LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

iPhoneにもナビゲーションソフトを入れてみた:使い心地は?

2012-04-12 | 航空関連エッセイ

ForeFlight、WingX Pro、Garmin、JeppesenなどがiPad用の航空用ナビゲーションソフトを提供している。どのソフトも無料から1ドル程度と安いが、年間契約料が高い。とは言っても、その内容から考えれば、ForeFlightやWingXの数十ドルから200ドル程度の契約料は破格といっていい。Garmin、Jeppesenなどの老舗は高く、特にFAA承認のJeppesen Digital Chartはその機能性の低さと反して激高の年間契約料。自分にとっては論外。

個人的に使っているソフトはWingX Proだが、非常に良い出来だと言っていい。Low / High enroute IFR chart、そしてVFR chartでは自分の機体の位置が表示されるが、IFR Approach Chartの上で仮想機体位置を表示させるにはSeattle Softとの更なる別契約(年間75ドル)がいる。ばからしいので自分は別契約はしていない。ということで、IFR Approach Chartにしか出ていないFIXと自分の今の位置の関係をWingXを使って把握することができない。当然ながらVOR、DME、Panel Mount GPSなどFAA承認の本来のナビゲーション装置をつかってFIXを確認するのが正しい方法なのだが。ただ、それ以外は不満がなく、Single Pilot IFRの大きな武器となっている。

WingXの年間契約をすると、複数のタブレットでの使用が可能になる。ということで、iPad2以外にiPhone3GSにもWingXをインストールした。3GSは既に古い世代のiPhoneになってしまったのもあるかもしれないが、思いのほか性能が良くない。とくに内蔵GPSの感度の低さが原因と思われる頻繁なシグナルロスは不満。iPad2ではGPSのシグナルがフライト中に問題になった事がない。それから、iPhoneの画面は小さ過ぎる。iPadのデジタルチャートでIFRは可能だが、iPhoneだと見難くて拡大操作が必要になり、紙チャートよりも危険な印象すらある。あと、WingX Proの特徴である、二つの画面に分けて2種類のチャートが表示できる便利な機能がiPhone版では使えない。iPad2/WingXでIFRを飛ぶ時には、Low Enroute IFR ChartとApproach Chartを同時表示し、着陸した後にはApproach ChartとSafe Taxi Modeを組み合わせて使うのが好み。これがiPhoneでは出来ない。

ということで、iPadの電池切れやiPadを空港に持参しなかった時のバックアップとしてiPhoneにWingX Proを入れておくのはいいが、iPadを持たない人がiPhone用だけにWingXやForeFlightなどを使っても意味がないように思える。既存の紙に印刷されたIFR Approach Plateよりも画面が小さいアプレットでのナビゲーションには限界がある。結論から言うと、iPhone版のWingX Proはお勧めできない。

それにしても、iPad2 WingX Pro7、iPhone3GS WingX Pro7、Yoke mount Garmin 496、Panel mount Apollo GPS(Grumman AA1に搭載)、実に4つ!もGPSを積んで飛んでいることになる。自分を甘やかしすぎだと思う。


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