LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:ナイトIFRフライト

2010-02-03 | Flight Log (機長)
またまた仕事帰りのナイトフライトに出ることにした。天気も良く、風も穏やかな夜。どこに行くかまったく決めていなかったが、夜空を一人で飛びたくて空港に向かった。プリフライトを行い、エンジン始動、ランナップエリアに向かい暖気。ここでIFRで飛んでみるかと思った。ウェザーチェックではロサンゼルス全域VFRで飛べる穏やかな夜で、一部Hazyな空域があるのみ。このグラマンAA1を駆ってNight IMCの状態でのIFR Flightは避けたいと思っているので、こんな穏やかな夜の”Night IFR Flight in VFR / MVFR Condition”は最適な遊びの場となる。

この日は飛び慣れたフラトン空港を選択、Tower Enroute IFR Clearanceをリクエストした。ここで新しかったのは、Departureが変更になったこと。FAAやAOPAのウェッブサイトでも取り上げられていたが、ロサンゼルス国際空港を離陸するIFR機とのスペーシングの為、サンタモニカ空港Rwy21から離陸早々に右旋回させるというもの。今まではLAX VOR 315 Radialに乗ってから右旋回だったので、4マイルくらいRunway Heading 210で飛んでからTurn Right 250だった。


After departure turn right 250, Radar vector back to SMO VOR, SMO VOR 125 radial out-bound, V64, SLI VOR, Direct, 3000/4000 5min, 125.2, Squawk 4xxx


チャートなど準備したが、暗闇だと辛い。やはりこのような機内照明が少ない機体だと、Single Pilot IFRフライトで初めてのコースというのは避けたほうが賢明だと思う。このように今まで何度も飛んでいるTower Enroute Courseや空域を飛ぶのが安全だ。暗闇の中で懐中電灯を片手に紙のチャートを読むのは難しいし。

ランナップを終えるとすぐに離陸許可が下りた。新しいDeparture Procedureになって以来、サンタモニカ空港からのIFR Release待ちの時間が明らかに短縮されたと思う。離陸してすぐにHeading 250へと旋回、そして管制塔からSocal Approachへとハンドオフ。すぐに4000ftまで上昇を指示され、3000ftくらいまで来たところで右旋回を指示され、そのままDirect SMO VORとなった。この時には海側からロサンゼルスの全景を見渡すことになり、目の前に広がる夜景は最高だ。すぐに次のSocal Approach周波数にハンドオフとなったが、ここからResume on navigationとの指示。これは比較的珍しく、通常は海岸線を飛ばさせるうようにレーダーベクターになるのだが、少し意外な指示だった。そしてクリアランス通りにSMO VOR 125を飛行し続けた。これだけ長くSMO VOR 125をトラックさせられたのは無いと思う。夜だから比較的トラフィックが空いているためかもしれない。しばらくして、やっといつも通りに右にヘディングを振られ、海岸線近くを飛ぶコース取りとなった。

トーランス空港の西端辺りを通過、ここからレーダーベクターでファイナルアプローチコースへと誘導される。この日のフラトン空港はVOR-A Approach / Circle to Land Rwy24だった。既にアプローチチャートが頭に入ってしまっているが、それくらい熟知しているコースを飛ぶくらいがNight IFRでは丁度いいと思う。

Vincent Thomas Bridgeの上空を通過、この時点でも4000ftの高度を維持したまま。あと1マイルで高度を下げると管制官が伝えてきたのがトーランス空港の上空だったので、こちらとしても待ち構えていた。ところが実際はロングビーチの防波堤を過ぎてから一気に2600ftまで下ろされた。トラクターのエンジン並みに丈夫なLycoming O-235だが、特にGrumman AA1との相性の関係でスロットルをチョップオフ!するとエンジンが咳き込むようになる。よく知られている症状だが、あまり気分が良いものじゃない。油温が高めで飛行しすぎていることに関係する症状だと個人的には思っている。自分の場合はフラップをスピードブレーキ代わりに使ってスロットルを急激に抜くことを避けている。この機体のエンジン性能では巡航速度がIASで100kt程度だが、White Arcが110ktくらいまである。機体の作りがエンジン性能を上回っているからこそできる裏技だ。

Heading 060でフラトン空港 VOR-A Final Approach Courseをインターセプトすることになった。降下しながらSLI VOR 020をインターセプト、そしてすぐにアプローチのクリアランスが下りた。フラトン空港管制塔へとハンドオフされ、管制塔はすぐに”どうやってアプローチを終える?”と聞いてくる。通常の訓練機だとRadar Fix BWALTでMissed Approachを打って帰還することが多いからだ。この日の自分は訓練じゃないので、空港で軽く休憩したい所だ。当然ながらFULL STOP!をリクエストした。すると、管制官からはCircle to South after BWALT, Rwy24との指示。夜のフラトン空港に無事着陸。給油すべくタクシーしていると、BPの機械は壊れているからChevronの方がいいよ!と管制官。夜なので暇なようだ。Thanks, good night!とラジオで伝えてエンジン停止、フライト終了。

夜の空港は静かで好きだ。夜の空港に佇む自分の機体を眺めるのもいい。大したことをやったわけじゃないが、何か不思議な達成感のようなものと、機体との一体感のようなものを感じる。

しばらくフラトン空港で休憩し、その後はVFRで帰還することにした。ただ、あまりにも空が綺麗だったので、ちょっと遠回りすることに。フラトン空港のRwy24からRight Downwindで離陸、そしてそのまま3000ftで東に飛び、ノンタワーのコロナ空港に向かった。自分以外にもう1機パターンに入ってくる機体があり、こちらがNo.1で着陸させてもらった。Rwy25に着陸し、そのままタクシーバック、再びRwy25から離陸した。そして今度は西を目指して飛行、4500ftまで上昇。ここでサンタモニカ空港管制塔の周波数120.1をモニターすると、ちょうど21時前でClass D Serviceが終了、管制塔が閉まる時間だった。そのままサンタモニカまで帰ってもよかったが、そのままトーランス空港まで真っすぐ飛ぶことにした。そしてRwy29Rにストレートインで着陸。この空港のApproach Lighting Systemはいつみても綺麗だ。またまたRwy29Rにタクシーバック、そしてストレートアウトで離陸した。夜の海岸線を飛び、そして4500ftのSpecial Flight Ruleでロサンゼルス国際空港を越えた。パシフィックパリセイズの上空で旋回降下し、サンタモニカ空港のRwy21にはRt Trafficで進入、そして着陸となった。最近はナイトフライトが多く、着陸もよい感じで決まる。

仕事帰りにちょっと飛ぶつもりが、気付けば22時。そして飛行時間は3時間。空の上に浮いていると、時間がたつのが早い。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ナイトフライト (Pon)
2010-02-03 11:11:54
いつも楽しいHPありがとうございます。
ナイトフライト憧れですね。
20代のころ、丘からLAの夜景を見た時には圧倒され、40代のとき、LAの観光ナイトフライトをしたのですが、天気が悪く、いまだに残念に思っています。
そのうち一度は、再チャレンジを考えていますが、いつになることやら。

また、楽しい話題期待しています。
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Unknown (C2)
2010-02-04 04:59:24
>Ponさん
コメントありがとうございます。飛行機から観るLAの夜景は最高だなと思います。高いビルがあったり、何か特徴的な建物があるというのではなく、延々と広がる低層の建物が作り出す平面的なロサンゼルスの夜景を楽しむには、やはり空から観るのが一番ですよね。是非また観光ナイトフライトにチャレンジしてみて下さい
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