LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:意地でもIFRでマリンレイヤーに入ってやる 第一話

2012-08-20 | Flight Log (機長)

週末の朝、一瞬の時間の合間をついて飛ぶことにした。サンタモニカ空港は700ft Fewという雲だが、Rwy21の西端から海岸線までは完全なOvercast。あくまでも空港のClass D Airspace全体で見ればFew Cloudsというだけで、内陸東側は快晴で西側アップウィンドはマリンレイヤーの完全Overcast。これはシングルエンジンでのIFR日和、シングルエンジンでIFRを飛んで遊ぶ正しい姿。さっそくTower Enroute to Torrance Airport/TOAをリクエストした。あと、この日も延長アンテナを付けたトランシーバーを装備。COM2がある状態で飛ぶ。

ランナップエリアでIFRクリアランス(TEC to TOA)をリクエスト。すぐにクリアランスをもらった。ルートを読み上げる所で、Socal???、という略語を使われた。おそらくSocal Novemberだと思うが、確認の為に "I couldnt get that part"と管制官に聞き直した。すると、SMO-V64-LIMBO-SLI-Directという、略語じゃない方法でルートをくれた。

ランナップを終えてRwy21にタクシー。そしてAwaiting for IFR releaseと伝えると、

"expect 20−30min delay,,, LAX has only one departing runway now, an airplane like your size has to wait for a spot for a while,,,,"

と管制官。ここで30分も待てないので、作戦変更、サンタモニカ空港からのIFRは止めた。

"Cancel IFR, I would like to taxi to Rwy3 with ATIS M"

と私。IFRをキャンセルし、すぐにグランドにコンタクト、Rwy3までタクシー。この時の風は10kt弱で220-240という感じ。VFRで離陸したい機体はRwy3から雲のない内陸へ飛んでいっている。ただ、一度IFRで飛ぶと決めたからには飛ばずには居られない。IFRのクリアランスがすぐに下りるトーランス空港にVFRで向かい、そこからサンタモニカ空港までIFRで戻ってくることにした。

サンタモニカ空港の問題点はロサンゼルス国際空港/LAXの北側の滑走路(Rwy24R/Rwy6L)との距離が近いこと。VFRの離陸は全く関係ないのだが、サンタモニカ空港からのIFRの離陸はLAX Rwy24Rからの離陸と交互に行わないといけない。離陸速度の速いビジネスジェットは比較的すぐにクリアランスが下りるが、80kt程度で離陸するピストンエンジンの小型機が200ktで離陸していくジェット機の離陸の合間に入るのは大変。なかなかそんなスポットが見つからないのだ。その点トーランス空港はLAX Rwy25L/Rwy7Rから十分な距離が離れており、LAXの機体の離陸と全く関係なくIFRクリアランスが下りる。それからこの日のトーランス空港もアップウィンドにマリンレイヤーが出ており、”スポン!”と雲を突き抜ける快感が味わえる。

そんな中、私も含めたVFR機はRwy3に集結。ところが、1機VFRの機体(ベランカヴァイキング)がRwy21から離陸した。700ft Fewなので離陸自体は合法だが、海岸線にそのまま飛んではIMCになってしまう。どうするのか?!と皆が思ったはず。Rwy3に屯っていたVFR機は一斉に離陸していった。私も離陸、東に向って飛んでいく。ここで、心配になったサンタモニカ管制塔がRwy21から離陸したVFR機のベランカを呼ぶが、foggy hereなどととぼけた返答をしている。本当は非合法のIMCへの進入になっていたと思う。その後、500ftくらいの低高度をひたすら海岸線に沿って飛ぶその機体。心配になった管制塔が何度も呼びかけるが応答無し。地上の機体も、上空の機体も、無線を聞いていた皆が”落ちたか?”と思った。海岸線を飛ぶヘリコプターにも呼びかけてベランカが見えるか?と聞くサンタモニカ空港の管制官。おそらく超低空で雲を避けながら海の上を飛んでいるのか、落ちたかどちらかだ、、、、。しばらくしてやっとベランカが返答あり。こちらも思わずほっとした。すでにサンタモニカ空港のClass D Airspaceを出ていたので、ここで周波数をトーランス空港のATISに合わせた。あの後、そのベランカがどうなったかは知れない。電話番号をもらったのか、無罪放免だったのか。でも、FAAは事情聴取した方がいいと思う。明らかに無謀だった。

いつものようにダウンタウン横から南下、コンプトン空港の横を抜けるルート。トーランス空港にはGoodyear fieldの上空1500ftからコンタクト。すぐにRight base Rwy21, cleared to landとなった。この時は18ktの風が吹いていたトーランス空港。ほぼ真っ正面からの風。マリンレイヤーが出ている転帰でこういう風は珍しい。ガストも少なく降ろし易い風で、ノーフラップでノーズを上げたまま着陸して遊んだ。そしてノーズを上げたままTaxi way Cに入っていった。すぐにグランドへコンタクト、fuel pitまでのタクシーをリクエストすると、Taxi to fuel via Cとのこと。これはTaxi-way Cからランプを通っていけということ。この時はJJ HelicopterのR22がTaxi way Aの上をホバータクシーをしていたからだろう。

目の前には良い感じのマリンレイヤーが広がり、突き抜けがいがありそう。さっそくIFR之クリアランスを取る事にした。長くなったので続きは第2話。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。