<口蹄疫>「県マニュアルに欠陥」…初期症状、水疱なく下痢 (毎日新聞)
30万頭近くも牛や豚を殺処分せざるを得ない事態になった宮崎県の口蹄疫(こうていえき)禍。10年前に同県で発生した際には速やかに制圧できたのに、なぜ今回は初期の封じ込めに失敗したのか。獣医師の証言から追った。【中尾祐児】
【口蹄疫の写真特集】現地の深刻な状況を写真で
「今でも悪夢を見ているようだ。まさか『日本中を震撼(しんかん)させる大惨事』になるなんて……」
3月26日、宮崎県都農(つの)町の牧場で、下痢の症状が出た水牛を診断した開業獣医師の男性(61)=同県高鍋町=は声を震わせた。
前日夕、モッツァレラチーズを作るために水牛42頭を飼育する牧場主から「いつもと違う。ボーッとしている」と電話が入った。
往診に出向いた26日午前10時。雌1頭の便がゆるかった。口蹄疫に典型的な口の中やひづめの水疱(すいほう)は見あたらない。「冷たい水につかって、腹をこわしたのかな?」。風邪の治療を施し、経過観察することにした。
次の30日の往診。平熱(約38度)より1~2度高い水牛が一気に10頭になっていた。徐々に感染が広がる風邪とは違う。敷料のオガクズにまざった化学物質などの中毒を疑い、県宮崎家畜保健衛生所に通報し、立ち入り検査を要請した。
だが、県も「主に下痢の症状だった」と見逃し、3月31日に採取した水牛の検体を、動物衛生研究所(東京)に送ったのは4月22日(翌日陽性と判明)。別の農家の牛が感染第1例と確認された同20日の2日後だった。
10年前の00年3月、国内で92年ぶりに発生した口蹄疫も宮崎県が震源地だった。宮崎市内で3戸の牛38頭が殺処分され、47日後には終息。県は「我が国の防疫体制が国際的にも高く評価された」(同県発行「口蹄疫防疫の記録」)と誇った。
当時、最初に牛の異常を通報した獣医師、舛田利弘さん(66)は「下痢から口蹄疫を疑うのは不可能だ」と、水牛を診た獣医師の判断に同情する。10年前も、最初の1頭はややよだれが多い程度の風邪の症状。約1週間後、牛舎の他の9頭すべてに広がって初めて「変だ」と気が付いた。「初期症状は教科書とは全く違う。水疱はなかった」と振り返る。
03年に県が策定した「口蹄疫防疫マニュアル」。牛の典型的な病状に「口の中の水疱は発病後6~8時間以内に現れる」「蹄(ひづめ)の病変は口の中と同一時期」などと記載されている。
舛田さんは「県はマニュアルで抑え込めると自信を持ったが、重大な欠陥があった。同時に複数の典型的な病状が出るという、誤った先入観を与えてしまったのでは」と指摘する。
「10年前と比べ、伝播(でんぱ)力が強いという特徴があると考えられる」。農林水産省の牛豚等疾病小委員会が見解を出したのは、感染拡大後の5月18日だった。
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コメント
なんだなんだ、県はマニュアルで抑え込めると自信を持ったが、重大な欠陥があった。?
自民党は国の対応が悪いと異常反応しているが、県の初期対応での自信過剰と油断がその後の感染拡大に繋がったのだ。
県知事は無責任な発言ばかりで肝心な現地対応がまったく出来てなかった事を謝罪していません。
すべて国が悪いとの自民党側の影に隠れてヤジおやじ東国原知事の能力不足が明らかです。
30万頭近くも牛や豚を殺処分せざるを得ない事態になった宮崎県の口蹄疫(こうていえき)禍。10年前に同県で発生した際には速やかに制圧できたのに、なぜ今回は初期の封じ込めに失敗したのか。獣医師の証言から追った。【中尾祐児】
【口蹄疫の写真特集】現地の深刻な状況を写真で
「今でも悪夢を見ているようだ。まさか『日本中を震撼(しんかん)させる大惨事』になるなんて……」
3月26日、宮崎県都農(つの)町の牧場で、下痢の症状が出た水牛を診断した開業獣医師の男性(61)=同県高鍋町=は声を震わせた。
前日夕、モッツァレラチーズを作るために水牛42頭を飼育する牧場主から「いつもと違う。ボーッとしている」と電話が入った。
往診に出向いた26日午前10時。雌1頭の便がゆるかった。口蹄疫に典型的な口の中やひづめの水疱(すいほう)は見あたらない。「冷たい水につかって、腹をこわしたのかな?」。風邪の治療を施し、経過観察することにした。
次の30日の往診。平熱(約38度)より1~2度高い水牛が一気に10頭になっていた。徐々に感染が広がる風邪とは違う。敷料のオガクズにまざった化学物質などの中毒を疑い、県宮崎家畜保健衛生所に通報し、立ち入り検査を要請した。
だが、県も「主に下痢の症状だった」と見逃し、3月31日に採取した水牛の検体を、動物衛生研究所(東京)に送ったのは4月22日(翌日陽性と判明)。別の農家の牛が感染第1例と確認された同20日の2日後だった。
10年前の00年3月、国内で92年ぶりに発生した口蹄疫も宮崎県が震源地だった。宮崎市内で3戸の牛38頭が殺処分され、47日後には終息。県は「我が国の防疫体制が国際的にも高く評価された」(同県発行「口蹄疫防疫の記録」)と誇った。
当時、最初に牛の異常を通報した獣医師、舛田利弘さん(66)は「下痢から口蹄疫を疑うのは不可能だ」と、水牛を診た獣医師の判断に同情する。10年前も、最初の1頭はややよだれが多い程度の風邪の症状。約1週間後、牛舎の他の9頭すべてに広がって初めて「変だ」と気が付いた。「初期症状は教科書とは全く違う。水疱はなかった」と振り返る。
03年に県が策定した「口蹄疫防疫マニュアル」。牛の典型的な病状に「口の中の水疱は発病後6~8時間以内に現れる」「蹄(ひづめ)の病変は口の中と同一時期」などと記載されている。
舛田さんは「県はマニュアルで抑え込めると自信を持ったが、重大な欠陥があった。同時に複数の典型的な病状が出るという、誤った先入観を与えてしまったのでは」と指摘する。
「10年前と比べ、伝播(でんぱ)力が強いという特徴があると考えられる」。農林水産省の牛豚等疾病小委員会が見解を出したのは、感染拡大後の5月18日だった。
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コメント
なんだなんだ、県はマニュアルで抑え込めると自信を持ったが、重大な欠陥があった。?
自民党は国の対応が悪いと異常反応しているが、県の初期対応での自信過剰と油断がその後の感染拡大に繋がったのだ。
県知事は無責任な発言ばかりで肝心な現地対応がまったく出来てなかった事を謝罪していません。
すべて国が悪いとの自民党側の影に隠れてヤジおやじ東国原知事の能力不足が明らかです。