LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:離陸したけど天気は雨と突風。予定より早めの帰還となった。

2006-12-12 | Flight Log (機長)
南カリフォルニアにはTroughが広がり雲が多い天気。2500-5000ftくらいに雲があり、風も強いという天気。AIRMET Tangoも出ていた。早朝と午後1時頃に天気をチェックしているが、Terminal Area Forecastはどんどん悪い方向へと予報を変えていっている。クロカンには行けないかなと思いつつ、飛ぶだけとんでみようとTorrance(TOA)に向った。

今日の機体は久しぶりのN111EX(1981年式のCessna172P)だった。この1EXという機体は180ps仕様なので、1997年以降のCessna172SPなみにスピードが出る。事実、81年式172Pの1EXのパワーアップ後の最大離陸重量は、年式の新しい1997年式の172Rよりも150 lbs増えている。

空港に向って車を走らせていると空模様は悪化する一方で、4000ftくらいにある雲の底部は暗くなり始めている。今にも雨が降り出しそうな感じ。おまけに風が強く、Torrance/Hawthorne/Longbeach airportsともにGust20以上のATISだった。まあ良い経験だろうとRight Downwind departureにて飛び立った。

それにしてもこのCessna172Pモデルは操縦桿がCessna172R/SPモデルよりも重く感じる。厳密に言うと、エレベーターが重く感じる。172Rに乗り馴れていると、この172Pモデルのエレベーターの操縦桿の重さは違和感を覚えるほど。もちろんスタビレーター(Stabilator)という方式の水平尾翼全体がエレベーターの働きをするPiperやAMD Alarusのような機体の方がエレベーターの重さを感じるので、操縦できないほどC172Pの操縦桿が重いということではない。

ロングビーチから南下しながらLongBeachやHawthorne airportのATISを取ると、どこもGustが強くなっている。おまけに雨も降り始め、他の空港でタッチアンドゴー遊びどころじゃない。Temperature 14/ Dewpoint 11とこのとで、海側の方は1000ft程度に雲が張ってVisibilityが落ちてきている。Santa Monica AirportのATISではLAX上空を飛行できるMini routeがクローズになったとのこと。これはさっさと帰還したほうがいいと一路TOAへ。フロントスクリーンには水滴が付き、所々で飛行機はガタガタ揺れる。今までにもっと激しい揺れは経験しているが、暗い雲底に小雨が混ざる状況では気分の良いものではない。

TOAのApproach lighting Systemがキラキラ光っている。TOA周辺のVisibilityは降雨があるといっても5マイル以上はあり特に不安はない。それより、空港目指してグリーンアーク下端くらいのエンジン回転数でクルーズディセンドしている時も、雨と肌寒さからキャブアイシングが気になり、キャブヒートを引きっぱなしだった。

流石にこの状況で飛んでいるシングルエンジン機はほとんどいない。TOAのタワーにコンタクトすると、Rwy29R, cleared to Landとすぐに言われた。それと同時にWind 240 at 15 Gust 20との情報をもらった。実際に着陸態勢でベースに入って行くと、”本当にその程度の風なの?”と思うほどに強い風を感じる。左からのクロスウィンドで右ベースに入っても向かい風で前に進んでいかない。ファイナルはウイングローでウィンドコレクションするが、本当に真横からの風だった。ウィンドソックは真横を向いて、フラフラと方向を変えている。久々に闘志が湧いてくる状況だ。もちろん無理は禁物、いつでもゴーアラウンドの準備はしていた。

空港敷地内に入って300ftくらいの高度からは十分ノーズを落として機体を安定させた。意図的に普段より10kt弱速めのエアスピードでラウンドアウトとなったが、突風で機体が接地しそうになるので少し操縦桿を引き気味にした。そうしたら強いGustが来て機体が10feetくらい舞い上がった。そのまま失速気味にハードランディングになると嫌なので、少しスロットルを入れて再度飛行機を前に走らせ、仕切り直して無事タッチダウンとなった。タッチダウン後は操縦桿を完全に左側にきって地上滑走を続けた。

無事にランプインすると妙な達成感あり。天気は悪いが楽しい飛行だった。




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