LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

訓練日記36:初めてのナイトクロスカントリー。今回の訓練では、沢山の貴重な経験をさせてもらった。

2006-05-30 | Flight Log (飛行訓練)
今日は初のナイトクロカンの予定。Flight Service Stationに電話をいれると、Unrestricted visibility, wind calm, 飛行制限(TFR)なし、飛行経路上のパイロットレポート(PIREP)なし、Terminal Area Foracast (TAF)では明朝まで快晴と、とんでもなく良いコンディション。まさにStudent Pilotのクロカン日和だ。N111EXのビーコン、ポジション、ストロボ、そしてランディングライトの全てが点灯することを確認し、さらに通常の Preflightを行った。
 日が沈むのを待ち離陸。ロングビーチのクイーンメリー号上空でSocal Approachにコンタクトするが、5分待て!との返答。夜だってのに、たまたま忙しい時にコールしてしまったらしい。でもSLI VORの横を通過する前にはSquawk 02XXをもらい、5500ftで飛行を続けた。眼下には何とも素晴らしいロサンゼルスの夜景が広がっている。夜景の中を飛んでいると、時間がゆっくり流れている錯覚に陥る。ディズニーランドでは花火が上がっていたが、我々からすると遥か下の方で花火が上がっているのが見える。不思議な感じがした。
 以前も思ったが、昼と夜では景色の見え方が違う。とくに空港が見つけ難い。教官に”ロングビーチ空港はどこですか?“と言われて必死でビーコンランプを探すが見つからない。だいたいの見当をつけて、”あそこです!“というと、”はずれ!“とのこと。全く空港ではない倉庫地帯を指差していた。教官はポンポンと空港を見つけるが、自分は目が慣れていない。こういうのもトレーニングが必要なんだと思った。
 ディズニーランドを越えて10分ほど飛行した時、“ここでエンジンが止まったらどこにおりますか?”と質問。そこで、”下の景色がはっきり見えないけれど、車の少ないフリーウェイに降ります“と言ったら、”この地点だとコロナ空港に降りるのが正解“とのことだった。昼なら当たり前のように見えるコロナ空港だが、夜だと全く眼中になかった。確かに前方にはコロナ空港のビーコンランプが光っている。常に空港との位置関係を把握しながら飛ばないといけない。ナイトクロカンは勉強になることが多い。
 しばらくすると San Bernardino空港(SBD)が見えてきた。AWOSで気象情報を取り、CTAFで自分の位置をアナウンスすると、双発セスナがパターンを回っているようだ。こちらもパターンに合流し、RWY24に着陸することにした。ここで教官が、“本当にエンジン止めてしましょうか?”と言い、Final に入ったところでミクスチャーを全部引っ張った!!すぐにエンジンは停止し、グライダーのような静かな世界になった。通常のFinalよりもやや急峻な角度で進入し、ラウンドアウトしようと思ったら全然無理!やはりアイドリングとは言えエンジンが回っているのと、全くエンジンが停止しているのでは別世界だった。ラウンドアウトから接地まで短時間だったが、教官は”よし、うまい“とお褒めの言葉があり、ラウンドアウトから接地までこんな短いのでいいんだ?!と思った。やはりエンジン停止のリアルシチュエーションはエンジンアイドリングの模擬訓練とは全然違う。良い経験をさせてもらった。
 SBD ではナイトランディングの練習を2回行い、そのままBanning空港(BNG)に向かうことになった。山と山に囲まれた谷間を飛ぶような感覚で、SBD からBNGまで向かった。GPSがあるので安心ではあったが、暗闇で山肌を目視することができないまま、山々より低い高度で飛ぶことは気持ちのよいものではない。しばらくするとBNGが見えてきた。少しDownwindを近めに取りすぎ、BaseとFinalを一緒に作るよう進入をすると、やや高度が高めだった。“よし、ノーズ下げてGlide pathに戻そう”と気軽に考えていたが、教官からは”イルージョンにだまされてるよ”と指摘される。そしてRWY 26に着陸しようとしたが、実際にラウンドアウトして初めて分かったキツい上り勾配!。本来ならもっと低めのグライドパスを描かなければならなかったので、当然ながらラウンドアウトも短めの変なランディングとなった。再びSBDに向かい、SBDのRWYでは酷いイルージョンを起こすものはなく、綺麗に着陸が決められたと思う。SBDではエンジンフルストップの小休止。いつものBLUESに向かったが、なんとGulfstreamがとまっている。思わず 1EXをGulfstreamのとなりに停めてしまった。小休止を終え、SBDを離陸。Socalも暇らしく、途中2回しか中継されなかった。
 TOA が見えてきたときには、正直ほっとした。CTAF 124.0 x5回プッシュしてライトを点灯させ、RWY29Rの真ん中に着陸。教官からも、“ナイトでも着陸の目線があってきましたね”との言葉をもらった。へんてこりんな風が吹かなければ、少々の風でも、またナイトコンディションでもランディングが安定してきたように思う。総着陸回数はまだまだ220回程度、さらにさらに磨きをかけていく必要があるだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。