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Vtailボナンザの弱点中の弱点。Vテールの本体はアルミ製だが、可動部分は軽量化の為にマグネシウム製になっている。錆びやすい、耐久性が低い、扱いが困難。錆止め加工も簡単じゃない。それから、サビ取りの作業はBeechcraft社の規程通りの行う必要があり、左右の重量バランスが崩れたら飛行中のフラッタリングなどを起こしてしまう。最悪、re-skin、マグネシウムの張り替えとなる。ただ、オリジナルの形状、性能が出るかどうかは疑問。American Boanzna Societyでも話題となることが多い。
サンタモニカ空港のショップ、Bill's Air Centerにもインスペクションをお願いしたが、マグネシウムパーツはお手上げだと追われた。ただ、今のうちに錆止め修理をしておいた方がいいとの同意を得た。自分でも探してみるが、Bill's Airでもマグネシウムを扱えるショップを探してくれることになった。
せっかく空港に来たので、軽くローカル飛びだけすることにした。燃料満タンとし、Taxi way BからB5 Run up areaへ。ここで1機CirrusがB4にタクシーしてきた。IFR releae待ちをするようだ。なかなかいいアイデアだと思う。離陸時には滑走路上でタクシーバックして180ターンするらしい。こちらはランナップを終えて離陸。先行するSportscruiserはRight downwind departure。こちらはRight turn at shore line。完全に追いつく感じになったが、高度を下げて下から追い抜いた。そしてFrequency change。3000ft以下でも、山に近くだと揺れがひどい。かなりの北西の風。そしてSpecial flight ruleへ。揺れを考えて2500rpm、20インチのスロットル開度でフライト。Rich of peakで13.1gphくらいの燃料流量。
そのまま巡航し、Palos Verdesの海岸線に出た。ところが、この日はトラフィックが多い。特にエアロバティックをしている機体がいたので、そうそうに立ち去ること。ただ、なぜだかパロスバーデスの南の海上は気流が安定しており、もう少し飛んでみたくなった。おそらく北風より、この辺りは北西の風が強いのだろう。
3100ftでレベルオフとし、Trafficスクリーンを選択して安全確認。そして2500rpm 25inch、150F rich of peakの設定で巡航飛行してみた。離陸出力なので、長時間飛ぶつもりはない。シリンダーヘッド温を気にしながら、カウルフラップも閉じて巡航。IAS166kt、TAS177ktまで出た。さすがにこの出力設定だと、Yellow arcまで入ってしまう。もっと伸びそうだったが、さすがに減速。南向き飛行だったので、Ground Speedは190kt越えだった。
そのままの勢いで左旋回上昇、4500ftへ。そしてSpecial flight ruleに再び入る。ここでG530W SMO 312 OBS modeにし、オートパイロットでフライト。2400rpm、20インチ、低速飛行に切り替え。向かい風だが、この高度だと西寄りとなり、そんなにひどい揺れはなかった。LAXを超え、管制塔を呼ぶ。cross mid field, right traffic, Rwy21と管制塔。かなり高めの高度からギアを出して降下。北西の風でダサダサのオーバーシュート気味にファイナルを周り、右クロスウィンドの着陸。
こうして自身を持って高速巡航できるのも、きちんとラダベーターのバランスが取れているから。S35ボナンザにとって、Vtail、ラダベーターはアイデンティティーでもあり、高速クルーザーの象徴。なんとかきっちり修理ないと。