LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:カーチェイスの取材へり

2012-06-10 | Flight Log (機長)

軽くローカルフライトに出ることにした。サンタモニカ空港に到着、機体に乗り込んでエンジン始動、プライム3回使って一発始動。ランナップで暖気していると、途中アイドルが不安定に。これはプライムラインに残っていたガスが出たのだと思う。そのあとは問題なかった。今月はAnnual Inspection/耐空検査があるので、プライムノズルの掃除をお願いしようと思う。ランナップではマグニートも綺麗、油温油量油圧も問題なし。

Rwy21からはRight turn at shore lineで離陸。気温は21ー24度くらいだと思う。露点温度は11度、6月の天気だ。この日は後続の機体もあり85ktくらいのピッチで海岸を目指す。 そしてそのピッチを維持して右旋回、海岸線を飛ぶ。パシフィックパリセイズで右旋回、その ままSpecial Flight Ruleに入ることにした。ここでサンタモニカ管制塔120.1の周波数をモニターしていると、Santa Monica Aviationに駐機してあるLancair Legacyと思われる機体が離陸するところたった。随分偉そうに管制塔に話しかけており、where are the bogeys?なんて言っている。お前は戦闘機乗りのつもりかって感じだ。先行するのはCirrusとPiper LSA。それを横から抜くと2機に伝えてくれ!と管制官にお願いしていた。確かに200kt級の速度で飛ぶのだろうが、抜くくらいならゆっくり飛べ!と思う。凄い格好いい機体だなと思っていたが、オーナーパイロットが勘違い野郎だとわかりがっかりした。

こちらは3500ftでSpecial Flight Ruleを飛ぶ。油温はレッドギリギリ。2500rpmから2400rpmへとパワーを絞る。こういう温かい日だと、なんとなく2500rpmではピシっと来ない。熱ダレしたというだけでなく、プロペラの角度が合っていない感じ。なんとも形容しがたい。2400rpm強にしてあげた方が速度が落ちて迎え角が上がるのだが、機体としてはピシっとした感じがする。固定ピッチのプロペラだと、その飛行機が一番”飛びたい”という速度が気温によって劇的に変化すると思う。この機体ともそれだけの対話ができるようになった。

ホーソン空港のClass D Airspaceの南境界線に沿って降下、そしてコンプトン空港横で1800ftまで下げた。そのまま北上してパサデナまで足を伸ばす。そしてバーバンク空港のClass C Airspaceの下を2000ftで飛び、グリフィスパークからブルーウェイルまで2000ftで飛ぶ。本当はさらに海に出てあと1時間くらい飛び続けるつもりでいた。ところが、サンタモニカ空港の管制塔をモニターしていると、Fwy405の周辺に報道ヘリが沢山いるようだ。こちらからもヘリの群れが見える。管制塔と報道ヘリのやり取りを聴く限り、どうやら誘拐犯が車で逃走しており、それをLAPDのパトカーが追いかけているらしい。それを聞き、海岸線に抜けてさらに飛ぶのを止めた。すぐにカーチェイスが起こっている空域を避け、進路を左に取ってFwy10よりも南に下りた。そして西に飛んでサンタモニカ空港に着陸することに。Straight inと管制官に指示され、そのままノーフラップで駆け下り、気持ち良い着陸となった。

 


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2 コメント

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Unknown (tfultra)
2012-06-14 07:56:29
>その飛行機が一番”飛びたい”という速度が気温によって劇的に変化すると思う。この機体ともそれだけの対話ができるようになった。

天候によってかなり違うものですね
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Unknown (C2)
2012-06-16 03:20:43
>tfultraさん
ふらっと空に上がって下りて来るだけの短いフライトでも、毎回楽しいのはそういう機体との対話も理由の一つかもしれませんね。
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