みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

別府選手すげーーーー!!

2009-07-26 23:51:16 | 自転車
ちょっとフライングだが…
今夜ツール最終ステージ、何と別府選手が他6人と逃げを決め、最初のスプリントポイントで2位獲得!

もうすげーとしか書きようがねえ…

こないだも某ステージ7位に入るし、完走できるかどうかどころではない活躍には驚きだぜ。
ちょっと今夜は眠れないかぁ?ゴール集団スプリントだったら新城選手に期待だ

ツール・ド・フランス(俺的)観戦記5「逃亡者(のがれもの)たちのツール」

2009-07-26 22:40:59 | 自転車
 さてさて。

 無事?ツールバブルが弾け、アクセス数が通常に戻った(IP数で5,60/日という感じ…)当ブログだが、週一ペースは変わらず、つうか最近はこれをキープするので精一杯ではあるが…昨日も仕事してきたし…


 泣き言はさておき。


 ツール・ド・フランスに限らず、ロードレース(とりわけ平地ステージ)で選手が勝つ方法は大きく分けて二つ。
 一つは集団でのゴール前スプリント勝負を競り勝つこと。
 もう一つは、集団からひたすら逃げて逃げて誰よりも先にゴールすること。

 書いてしまえば簡単なのだが、やっぱり逃げて勝つというのもまた一筋縄ではいかない。
 やっとの思いで集団を抜け出しても、前回書いたように基本的にはロードレースは数が多いほうが走行の面では有利なので、最後に追いつかれてしまう場合も多々ある。


 しかし、それでも選手たちは逃げ続ける。


 第12ステージ、集団に3分以上先行して7人の逃げ集団が、森を一文字に切るような一本道や、本当に普段はなんでもないような小さい街を、しかしその美しい風景を見るでもなくひたすらに逃げる。


 逃げ集団も「集団」なので、「勝つ」ためにはその中でさらに先頭にならなければならない。
 そのため、残り数キロを切ってくると彼らの中でもアタック合戦が始まる…訳だが。

 12ステージは、残り20km以上あるところで突如動いた。

 サクソバンクのニキ・セレンセンがマターリしていた他の6人に不意打ちを食らわすように勢いよくすっ飛んで行き、反応できたのはアグリチュベルのシルヴァン・カルザッティのみ。

 だが、残りはまだ20km。
 Jsportsの解説者も、この距離を二人で逃げるとあっては、後ろの5人の方が形勢有利と見る。

 それでもセレンセンは走る、走る。
 しかも、残り5km前にしてさらにカルザッティも置いてけぼりにし、集団との差はむしろ広がっていく。

 そのまま最後まで根性の走りを見せたセレンセン、見事な逃げ勝ちを収めた。個人的には彼がゴールしたときの目を見開いた表情が忘れられんなあ…


 ちなみに、第12ステージのゴールにして、第13ステージのスタート地点はヴィッテルというところ。
 そう、言わずと知れたアノミネラルウォーターの産地である。

 だからという訳ではなかったんだろうが。


 第13ステージはなんと雨。

 見るからに寒そうな山の中を、今度はサーヴェロテストチームのハインリッヒ・ハウッスラーが逃げた。
 途中までクイックステップのシルヴァン・シャヴァネルと一緒だったが、残り50kmあたりの下り坂で彼も置き去りにし(下るのもただ乗ってるだけじゃなくて技術があるんだろうね)、降りしきる雨の中を一人走った。

 しかし、こうしてテレビで見ている我々と違い、一人で逃げている選手は後ろの様子が見える訳ではないし、心境としては孤独と不安が入り混じったものがあるんだろう。まあ無線なんかもあるし、情報入手の手段がまったくない訳ではないんだけどね。

 それにしても、このステージはひたすら雨。気温も10度台と相当寒かったらしいが、そんな苦境の中を一人ハウッスラーはひた走り、涙のゴールを迎えたのである。


 ここまで2レース逃げの選手が勝って、ところでメイン集団はなんで追いつかない?と訝しがる向きもあるかと思う。

 しかし、全21ステージの長丁場であるツール、アスタナのようにひたすら総合優勝を目指すチームなどは、ひたすら力を温存して来るべき終盤のクライマックスに備えるという思惑もあり、無闇に追いかけようとはしない。
 さらに、当然だが逃げ集団に選手を送り込んでいるチームだったら、むしろメイン集団に追いついてもらいたくはない(勝つために逃げているのだからね)というわけで、あまりスピードが上がらない要素もあるにはあるのだ。


