みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

【ついに登山開始】とある水野の富士登山(ヒルクライム)2【第九話・富士登山戦記八合目まで】

2011-08-15 23:44:16 | その他スポーツ

2011年8月6日、早朝。

まだ外は薄暗い中、眠い目で朝飯を摂り、寝床の足元に置いていたバックパックを持つと、ずしりと重い。

諸々の資料に拠ると、山小屋で一泊(つまり、キャンプ道具等は使わない)するような登山の場合、バックパックの容量は30~40リットル程度が適当である、ということで俺はモンベルの35リットルのバックパックを買った。

両手で持つため二本のストック(杖)をサイドに挿したバックパックを背負い、腰、肩、胸とストラップを締めこむ。

縦にうず高い形状なのは、狭い山道で他の人とすれ違う時に邪魔にならないように、との事らしい。

 

富士山に登ろうと漠然と考えていた時から、ハテしかしどうやって行ったものか?と思案していたのだが、ネットでちょろっと調べてみると、登山口までの往復のバスと山小屋一泊、さらにはガイドさんまでついてくれるというツアーがあったため、それに乗っかることにした俺。

しかしこのツアー、何しろ集合時間が早く、田舎住まいの?俺様は近くのバス停からの始発では間に合わず、仕方なく某駅まで自転車を転がし行くことにした。

下手すっと10kg近い荷物を背負い、20インチタイヤの折り畳み自転車ケッチにまたがり、何とか駅まで行き電車を乗り継ぎ集合場所に。

集合場所は、毎日長距離バスが待機しているお馴染みの場所なのだが、この朝は某ロックフェスのツアーバスが出ていた関係でいつも以上にごった返していた。

ほぼ普段着のロックフェス参加者の一団に混じり、山ガールだったり俺のようなにわか山ボーイ!?は、少々場から浮きつつもバスに乗り込み、新宿を経由して一路山梨へ。

夏休み本番、中央道がメチャ混みの中バスは高速と一般道を使い分けつつも、予定より遅れて富士スバルラインに入る。

この間必死こいて自転車で登ったスバルライン、この日は練習で上っている自転車尻目にバスで通過。つうかスバルラインって普通に自転車で走っていいんだとこの日初めて知った。ヒルクラの時以外来た事無かったからな…

 

やがて、バスは四つある富士山頂への登山口の一つ、標高約2,000mの吉田口に辿り着いた。

ガイドの女性の案内によると、この五合目での滞在時間は少々短めになるようだった。

そう、このガイドさん、最初新宿で点呼をしている時は五合目までだけの添乗員だと思っていたのだが、彼女が前述した「富士山頂までのガイド」という事実が分かった時はちょっと驚いた。何しろ見た目は普通の女の子って感じだったのでね。

しかし、その第一印象は後に覆らざるを得ない事態になっていく訳だが…

バスから降りて、まず五合目の施設で着替えを…と思ったら、建物の中は90年代のスキー場さながらの大混雑で、時間もあまりない中何とか着替えて準備万端、しかしうどんを食うヒマはなく携帯食をかじりながら集合場所へ。

吉田口五合目、どちらかというと観光客向けといった風情の店が多い場所だが、そんな建物が立ち並ぶ広場の一角で一同は集合し、準備運動を行い、山頂目指して頑張るぞオー的な掛け声も出しつついよいよ長い登山が始まることに。

ここでもう一人、ネパール人の方がガイドに加わり、彼はシンガリを務めてくれるとのこと。こちらはもう見るからに、頼りになるどころかネパールって反則じゃね?っつう位の人という第一印象ではあった。

 

で。

五合目を出発し、最初のうちはむしろ下っていたり、石畳の道がありつつもそれ程の勾配ではなく、その頃はまだ良かったのだが。

六合目、登山路と下山路の分岐点を過ぎたところから、急に富士山はその険しさを増す。

この日は比較的天気が悪く、雨がぱらついたり晴れ間が見えたりする中をヒイコラ言って急な斜面を登り、短い休憩を挟んでまた登る。

七合目にきて、山小屋の先の道の脇で休憩。この時既に俺は疲労困憊。

ガイドさんが言うには、体力に不安のある人は前の方がいい、ということだったのだが、俺はまあ何とか大丈夫だろうとたかをくくり、最後列の方を歩いていた。

しかし、登山を続けるうち、最後尾にいると前列が休憩を始めてしばらくしてやっと到着→休憩したと思ったら前列はもう十分休憩したのでもう出発→結局後列もバタバタしつつすぐ出発→休めないという図式に気づき・・・

はしたのだが、一度後ろについてしまうと案外前方に出られないもんで、そのままズルズルと後方で斜度を増す登山路を進み続けた。

 

七合目の登山路は、急斜面を通り越して半ば崖のような岩場となり、これが厳しいのなんの。

重い荷物を背負い、安定の悪い中をしかも人が多くて前の人の動きを見ながら止まったり、登ったりしなければならず、自分のペースで進めない状況が続く。

土日の吉田口ルートは人が多いとは聞いていたが、これ程とは…

もはや年末年始の川崎大師のような大渋滞の中、俺は何とか集団についていき、背負っていった2リットルのペットボトルの水も順調に消費しつつ必死の登山を続けた。

周りでは、持参している酸素缶をここぞとばかりに取り出し、スースーと酸素を吸入する音があちこちで響く…

しかし俺は、まだ山小屋にもついてないうちから出す訳にはいかん、切り札は最後まで取っておかねば…との考えでギリギリでやせ我慢。

 

そして、19時にさしかかり、そろそろ日も暮れようとしていた時、ついに本八合目のトモエ館という山小屋に一行は到着した。

ようやく山小屋か…

そんな安堵も束の間、とある水野の富士登山はこれからが正念場となる。

 

※写真は七合目の某山小屋脇から取った麓の風景。あんまり天気がよくなかったのでこの程度だけど…


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