LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:iPadの航空ナビソフト、WingX Proの新機能を試す

2012-05-24 | Flight Log (機長)

週末朝のサンタモニカ空港に到着、ATISはまだIMCで、1000ft BROKENというまま。ただ、実際の空には晴れ間があり、海岸線に厚めの白い雲がある程度。Special VFRでRwy3ならclear of cloudsは可能。すぐにエンジンオイルを1クオーツ足し、そのまま愛機グラマンに乗り込んだ。エンジン始動、そしてATISを取ろうとすると無言。もしかしたらと思っていると、Special Weather Observationが出て、1000ft Few 1500ft Scatteredとなった。これでIFR/Special VFRで離陸する必要がなくなった。サンタモニカ空港の気温は19度、露点温度は13度。iPadのソフト、WingX Proで気象を確認すると、ロサンゼルス国際空港やトーランス空港はまだIMCのままだった。

すぐにランナップをして離陸。Rwy21からLeft downwind departure、かなりモヤがかかった感じ。そして1000fちょっと上がった所でモヤの上に出た。幻想的な白いモヤの面がロサンゼルス全体を被い尽くす。内陸までモヤが被う。そのままFwy10に沿って飛ぶ。途中Traffic Alert、King Airが2500ftの高度を西に向っているとのこと。そのままダウンタウンの横を越え、そしてパサデナに向って上昇、3500ftでレベルオフした。この全行程で、WingX Proの最新アップデートで追加された機能、Track UPの画面表示を初めて試した。ちょっと方位の感度が良すぎてフラフラするのが難点だが、Garmin 496の使い易さに一歩近づいた。FAAの航空チャート上に機影を乗せるという方式だと、表記の読み易さなどの観点からNorth Upが基本。それがWingXの弱点の一つだった。個人的には歓迎したい新機能。ただ、この新機能はiPad2以上の比較的感度の良いGPSを搭載しているモデルが前提で、iPhoneにインストールしたWingXでは方位の敏感度が高すぎてTrack Upは使い物にならない。これは飛ばす機種のコクピット構造でGPS感度が影響を受けるので、あくまでもグラマンでの話し。

そのまま北上し、1800ftから3500ftまで上昇。ブラケット空港の上空まで来た。そして180度旋回などを繰り返してWingXの追従性を試す。iPad2に関してはTrack Up機能はまったく問題なく使える。そのままエルモンテ空港に向けて降下開始。WingXの画面上で目的地であるエルモンテ空港を指で触れ、ポップアップメニューから”Direct"と選択。すると、現在の位置から空港までの距離と方位(今まであった機能)が出るだけでなく、今の高度から空港に着陸するまでの必要降下率(新機能!)まで画面に表示されるようになった。なんという素晴らしいソフト。すぐにエルモンテ管制塔にコンタクトすると、Modified straight in, report Irwindale speed wayとのこと。これは楽しいアプローチだ。そして言われた通り、斜めに飛んで水路に沿って空港にアプローチ、Rwy19にフルフラップで着陸した。楽しかった。

エルモンテ空港ではすぐに給油、そしてRwy19へタクシーバック。ランナップでとんでもなく左マグが調子悪い。アイドリングでもラフだったが、カスが付いていたようだ。クリーンナップで良くなった。Rwy19からはRt crosswind departureで離陸、1700ftでレベルオフ、またWingXとGarmin 496を比較しながらフライトしていた。ダウンタウン横から2000ftに上昇、そしてバーバンクClass Cの下に入りグリフィス天文台の横を通過。ここでもWingXの色々な新機能を試しながら飛んでいたが、アプローチ中に1回ソフトがクラッシュ!した。信頼性という意味では今回のアップデートは難あり。Blue Whaleの上空でサンタモニカ空港管制塔を呼ぶ。Straight in、そしてトラフィックアラート、Banner towingとヘリが1機居た。そのままRwy21に着陸、フルフラップで65ktラウンドアウト、B3 taxi wayからタクシーアウトできた。

1.5時間のVFRフライト、なかなか楽しかった。WingX Pro7の最新のアップデートは”追加機能”という意味で大歓迎だが、信頼性を上げないといけない。とくにバックグランドで走る他のソフトとの相性が悪い。航空用という意味で割り切って使うなら、iPad2にはWingX以外のソフトは入れない方がいいかもしれない。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (DAIJA)
2012-05-25 13:16:23
こんにちは、2週間空を満喫して帰ってきました。ベース空港からAVXーSMOーEMTと空港ホッピングをしたりと楽しみましたが、日本で準備したAir Nav std.が大活躍でした。基本航法は守りつつGPSを上手に使うと本当に便利ですね。早くまた飛びたいです。
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Unknown (c2)
2012-05-29 14:44:14
>DAIJAさん
AVX-SMO-EMT、エアスペースの隙間やSpecial Flight Rule / mini routeを使いまくる行程ですね。GPS無しで飛ぶと、地元のパイロットでもエアスペースをバーストしてないか心配になることがある地域です。おっしゃるように、GPSを上手に使うのは安全性が高まると思います。
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Unknown (East)
2012-07-03 11:09:38
こんにちは
IFRで飛ぶときにWingXを使っていますが、最近は気温が高くなったせいか、ヨークに取り付けたipadの画面がが突然消えてシャットダウンしたり、どのボタンも聞かなくなったりしたことが2度ほどありました。熱対策をしたいのですが、どうもいい案がありません。
ILSアプローチ中に画面が突然消えたのでとても大きなストレスでした。
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Unknown (c2)
2012-07-03 14:17:50
>Eastさん
WingXの最新版のソフトと現在のiPad2のOS Softの相性が悪い感じがします。私もアプローチ中に勝手にWingXが終了してiPadが再起動されたことがあります。WingXは昔の方が安定していて信頼性が高かったです。

iPhoneでWingXを使ったほうが安定しているように思えますが、GPSの感度が低いのが難点です。

最近はついついGarmin496の画面に目がいくようになりました。安定性、信頼性という意味では抜群です。
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