 ところが第14ステージ。

 やはり逃げを決めたそこそこ多人数の14人の集団の中に、コロンビアハイロードのジョージ・ヒンカピーという選手が入っていた。

 彼はかつてあのランス・アームストロングと同チームで名アシストとして知られた身、即ちベテランなのだが。
 この時総合タイムで、マイヨジョーヌの選手と5分25秒遅れ。

 普通に考えたら差は大きいと考えるところだが、今回はちと状況が違う。
 何しろ、メインと逃げ集団のタイム差は悠々6分を超えているため、このまま行けばヒンカピーがマイヨジョーヌを奪取することになる訳だ。

 この時マイヨジョーヌを着ていたのはリナルド・ノチェンティーニ。彼が所属するチーム「AG2R」(フランス語で「アージェードゥゼル」と読む)は気が気ではなく、先頭を引くアスタナの後ろで様子を伺う。

 逃げ集団は順当に6分以上の差をつけつつ進み、やがて集団内でのアタック合戦が始まる。
 それは次第にヒートアップし、そう簡単に逃がしてたまるかいという追っかけ、さらにはカウンター(追いつきつつそのまま逃げる)が連発。
 しばらくそんな状態が続き、青春漫画で言うところの「お前強いな…」「なにお前こそ…」とケンカが終わって川原に寝転ぶガキ大将達のような構図に(笑)。

 4車線以上あろうかというコース全体に、選手達がバラけて飽和状態になったその時。
 テレビ画面ですら右端の枠ギリギリ位の隙から、一人スルッと抜け出した。

 もう「逃げってのはこうやるんだ」とイワンばかりの見事なスルーっぷりを見せたのは、そう、ロシアのチーム「カチューシャ」のエース級、セルゲイ・イワノフ

 あまりの見事っぷりにガキ大将…じゃねえ(まだ引っ張るか)他の選手達はお見合い状態、追いかけるのをためらい(全員が誰かが行くんじゃないかと思うと、瞬間の判断が遅れるんだろうね)結局一人しかイワノフについて行けなかった。
 例のヒンカピーですら、そのまま集団に残る羽目に…

 このまま、イワノフは14ステージを制することになった訳だが、問題はヒンカピー。

 後ろの集団は、やはりアージェードゥゼルが先頭につき、ガンガン引っ張りヒンカピーにマイヨを奪われまいと必死に走る。

 5分25秒という、目に見えない「タイム差」を巡り、二つの地点で意地と意地のぶつかり合いを見せ、結果。

 何と、ヒンカピーとメイン集団との差は5分20秒

 結局マイヨジョーヌはこのステージもノチェンティーニが守り抜き、ヒンカピーのマイヨジョーヌのラストチャンスは雲散霧消という結末に終わったのであった。


 しかし、3ステージ見事に逃げが決まったが、逃げというのは辛い上に確実に勝つ手段というには程遠い走りではある。

 それでも、セレンセンのような実況ブースの玄人予想すらひっくり返す大逃げを見せられると、今某ミニバンのCMでジョージ・ウィリアムズが言ってる「できっこないよ、やらなくちゃ!!」という言葉がピッタリくるなあと…

 そんな一発逆転ごはんですよ状態の?3ステージが終わり、第15ステージ。


 いよいよあの男が動き出す。


ツール・ド・フランス(俺的)観戦記4「水野晴郎も真っ青?コロムビア超特急1~4」

2009-07-20 22:14:12 | 自転車
 速いヤツが勝つとは限らない。駆け引きも重要な要素となるゴール前のスプリント勝負。

 これは競輪など他のスプリント競技でも言えることだと思う。


 しかし。

 物事には例外がつきものである。


 前回もチロっと書いたが、ツール・ド・フランスでは総合優勝争いの他、他の賞を巡る争いもなかなかどうして面白い。

 前回からスプリントスプリントと言っているが、そのスプリントで最強の選手に与えられる賞というのがツール(というか、この手のロードレースにはつきものだが)にはある。

 ツールではこれは「マイヨ・ヴェール」と呼ばれ、マイヨジョーヌが黄色なのに対しこれは緑色である。

 当然のことながら、ステージの最後を先頭で、即ち勝利した者にはとりわけ多いポイントが与えられると(一方これだけでは勝てないという仕組みもあるのだが…これは後述)。


 現在マイヨヴェールを巡る激しい戦いを繰り広げているのは、以前にも書いたチームコロンビアのエース、イギリス本島の近くに浮かぶマン島出身、マーク・カヴェンディッシュ(通称カヴ)と、サーヴェロテストチームのトル・フースホフト。


