LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:上空でジェット機のwake turbulenceに入る

2017-11-26 | Flight Log (機長)

この日は事務仕事だけ終わらせ、サンタモニカ空港に到着。短時間しかなかったので、定期便でトーランスにいくことに。先日のTower Enroute Control (TEC) IFRを味わってから、やっぱりもう一度IFRが飛びたいと思っていた。エンジン始動、グランドにコンタクト。ここでTEC IFRのリリース時間を聞くと、15-20分は待つとのこと。もっと待つかもしれない。やはりSMO-TOAのレグはVFRしかない。帰りのレグ、TOA-SMOをTEC IFRで飛ぶことにした。

ランナップの後に離陸。Right turn at shore line。海岸線で1機セスナを発見した。山脈の上を飛んでいる感じで、こちらは海側に回避。180度旋回してSpecial flight ruleへ。3500ft 2500rpm 23inch 100度F ROPで巡行。TAS165kt (IAS 153kt, PA3420ft, OAT75F)。まったくもって納得いかないパフォーマンス。Special flight ruleでLAXを越え、そのまま海岸線へ。途中、やたら高い黒煙があがっている箇所があった。もしかして何か火事でもあったのか?と思った。Point Farminからトーランス管制塔を呼ぶ。Report over the bridge, Rwy29R straight inとなる。そして、slow down pleaseと管制官。降下していたので、GS160ktは出ていた。Slowing downと私。140ktくらいにしたが、それでもYou are overtaking No1 Cessna on final !!!とのこと。しかたない、ギアを出し、フルフラップにして90kt台まで減速した。先行するセスナとの距離は2マイルくらい。フルフラップで着陸できた。ちなみに、ファイナルでは先ほどの黒煙があがる工場が真横に見えた。どうやら火事じゃないようだ。

Taxiway C - ramp - transient parkingとタクシーする。Rwy29Lが工事中なので、Taxi way Aをあまり使わせたくないようだ。せっかくなので、ちょっとGA Centerに立ち寄り、Rwy29Lの工事の様子など眺めていた。しばらくして帰還、トーランス空港グランドにコンタクトし、TEC to IFRをリクエストした。ランナップでクリアランスをもらう。

Cleared to SMO; fly runway heading, intercept LAX170, LIMBO, V64, SLI, V8, POXKU, V363, BAYJI, V186, DARTS, Direct; 3000ft 6000ft 10min after departure; Departure frequency 134.9;  Squawk477X

すぐに離陸許可が下りた。サンタモニカとは大違い。この日のトーランス管制塔はちょっとボケた感じで、なかなかfrequency changeにならない。海岸線近くまで言って、こちらからリクエストした。1100ftくらいでSocal departureへ。すぐにレーダーコンタクト。Headingを指示される前に、Best rate of climb pleaseと管制官。25inch 2500rpm Vyに近いピッチにした。すると、Turn right heading 070となる。Right 270 departureの軌道で高度を稼ぐ感じ。さらにHeading left 170となる。そして Radar vector to SLI VORと変更。最初4000ftだったが、SLIまでradar vectorが始まると、climb up to 5000ftとの指示。そして、SLIに乗ってresume own navigationとなってから、6000ftまで上昇するよう指示。

ここで、1 o'cklock Embraerとトラフィックアラート。完全に進路が交差する。V8から左に外れ、Embraer Jetを回避した。ところが、しばらくしてドーン!と機体が大きくゆれた。久々に頭をぶつけるほどのturbulence。気象条件として安定した気流だったので、完全にEmbraerのwake turbulenceに入ったのだ。高度からして、比較的低速の200kt前後でAngle of attachが高めの飛行だったのだろう。Steep turnで自分のwake turbulenceに入ったことはしょっちゅうあるが、上空で他の機体、しかもAngle of attachが高めで巡行飛行中のジェット機のwake turbulenceに入ったことなど初めて。これが747みたいな大型機なら、どれほどの揺れになるんだろう?と思った。Wake turbulence、なめちゃいけない。

しばらくして、POXKUではなく、heading 030 intercept V363という指示。あとはGPS通りに飛ぶ。VORとGPS Navの両方を使っていたが、VOR Navの方はちょっと遅れ気味だった。GPSに頼りきり、VORを通過した後のoutbound headingはなんなのか、いまいち曖昧なままだった。

DARTSを目指してV186を飛行。管制官からはLet me know when you have field insightと言われた。ただ、hazyな層があり、空港が見えそうにない。It may not be possible, it is hazy up hereと伝えた。そして、RNAV21 approachになるかどうかというところで、Century Cityの向こうにSMO発見。field insight!!と私。すぐにcleared for visualとなった。あとはIAS165ktくらいで降下し、ショートファイナルでギアダウン、フルフラップ。短い制動距離でとまった。

GPSに頼りきりのIFR。次はVORナビゲーション中心に飛んでみようと思う。それから、wake turbulenceはなめちゃいけない。


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3 コメント

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Unknown (Kiyo)
2017-12-05 08:38:22
はじめまして、サンアントニオで訓練生としているKiyoと申します。
ちょくちょくブログを拝見させて貰っていましたが、今回が初めてのコメです^^
Wake turb.について、自分も飛行中に737,320や戦闘機の90度辺りを通過したりするのですが
今のところ直にwake turb.に入ったことがありません。
実際の所、どれ程の揺れなのかもう少し詳しく教えて頂けますでしょうか。
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Unknown (C2)
2017-12-11 03:23:57
>Kiyoさん
コメントありがとうございます。上空で大型機のwake turbulenceに乗ることはほとんど無いと思っていました。サンタモニカ空港へIFRで戻る時、LAXのダウンウィンドを飛ぶ大型機の進路の1000-2000ft下を通過します。距離が近いと、caution for B747 wake turbulenceなどと伝えてくれる管制官もいます。ただ、じっさいにwake turbulenceに直撃されたことはありませんでした。今回はちょっと特殊で、向こうがLandingに向けて減速クルーズ中、こちらは巡航速度でクルーズ中という状態で、近距離で進路が交差しました。IFRにあるまじきトラフィック捌きだったと思います。

揺れの程度ですが、Moderate-Severe Turbulenceでした。一瞬の出来事です。Terrain induced turbulenceとか、low level windshearなどのmoderate-severe turbulenceと比較すればなんてことないです。

ただ、American Airline Flight 587のような事例もありますし、我々小型機乗りは大型機のWake Turbulenceをあまく見ないほうがいいんだと思います。少なくとも、caution for wake turbulenceと言われれば、Yellow Arc近くでの飛行をやめ、ちょっと減速するなどの注意が必要なんじゃないでしょうか。
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Unknown (Kiyo)
2017-12-11 11:13:08
結構な揺れですね...
今まで「caution for wake turbulence」と言われても甘くみてました。
今回、非常に参考になりました。本当にありがとうございます。
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