランディングギアの検査。ストラットの張力は右59lbs、左65lbs、完璧だった。いままで気になっていたランディングギアの構造や作動様式だが、リフトアップされた自分の機体を使い、目の前でランディングギアが動く様子が見れたのは貴重な体験だった。プリフライトでの注意事項など、いろいろ勉強になった。

ランディングギア検査の風景:https://www.youtube.com/watch?v=eMixN65Fn2s

外したパネルを機体に戻し、Service Clinicも終了というとき、検査官のRobertとWaypoint Aviationのメカニックたちが、”Who maintained this airplane?”と質問してきた。オーナーとしては嬉しいが、”very minor squawks only. very well maintained airplane” と驚いていた。前のオーナー、Kentの几帳面な性格も加味し、程度が良い機体だろうと判断したが、想像していた以上に丁寧に手が入った機体だったようだ。

ボナンザオーナーになって4ヶ月弱。このタイミングでBonanza Service Clinicに参加できたのは幸運だった。機体構造が良く理解できたし、ボナンザ専門家たちとのつながりもできた。American Bonanza Societyで日本人ボナンザ乗り!としての地位を獲得していきたい。


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