 既に同賞争いでは3位以下の選手を引き離している両選手、メインの勝負はやはりゴール前。

 まずは第10ステージ。
 前回までとは打って変わり、必死に逃げていた先頭の小集団は敢え無くメイン集団に吸収(要するに追いつかれること)されてしまう。

 そう、逃げを打つということは、カヴのような生粋のスプリンターに対抗する有効にして(多くの選手にとっては)唯一の手段であるが、カヴのチーム・コロンビアでなくとも早々簡単に逃げた選手に勝ちを取らせる訳にはいかない。
 まして、「多勢に無勢」と言うが、少人数で先頭交代をめまぐるしくやるよりも、大きな集団の方が多くの選手が空気抵抗を抑える分、基本的には終盤のスタミナが温存されているため有利なのである。


 そんな訳で、逃げを吸収した集団は、注文どおり先頭に抜き出たコロンビアハイロードの集団がジャンジャン引いて他の追随を許そうとしない。

 この時点で、緑のマイヨヴェールを身にまとっていたのは、ライバルのフースホフト。

 必死に列車の後ろに食いつき、やはり、仕掛けの時を伺う。

 だが…!

 コロンビア超特急はその加速を止めようとしない…!


 1kmを切り、先頭の選手、二人目と、それこそNASAのスペースシャトルがロケットを切り離すように、キッチリ仕事を終えて抜けていく。

 そして、後ろにピッタリついたフースホフトには見向きもせず、最終ロケット噴射!!

 そのまま、カヴェンディッシュが強烈なスプリントでゴール。

 これでカヴは今年のツール3勝目。正直こういう集団スプリントで彼に叶う男はいないんじゃないかと思う位の圧倒的速さであった。


 もちろん、フースホフトや他の選手もこのままではいない。

 続く第11ステージ、同様に逃げ選手が吸収され、残り1kmというところで今回はいよいよチェックが激しくなってくる。

 選手の体の接触もあり、いよいよレースというよりは自転車に乗ったケンカ祭り(笑)っぽくなってきたゴール前。もちろん選手にとっては笑い事ではないが…
 他の選手が残り2両となったコロンビア超特急に食い下がる中、今度は。

 後ろからでは二の舞だと踏んだか、フースホフトが最終ロケット発射前にアタック!
 そして、出ようとするカヴの進路に体当たりも厭わず迫るが。

 しかーし、カヴェンディッシュは通常運行でそのまま前進!!

 もう他の選手の動向などお構いなし、予定通りの発射スケジュールでこのステージも結局勝利、ついに4勝目をもぎ取ったのである…


 俺としては、もちろんゴール前でのシビアな駆け引きも面白いと思うが、カヴェンディッシュのようなどこまでも超特急一本槍ってのは結構好きだったりする…

 横綱相撲というか、漫画「YAWARA!」の主人公柔のごとく、相手が分かっていても一本背負いで勝つというのに匹敵する清清しさを感じるね(笑)。


 さて、冒頭で書いたマイヨヴェール争いの話だが…

 この11ステージでフースホフトからマイヨヴェールをもぎ取ったカヴェンディッシュ、しかしその後再びフースホフトに取り返されることになる。

 というのも、マイヨヴェールに関わるポイントというのは、もちろん先頭でゴールすれば高得点なのだが、そうでなくてもそこそこの順位でも幾らかもらえる。

 スプリントは最強でも、山では後塵を拝してしまうカヴに対し、フースホフトは後の山岳コースでもメイン集団に食い込み、しっかりポイントを地道に?稼ぐことも出来る選手なのである。

 なもんで、今後も山岳ステージが多数控える中、カヴの方は緑のジャージへの道はちょっと遠い印象は拭えないのであるが…まあ華があるからいいだろ(笑)

