すでに愛機グラマンが飛べなくなって1ヶ月半。マグニートのオーバーホールにかなりの時間を費やしたが、問題はそれだけじゃない。友人として付き合ってきたトーランス空港のインストラクター兼メカニックのR氏が忙し過ぎ、サンタモニカ空港に駐機してあるグラマンにマグニートインストールをしにきてくれないのだ。すでにマグニートのオーバーホールが終わって3週間くらい経つ。流石に痺れを切らし、”忙しいようだから、サンタモニカ空港で他のメカニックをあたってみる。オーバーホールが終わったマグニートだけ取りに行く”とR氏に伝えた。ところが、これが彼をけしかけたように誤解されたようで、その日の夜のうちにサンタモニカ空港までマグニートをインストールしに来てくれた。ただ、その後で”もうサンタモニカ空港への出張修理はできない”とヘソを曲げたようなメールを送りつけてきた。こちらもちょっとカチンと来たが、一癖も二癖もあるのが飛行機乗り達。こういう小競り合いは慣れている。あと、今までは友情という観点からも軽整備すらトーランス空港に乗り入れ、R氏に任せていたが、これからそういう気遣いの必要がなくなるのは助かる。
いずれにせよ、無事にマグニートが装着された。オーバーホールの所見はなかなか強烈なもので、コイルがボロボロになっていたようだ。壊れたマグニートは当然ながら酷い状態だったが、壊れていない方も酷い状態というのが恐ろしい。実際にエンジンルームを覗いてみると、新品か?!と思うほどピカピカのマグニート。これで愛機の信頼性が上がった。
早速機体に乗り込んでエンジンを始動!してみる。ところが、長期バッテリーを使っていなかった為か、スターターが回らない。12Vの自動車用ジャンプスタートバッテリーを仮接続してみたが、それでもスターターが動かない。ジャンプスタートバッテリーも充電が必要なのかもしれないが、スターターも壊れたか?!と少し焦った。エンジン自体は完調なはずなので、どうしてもエンジンに火を入れたい。そこで、ハンドスタートをすることにした。何もそこまでしなくてもという意見の方が多いと思うが、どうしてもマグニートのチェックだけでもしたい。
プライマーを使用し、スロットルの位置を決め、マグニートをオンにし、ハンドスタート!。1回プロペラを上から下に跳ね下げては機体から離れ、これを繰り返すこと3回。見事に愛機のエンジンに火が入った。エンジン計器に異常はなく、オルタネーターも発電しているのが確認された。コクピット計器の電流計では30−40の間を針が動いており、これは通常のオペレーションでは有り得ない値。POHによれば、この値が30分以上続けば機関異常として離陸不能、飛行中であれば着陸しなければいけないのだが、30分以内ならバッテリー電圧低下の兆候とされている。当たり前だが、状況を考えればバッテリーが死んでいるのだろう。
油温も上がり、油圧もグリーンアークを維持している。カウルが外されているので、あまり高回転にはできないが、1500rpmくらいでマグニートチェックをしてみた。結果は素晴らしく好調。このまま空に舞い上がりたくなるほどだった。1200rpm、1000rpm、600rpmでもマグニートチェックをしたが、まったく問題ない。そのまま10分以上待ち、電流計は高めの値のままだったが、一度エンジンを止めてみることにした。しかし、スターターは回らない。もっと充電すべきだったのかもしれないが、カウルが無い状態であまりエンジンをまわし続けたくなかった。
すぐに工具を取り、バッテリーを外し、エンジンカウルを装着、機体カバーをかけ、空港を後にすることに。バッテリーは自宅に持ち帰り、24時間ほど充電することにした。
愛機で空を舞うまであと1歩。こういう苦労も機体オーナー兼パイロットとしての見識を広げる事に役立っていると信じる。何より、心の病と思える程の”飛びたい病!”を治すには、こういう地上での格闘も必要なのかもしれない。
飛行再開まであと少しですね。
なかなか空に戻れません。バッテリーチャージしましたが、スターターは回りませんでした。もしかしたらスターターの異常かもしれません。とにかく一歩一歩前進するしかありません。Propさんのような信頼できるメカニックがSMOに居てくれたらどんなに助かることか、、、。
>わたかくさん
飛行再開まで一歩一歩進んでます。ただ、あと1週間くらいはかかりそうです。あと2週間弱でAnnualも切れるので、かなり長期のGroundingになるのではないかと恐れてます。また高い頻度でブログ亢進ができるくらいに飛び回りたいです。