LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:まだまだ熱い

2012-09-10 | Flight Log (機長)

今日も軽く飛ぶことに。こちらはゲートキーが期限切れなので歩行で愛機グラマンのもとへ。気温は30度越え、グラマンには辛い。サンタモニカ空港に到着すると、隣に駐機するパイパーランスが丁度タクシーアウトしていくところだった。ターボ付きの機体だから、この気温でも上昇力に不満はないだろう。

愛機のエンジンは一発始動したが、夏場の気化が良のを良い事にミクスチャーを絞り過ぎて一瞬ラフった。ランナップで暖気、一瞬で油温が上がってくれる。ちなみにこの日のオイルレベルは5.5クオーツ。ランナップの後にRwy21から離陸。地上の気温の割に上昇力は然程酷い悪化を示さない。2000ft以外でも500fpmくらいで上昇している。普段よりも2割くらい上昇度が悪いので、エンジン停止の際に180Turnで空港に戻れる地点/高度は更に西に伸びる。というか、この機体だと、夏場は海岸線まで逃げないと緊急着陸はないなと思った。飛行機の世界は、パワーがある方が、性能が高いほうが安全だ。ちょっと気持ち悪いので、Vyの上昇力を捨て、むしろピッチを下げて緊急着陸場所が多いビーチまで急いだ。海岸線を越えて海側で右旋回、そのまま海上を飛ぶ。ここまで来ると緊急着陸場所も多くて安心。

途中、サンタモニカに入ってくるセスナ172とすれ違った。こちらが1500ftの時に向うも1500ft。トラフィックアラートをもらった瞬間にピッチを上げた。すぐにそのセスナを見つけ、左に避けるようにした。その後は2000ftで海岸線を飛ぶ。マリブを越える辺りでセスナ172が152と思われる機体が凄く低い高度を同方向に飛んでいた。こちらが90ktくらいで飛んでいたが、向うは85ktくらいだったと思う。綺麗な海岸線の景色を眺めながら飛んでいるのだろう。しばらくするとそのセスナ172/152も上昇してきた。

油温のこともあり、この日は2400rpmで巡航。IASは85−90ktだと思う。Ground Speedは向かい風の影響で85ktくらい。最近はこのコースばかり飛んでいるが、この日も同様、マリブを越えて5マイルくらいの地点で180度旋回、もと来たコースを逆戻りした。空の散歩を低速で楽しむため、さらに出力を絞って2300rpmにする。ところがGround Speedは100ktになった。やはり10−15ktの東向きの風が吹いているようで、低速巡航出力設定でAngle of attackもピッチも高めなのに、不思議と地上の景色はすいすい流れる。あと、2300rpmだと油温はまったく上がらない。これは優秀だ。

そのままサンタモニカ空港に戻ってもよかったが、この日はちょっと違う飛び方をした。Burbank Class C Airspaceに沿って東に飛び、サンタモニカ空港 Class D Airspaceを避けるように3500ftに上昇。もちろんLAX Class B Airspace 5000ft floorの下を飛ぶ。そしてサンタモニカ空港 Class D Airspaceの上を飛び越えてUCLA上空を通過。さらにビバリーヒルズの住宅街を越えて、サンタモニカ空港のClass D Airspaceを越えた所でハリウッドの山に向って2000ftまで降下する。そしてハリウッドサインの手前で180度旋回、ここでサンタモニカ空港管制塔を呼んだ。Straight in Rwy21とのことで、そのまま降下しながら速度を乗せてファイナルを飛ぶ。ここでやっと油温が上がり始めた。やはり2500rpmの巡航をするとすぐに油温があがり始める。降下していても関係ない。すぐにcleared to landとなり、Fwy405までは100ktを維持。向かい風があるので結構なエアスピードが出ていた。Fwy405からはフルフラップ、減速、そして70kt弱でラウンドアウトしていった。タクシーアウトはB3より全然奥だったが、しっかりした着陸ができた。