 結局、先週のステージも半端なところで終わってしまったが、今週の平日を何とか乗り切れたら来週末、頑張って書くとしよう。
 まあ来週土曜はツール生放送に首ったけな予感満点だけどね…

ツール・ド・フランス(俺的)観戦記3「連続テレビドラマ?ツール・ド・フランス」

2009-07-19 22:43:24 | 自転車
 一週間ぶりの更新の前にまず。

 この時期にツールの話題を書くと、何かアクセスが結構上がるようで…
 多少のプレッシャーを感じつつ?当ブログはあくまで情報源や主義主張の場所というよりは娯楽として考えているので、ツールで検索して引っかかった方におかれましては、まあ気楽に読んで頂ければ有難いかと…

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 で、話は第8ステージからだ。

 ツール・ド・フランスは、文字通り「旅」と言いたい位長いレースであり、その中で当然「マイヨジョーヌ」という誉高きジャージをめぐり、即ち総合優勝を争うというのが全体通してのメインストーリーとなる訳だが…

 一方で、もちろん一日一日のステージの勝利を求め、またポイント賞、山岳賞など各賞を巡る争いも、時に「本筋」を食ってしまうようなサブストーリーとして展開されるのである。


 実情として、第8ステージから昨日の第14ステージに至るまで、総合時間でのトップは全く入れ替わることもなく、トップ10でさえほとんど動くことが無かった。

 そんな中、第8ステージではメイン集団から抜け出した逃げ集団の中から、さらに4人の役者が揃って先頭を走っていた。

 大体こういう時、固まって逃げている選手たちは「呉越同舟」というべきか、その場の面子で先頭を交代し合いながらとりあえず協調し合うのが暗黙のルールとなっている。
 エウスカルテルのミケル・アスタルロサ、ケスデパーニュのルイス・レオン・サンチェス、フランセーズデジューのサンディ・カザールが、入れ替わり立ち代りで先頭の風を受ける役を交代していく。

 そう…

 その中で一人、AG2R(アージェードゥーゼル)のウラディミール・エフィムキンが後ろのポジションをキープすると…

 解説によると色々事情はあるらしいが、しかし何か露骨だなあ…という感じで170km強走り、残り5kmというところで、オレンジ色のジャージを身にまとったアスタルロサがアタック。


 しかし、このアタックには白基調のジャージを着たカザールが反応、後ろにつける。
 4人で逃げを打っているところで、まだ4kmもある地点で一人でも後ろにピッタリつかれてしまうと逃げの意味がなくなってしまう(それはただ後ろの選手を引っ張っているだけなので…)ため、とりあえずアスタルロサは減速。

 つうか、今までほとんど引かなかったエフィムキンが追わないし、サンチェスの後ろについてるんだが…?
 前の二人とサンチェスがしばしお見合い状態になる中…


 エフィムキンが行った!!!一瞬の隙、カザールの死角を全力で抜け出した彼に誰も反応できない!

 これには、他の3人全員こう→なったようで、なにくそとばかり3人仲良く?列を組んで追撃開始。

 しかしロードレースのドラマはこれから。


 残り3km、2km、1km。

 列の後ろでマターリと脚を温存させた結果か、はたまた泳がせる目的か?3人はエフィムキンに追いつきそうで追いつかない。
 切羽詰ってくる中、「お前行けよ」「いやお前こそ」と先頭交代というよりは譲り合いっぽくなり、こんな状態じゃエフィムキンにタナボタ取られるぞ…と見守る中。

 もう本当に何百mもねえぞって所で、個人的には馴染みの深い黒と赤のコントラストが暑そうな?ケスデパーニュのサンチェスが猛追!
 エフィムキンを捕まえるかという刹那、サンチェスの脇からさらにカザールがダッシュ力を見せ、二人の前に出る…!


 正に最後の最後で切り札をガンガン出しあう、逆転また逆転のゴール前。


 しかし、最後に笑ったのは…

 残り100か200mくらいの位置、カザールの後ろで一息ついた状態となったサンチェス、うまいことスルッとカザールの脇をすり抜け、満面の笑みで両手を挙げゴール!



