LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:最後の2ショットかな

2016-03-19 | Flight Log (機長)

週末の朝、グラマンの所有権を引き渡す最後の書類、Bill of Saleに署名するため、トーランス空港まで行く事にした。空港以外のどこで待ち合わせてもいいのだが、せっかくの週末なので飛ぶ口実がほしいのも事実。ボナンザとグラマンが2機並んで駐機している。この光景、もう見れなくなるのかと思うと少し寂しい。

ボナンザのエンジン始動、Rwy21へタクシー。アクロ機、 Su-26が離陸していった。こちらはランナップ終了、そのSu-26に続いて離陸。Right turn at shorelineを選択した。普段通りにコースを旋回したが、いつもと違ったのは23インチくらいのスロットル開度だったこと。色々なクルーズクライムの設定を試し、エンジンへの負担などをモニターしている。

3500ftまで来ると、2500rpm 21inch、Mixture full richに近い設定。GS160ktくらいだった。ミクスチャーをいじる間もなくすぐにLAXを越えた。そのまま降下してもよかったが、せっかくなので真っ直ぐパロスバーデスを越えて海まで飛ぶことに。ところが、さすが衝突のメッカ、1機4000ftくらいで失速の訓練中と思われるセスナ172を発見。他のもスティープターンをしている機体あり。近距離にいる。本当は海上で色々と巡航設定を試すつもりだったが、逃げるようにトーランス空港へ。3300ftくらいでポイントファーミンに向かい、トーランス空港の管制塔を呼ぶ。すぐにmodified straight in Rwy29Rと言われた。軽く降下しながら160ktくらい出ていたので、一度上昇してギアを出す。ただ、それでも高度処理が厳しい。さらに減速してフルフラップにした。なんとかショートファイナルで高度が程よくなり、80ktでラウンドアウト、そこそこの着陸。そのままノーズアップしてスロットル調整でウイリー走行。C-A-E transientとタクシーした。

MさんとOさんとGA Centerで待ち合わせ。そしてBill of Saleに署名、グラマンの機体ログブックを次のオーナーさんに渡した。これでグラマンと完全にお別れだ。法的に所有権が移った。

しばし歓談した後、帰途につくことに。Rwy29Rから離陸。後で聞いたが、デッキから見守るOさんが座るテーブルが震えるほどの爆音だったそうだ。他のボナンザ同様、この機体も爆音なのかと思った。割れるような可変ピッチのプロペラ音。特にボナンザは特徴的な音がする。2500rpm 23inchくらいの離陸、クロスウィンドを曲がったあたり、1000ftくらいですごい揺れ。Moderate-severe chopという感じだろうか。そのままホーソン空港Class Dの境界ぎりぎりを飛ぶ感じでコンプトンを目指す。1600ftくらいで北上してClass B Airspaceの下をくぐる。突き上げられるような揺れで、両手で操縦桿を握る。あと、Airspeedが10ktくらい伸びてしまうので、スロットルは17inchくらいまで戻した。すごいリフトで、高度維持のために戦っているとピッチが2,3度下がるほど。ダウンタウン横で左旋回し、サンタモニカ空港管制塔を呼ぶ。modified straight in、squawk 022X。ここでも突き上げられる揺れがあり、たまったもんじゃない。ギアを出して抵抗を増やす。ショートファイナルでフルフラップ。500ft以下は平穏な風。ただ、ちょっと北風気味だった。着陸は問題なく決まった。空を見上げると、山の稜線に沿って転々と雲が出ていた。waveが発生している証拠だ。こんな程度の風で、ここまで揺れるとは驚きだった。

ついに所有権が移行したグラマン。引き取りは1週間ほど先になるが、ボナンザとは最後の2機でのツーショットになるかもしれず、何枚も記念撮影した。


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