愛機グラマンはラジオが１個しかなく(COM1のみ)、しかも最近その調子が悪い。ラジオコントロールパネルにはCOM２用のスイッチがあるし、スペース的にも付けられる。ただ、あまり頻繁にIFRを飛ばないこの機体だと、トランシーバーをCOM2代わりにして飛んでいても然程不便はない。トランシーバーの問題点はアンテナ配置で、以前から延長コードが欲しいなと思っていた。今使っているトランシーバーはヤエス無線/Vertexのもので、Vertex VXA150という古いモデル。でも必要にして十分で、２個持っている。いつもどちらかを充電満タンにして交互に使っている。そんなVertex VXAシリーズ用のアンテナ延長コードをネットで見つけ、さっそく購入。そのままでは取り付けできず、いくつかのコネクターを介さないといけない。さっそくコネクターを揃え、延長コードとトランーバーを接続してみた。アンテナ本体のゴムを削り取るなどのちょっとした細工が必要だったが、一応上手くいった。
さっそく延長したアンテナを機体右後ろの窓に貼付ける。トランシーバーを設置。そして、エンジン始動、ランナップにタクシー。ランナップエリアでは思いのほか音質の悪いトランシーバーに悩む。何でだろう？と思ったが、とりあえず上空でも試してみることにした。サンタモニカ空港 Rwy21からはRight turn at shore linで離陸。ちょっとHazyな天気だが、海上に出て右旋回。すぐにFrequency changeとなり、COM1のパネルマウントラジオを使うのはここまで。2500ftの巡航開始し、エレベータートリムとパワー設定を決めて水平飛行を維持。西に向って海岸線を飛びながらトランシーバー延長コードの性能を試すことにした。
この日のテストは、COM1との音質比較、通常アンテナを付けた同じモデルのトランシーバーと延長コードをつけたトランシーバーとの比較。膝元にはトランシーバーが２個ならび、配線もあいまってゴチャゴチャしていた。
接続コードを介してトランシーバーにヘッドセットを接続。何度も延長コード接続したトランシーバーをチェックするが、聞こえが悪く音質最悪。むしろ通常アンテナを付けたほうが調子がいいほど。ここでアンテナの接触不要に気付いた。VXA150のアンテナの根本のゴムの部分を切り取って延長コードに繫いだが、このゴムの切り取りが足りず、アンテナが接触不良を起しているようだ。無理矢理ゴムがひしゃげるようにアンテナをねじ込むと受信可能となった。これは家に帰ってもう一度細工しないといけない。トランシーバーにアンテナが直接ついていた時よりも、延長するとはるかにノイズが少ないことに気付いた。特に待機中のノイズは皆無といっていい。これは使える！！！ 調子の悪いCOM１に比較して音質はむしろ良いくらい。流石日本製ヤエス無線。
マリブから5マイルくらい西に行った海岸線上空で１８０度旋回し、そのまま東向き海岸線を飛ぶ。逆戻りコースを2300rpmの低出力でのんびり飛行。トランシーバーでサンタモニカ管制塔120.1をモニターしていた。マリブを越えてパシフィックパリセイズまで2マイルくらいのところで、サンタモニカ空港管制塔にコンタクトする他の機体あり。パシフィックパリセイズ3マイル西、inbound for landingと言っていたので、こちらの後ろ1マイルくらいを同方向に飛んでいる。すると管制官が、"前方に1機居るけどおそらくサンタモニカ空港に向っている機体だ” と伝えていた。すぐに”that is me, Grumman 44L、2mile West of PP, inbound as well for landing with ATIS D”と伝えた。すぐに "verify 2200ft" と管制官。 "affirm" と私。Rt traffic Rw21となった。
ここからは2500ー2600rpmまで出力を上げ、後ろの機体から距離を詰められないようにする。すぐにダウンウィンドへ入り、ここでcleared to landとなった。小さめのパターンでRwy21にフルフラップランディング。B3からタクシーアウトする気持ち良い着陸になった。
それにしてもトランシーバーのアンテナ延長コードは使える。アンテナに細工すれば、次回は機体に永久設置する予定。メキシコへの国境越えをしたりしない限り、アメリカ国内で飛んでいる分にはトランシーバーで管制官と交信しながらのフライトは全く合法。たった100ドル弱の買い物で機体が性能アップ！した感じだ。