 何と言うか…

 これはもう、下手なドラマなど裸足で逃げ出すような壮絶な化かしあいであるなあ…

 もちろん、個人的にはそれぞれの選手にダーティなものを感じるという事はほとんどないし、よろず人間社会でも勝負ってのはこういうもんだとは思うが…

 一口にスポーツと言っても、中々どうして人間臭さがプンプンする群像劇、これもツール・ド・フランスの一つの醍醐味なんだなあと思わされる第8ステージであった。


 その次、第9レースもまた大逃げをかました2人の選手、リクイガスのペッリツォッティと日本人選手、新城君のチームメイトでもあるブイグテレコムのフェドリゴによるゴール前勝負。

 これまた、先に仕掛ければ背後につかれるし、かといって下手に行かせると置いていかれるし…という所、二人で腹のさぐりあい。

 いつアタックをするか、例えるなら荒野のガンマンの早撃ち対決にも似たような、緊迫したゴール前。

 そして、暫く後ろについていたペッリツォッティが飛び出すも、またもゴール直前でさらにフェドリゴがブースト、ギリギリの所で勝利をもぎ取った。


 集団スプリントとはまた違った緊迫感を味わえる、少人数での仕掛け合いが続いた第8、第9の後は、再び例の超特急が発車の時を待っていたのである。

ツール・ド・フランス(俺的)観戦記2「内乱の予感、『帝王』vs.『征服者』」

2009-07-13 23:32:02 | 自転車
 ツール・ド・フランス、他のモータースポーツなどのレース同様、「優勝候補」として挙げられる選手はもちろん数々いる。

 昨年のツール覇者にして山岳のスペシャリストである、サーヴェロテストチームのカルロス・サストレ

 '07年ジロ・デ・イタリア2位、昨年のツール新人賞と若干24歳ながら注目を浴びるチーム・サクソバンクのアンディ・シュレックなど。


 しかし、そういった人達をおいてなお、より多くの人々の注目を集めてやまない存在がいる。

 彼の名はランス・アームストロング

 言わずと知れた、かつて7度のツール・ド・フランス総合優勝を果たした「帝王」である。
 ランスはしかし、7度目のツール総合優勝を期に一度は引退し、3年間ただビールを飲んでソファに座っていた(本人談)身。
 無論そのままモナコに来た訳ではなく、復帰を表明した今年はじめからレースに積極参戦、こないだのジロでも本調子とは行かないまでもまずまず(そのちょっと前に鎖骨を骨折していたことを考えれば十分驚異なのだが…)の成績を収めた。

 そんな彼が現在在籍するのは、カザフスタン(!)のチーム・アスタナ。

 ところが、このアスタナには実はもう一人、エースと呼べる選手が存在する。

 その選手とは、スペイン出身の若き英雄、アルベルト・コンタドール
 彼は、一昨年のツール覇者にして「ジロ・デ・イタリア」、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」で優勝、これら「三大ツール」の「コンキスタドール(征服者)」なのである。


 こういう状況になっているアスタナの話が出たところでツールの第4ステージの話を再び。

 個人だけでなく、チームの総合力が問われる「チームTT」で勝利したのが、実はこのアスタナだった。
 これにより、第1ステージから総合トップ、「マイヨジョーヌ」をキープしてきたカンチェラーラに、アームストロングが「0秒差」(実際には0コンマ何秒差があったのかな?)に肉薄、コンタドールも僅かな差で3位につけるという状況に。

 そして、新城選手のチームメイトにしてエース格のトマ・ヴォクレール(ブイグテレコム)が大逃げをかまして勝った第5ステージ、大詰めチョイ坂のスプリントをサーヴェロテストチームのトル・フースホフトが制した第6ステージ。

 ステージ優勝を目指して様々な選手が飛び出す中、アスタナは地味ながら堅実にメイン集団をコントロールし、総合優勝を目指す「王者の走り」に徹していた。


 で、第7ステージ。

 俺は今まで知らなかったのだが、フランスとスペインの間にポチっと、アンドラという公国が存在する。

 フランスの山々を抜け、この国のアレカリスという標高2240mの山の頂上でゴールするという、本格的な山岳ステージ。

 ここで、序盤から逃げていた集団のうち、フランスのチーム、アグリチュベル所属のブライス・フェイユが見事なクライミングを見せ、プロ1年目ながら堂々の勝利を収めた。

 個人的に面白かったのはその後ろ。

 この日もステージ優勝というよりは、集団先頭で着実な走りに徹していたアスタナの面々。
 しかし、終盤の上り、集団前方でアタック合戦が始まり、アスタナのコンタドールが飛び出した!