0.8時間のフライトだったが、こういう短時間フライトでも十分楽しめる。あと、早々に空港IDを再発行してもらわないと。このままでは不便すぎる。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (テバネ)
2012-09-15 06:32:13
お早うございます。
こちらは土曜日朝6時過ぎです、暇なので会社に来ています(笑)

緊急着陸についてお聞きしたいのですが・・・・
数年前に長崎空港で4人が乗った(3人は操縦免許有り)単発機が離陸直後エンジンから出火し着水した事故が有りました。
この機材は固定ギアタイプだったので、着水時に前のめりになったようです。
ここで疑問ですが・・・・
固定ギアの機材の場合、緊急着水時にはどのような
方法で着水すれば良いのですか?
着水寸前で一気にフレアを大きく取り尾翼から着水?
格納ギアなら、ギアアップのままで着水するのが普通?
と思うのですが。

いろんなパターンの緊急着陸について記事にしていただければ・・・・と思います。
返信する
Unknown (C2)
2012-09-18 05:22:14
>テバネさん
私程度の飛行経歴で正しい緊急着水の話しができるとは思えませんが、自分の中では海上でのエンジン停止の際にやることは決まっていますので、その個人的な方法をここでお伝えすることはできます。

グラマンAA1の場合、機体が横転した場合にはスライド式のキャノピーが開き難くなります。 地上でも水上でも同様です。特に水上で横転した場合にはほぼキャノピーを開けて脱出というのは無理だと思っています。とうこうとで、ある程度の高さにきたら空中でキャノピーを全開にして海に飛び込もう!と決めています。過去の事例を見ても、小型機ではこの方法の生還率の方が高いと思います。最近、パラシュート付きのCirrusの着水の記事を見ましたが、見事に生還できたのはエアスピードゼロでの着水で横転しなかったからだと思います。55-60ktで固定脚の機体が着水したら、かなり高い確率で前のめりになって横転、ひっくり返ると思います。キャビンがあるような中型、大型機なら別ですが、小型機なら飛び降りるが勝ち!と思ってます。

頻繁にカタリナ島にも飛んでいきますので、海上飛行の際の私の中で決めている着水の手順はこうです。

1)まず、シングルエンジンでの水上の飛行中には航行する船を探し、何かあれば最悪その船のそばに着水するつもりで飛んでいます。これは地上での緊急着陸場所を探しながら飛行していることに相当すると思います。

2)エンジン停止に際して再始動手順を踏んでも駄目な場合、キャノピーを半分開けてロック(グラマンについている機能)し、着水に備えます。二人分のライフジャケットと救難シグナルは積んでいますので、これを準備。もちろん近場の管制塔やSocal approachにemergencyをコールします。

3)best glideを保ちながら着水地点に向って降下、200-300ftの高度に来たら(残り30秒程で墜落)、キャノピーを全開にして機体を捨てて水に飛び込む。 こんな感じです。

綺麗にフレアをかけて無事着水というのもアリなのでしょうが、機体メインギアと水との高さの関係が1foot以内で正確に感じ取れるような着陸技術が必要だと思います。これは正常な精神状態でエンジンが作動している通常着陸で私が調子が良い時の誤差ですので、緊急着陸時にこの制度で着陸するのは無理!と諦めてます。というわけで、上記のように水に飛び込む!ように決めたわけです。


ちなみにギアを出すか出さないかという件ですが、空港敷地外での不時着の際、ギアを出さないでbody landingした方が修理費が安いという記事がmooney magazineに出てました。無事にギアを出して着陸できればいいですが、ちょっとした凹凸でギアが引っかかり壊れてしまうと制御不能となって修理費もかさむとのこと。もちろん横転すれば火災なども起こり易く、命の危険も上がります。

こういう事を考えると、やはりシングルエンジンでは限界があります。家族旅行や山岳部/海上の飛行ではセネカやダッチェスなどの双発機を飛ばすようにしています。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。