週末の朝、グラマンの所有権を引き渡す最後の書類、Bill of Saleに署名するため、トーランス空港まで行く事にした。空港以外のどこで待ち合わせてもいいのだが、せっかくの週末なので飛ぶ口実がほしいのも事実。ボナンザとグラマンが2機並んで駐機している。この光景、もう見れなくなるのかと思うと少し寂しい。
ボナンザのエンジン始動、Rwy21へタクシー。アクロ機、 Su-26が離陸していった。こちらはランナップ終了、そのSu-26に続いて離陸。Right turn at shorelineを選択した。普段通りにコースを旋回したが、いつもと違ったのは23インチくらいのスロットル開度だったこと。色々なクルーズクライムの設定を試し、エンジンへの負担などをモニターしている。
3500ftまで来ると、2500rpm 21inch、Mixture full richに近い設定。GS160ktくらいだった。ミクスチャーをいじる間もなくすぐにLAXを越えた。そのまま降下してもよかったが、せっかくなので真っ直ぐパロスバーデスを越えて海まで飛ぶことに。ところが、さすが衝突のメッカ、1機4000ftくらいで失速の訓練中と思われるセスナ172を発見。他のもスティープターンをしている機体あり。近距離にいる。本当は海上で色々と巡航設定を試すつもりだったが、逃げるようにトーランス空港へ。3300ftくらいでポイントファーミンに向かい、トーランス空港の管制塔を呼ぶ。すぐにmodified straight in Rwy29Rと言われた。軽く降下しながら160ktくらい出ていたので、一度上昇してギアを出す。ただ、それでも高度処理が厳しい。さらに減速してフルフラップにした。なんとかショートファイナルで高度が程よくなり、80ktでラウンドアウト、そこそこの着陸。そのままノーズアップしてスロットル調整でウイリー走行。C-A-E transientとタクシーした。
MさんとOさんとGA Centerで待ち合わせ。そしてBill of Saleに署名、グラマンの機体ログブックを次のオーナーさんに渡した。これでグラマンと完全にお別れだ。法的に所有権が移った。
しばし歓談した後、帰途につくことに。Rwy29Rから離陸。後で聞いたが、デッキから見守るOさんが座るテーブルが震えるほどの爆音だったそうだ。他のボナンザ同様、この機体も爆音なのかと思った。割れるような可変ピッチのプロペラ音。特にボナンザは特徴的な音がする。2500rpm 23inchくらいの離陸、クロスウィンドを曲がったあたり、1000ftくらいですごい揺れ。Moderate-severe chopという感じだろうか。そのままホーソン空港Class Dの境界ぎりぎりを飛ぶ感じでコンプトンを目指す。1600ftくらいで北上してClass B Airspaceの下をくぐる。突き上げられるような揺れで、両手で操縦桿を握る。あと、Airspeedが10ktくらい伸びてしまうので、スロットルは17inchくらいまで戻した。すごいリフトで、高度維持のために戦っているとピッチが2,3度下がるほど。ダウンタウン横で左旋回し、サンタモニカ空港管制塔を呼ぶ。modified straight in、squawk 022X。ここでも突き上げられる揺れがあり、たまったもんじゃない。ギアを出して抵抗を増やす。ショートファイナルでフルフラップ。500ft以下は平穏な風。ただ、ちょっと北風気味だった。着陸は問題なく決まった。空を見上げると、山の稜線に沿って転々と雲が出ていた。waveが発生している証拠だ。こんな程度の風で、ここまで揺れるとは驚きだった。
ついに所有権が移行したグラマン。引き取りは1週間ほど先になるが、ボナンザとは最後の2機でのツーショットになるかもしれず、何枚も記念撮影した。