LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

IFR訓練日記:ついに本当のIFRを体験することになった。

2007-03-18 | Flight Log (飛行訓練)
空港に近づくとカリフォルニア海岸線に特有のマリンレイヤーが迫ってきている。携帯電話からTorrance Airport(TOA)のATISを取ると、Ceilingも低いが、なによりもVisibility 4mileでHazeだ。空港への道のりは雨も降っていないのに時折ワイパーを動かさなければならないくらいの霧模様。空港に到着するとビーコンが回っている。完全なIMC(Instrumental Meteorological Condition)だ。この日は Tower Enrouteでフライトをすること。IFR訓練を開始して初めてClearanceを取ってIFRで飛ぶ事になり、なおかつ本当のIMCだ。もしかしたら雲の中に突入というActualを経験できるかもと密かに期待していた。

プリフライトを終え、教官が来るのを待つ。気温と露点温度が近く、機体には水滴がつく。こんなIMCの夕暮れ時、飛んでいるジェネアビの機体はほとんどない。そうこうしていると教官登場。エンジン始動後にグランドにコンタクト、ATCはvisibilityがさらに悪化して3マイル以下になりそうだけど飛ぶの?と聞き返してきた。やはりこんな時に飛ぶ人は少ないようだ。

少し緊張しながらタクシーを開始。Run up areaでVORチェックをし、教官がテキパキとクリアランスを取る。Clearanceをもらうべく、教官がKnee boardを出してC R A F Tの順にメモっている。自分も練習の為にメモを取ってみた。Routeの所が一カ所聴き取れず、教官のメモを横目に答え合わせをした。

TOAを離陸し、レーダーベクターされ、そして再びTOAに戻るだけの短いフライト。でも、Visible moistureがあり、Visibilityは落ち、目の前にはCeiling 500ft程度のマリンレイヤーが迫る本格的なIMCでのフライトは自分にとって初めての体験かもしれない。十分な経験を積んだ教官と一緒とはいえやはり緊張する。

Rwy Hold shortラインまで進み駐機すると、ファイナルに1機の機体が降りて来ているのを発見した。どうやらボナンザらしく、missed approachをかけていた。我々から機体が見えるということはボナンザもRwyはinsightしているはずなので、IFRの訓練でもしているのだろうと思った。もし彼等が本当にmissed approachをかけたのなら、我々もここには戻ってこれず、他の空港にダイバートしなければならなくなる。

ボナンザが去った後に我々も離陸、目の前にはマリンレイヤーが広がる。ここで雲の中に完全に入るかなと思ったが、ぎりぎりかする程度だったのでフードを被る。TOAのタワーからSocalにハンドオフされRader vectorが開始となる。3000ftでレベルオフとなったが、ここで教官からフードを取っていいと言われた。その下には一面の雲海が広がり、VFRパイロットの自分には初めて見る光景だった。雲を通して見える町の灯りが幻想的だった。すぐにフードを被り直し、レーダーベクターされながらSLI VORの方に向かう。あとはいつも通りにTOA 29R ILS approachを開始。途中教官の修正が入るが、最初の頃よりは上達しているのではないかと思う。

Decision Altitudeの350ftに来てフードを取ると、月明かりも遮られた暗闇の中、キラキラと光るRwyが目の前に広がる。最高に気持ちイイ瞬間だ。無事に機体を着陸させ大満足で帰宅となった。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
IFR (Fuchieh)
2007-05-22 08:43:40
暗闇の中、キラキラと光るRwyが見えたら、本当に感動しますね。これからどんどんIFRで飛んでいきたいと思います。
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Unknown (C2)
2007-05-22 15:38:03
自分もさっさとIFRとっちゃわないといけないなと思います。やっぱり小型機でSingle-pilot Actual IMCは格好よいなと思いますよ。
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