 上でも書いたように元々上りを得意とするコンタドール、恐らく十分に力を溜めていた状態でもあったのだろう、アームストロングをはじめ他の選手を爽やかに置き去りにし、9位でゴール。

 結果、コンタドールが総合でアームストロングを抜き、2位に躍り出た。前日までのマイヨジョーヌ、カンチェラーラは敢え無く集団から千切れ陥落を余儀なくされた。


 よくマンガなどで「帝王は二人要らない」みたいな表現が出てくるが、アスタナ内でもそんなようなふいんき(なぜか変換ry)が出ているような気がして、個人的にはこういうのも楽しんで見ている(笑)。

 夕べの第8ステージも中々面白い終盤の駆け引きがあったり、ツール・ド・フランスはなかなかどうして人間ドラマの集合体でもあるのだ。

 さすがにこの辺で力尽きたので、第8ステージから先は来週末に持ち越しだな。



 最後になるけど、個人的には、別府選手も新城選手もまずは完走できるように応援してるよ。

ツール・ド・フランス(俺的)観戦記1「サムライ meets ツール」←正確には複数形だが…

2009-07-12 21:51:49 | 自転車
 ツール・ド・フランスである。

 俺の方は仕事をやりつつも、毎晩ブルーレイをとっかえては録画するという副業?をこなしつつ、合間にレース展開をチェックするという感じで、もうそれだけでじゅうじゅちゅした(カロリー消費的なじゅうじゅちゅ度はアレだが)日々を送っている。
 ということで極めて主観的にツールのこれまでを書いてみよう。

 今年の第1ステージ、即ち「グラン・デパール」(ツールのスタート地のこと)は皆さん一度は名前を聞いたことがあるだろう、モナコ公国だった。

 モナコと言えば、そう。
 毎年F1グランプリが開催され、日本ではまずあり得ないことだが市街地の中を時に時速300km/h近いスピードで突き抜ける光景はいつ見ても圧巻そのものというアノ地である。

 今までもツールのコースにモナコが使われたことはあったらしいが、スタート地になったのは今回が初めてらしい。

 で、そのモナコで行われたタイムトライアル、日本ではCS放送のJSPORTSが放送、ゲストとして片山右京さんが登場。

 片山さんもまた知らない人の方が少ないとは思うが、元F1ドライバーにして近年は自転車でも玄人はだしと言える活躍を見せるお人。
 そう、F1でも自転車でもモナコを走るというちょっとした偉業を成し遂げてる人であり、解説にはうってつけの人材と言える。

 その片山さんも唸るようなスピードで、選手たちがあのトンネル、アノコーナーを走る、曲がる。

 この日の勝者はチーム・サクソバンクのファビアン・カンチェラーラ
 聞いて驚くな、上りあり下りありのTTコース15.5kmを、20分を切るタイムでゴール。
 時速にして47.6km/hというから、解説をしてもはやマシンと言う言葉も頷ける…


 そんな人間を超えた存在と言いたい連中の中、今回は日本人選手が2人登場。

 一人はフランスのチーム、×部位具○ブイグテレコムから出場の新城幸也
 '07年日本チャンピオンなど、元々日本で一歩突き抜けた活躍を見せていた彼が海外1年目にしてツールに挑む。

 もう一人は、オランダのチーム、スキルシマノから出場の別府史之
 彼の方は、高校卒業の翌々年には単身フランスへ乗り込み、以来海外で経験を積んできた実績を持つ。

 いきさつは違えどどちらも実力でツール出場を果たした二人、その実力は早くも第2、3ステージで発揮される。


 第2ステージ、もういきなり普通に187kmを走るレース、まずは比較的平坦なステージのため最後は集団でのスプリント勝負に。

 そこで、こないだのジロ・デ・イタリアで3勝を挙げた俊足野郎、マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビアハイロード)が抜け出し勝利。

 …が!

 その後ろ、結構いい位置(カメラ的にもw)で新城君が飛び込んできていたのである。
 結果は5位だったが、直前で他者の落車のゴタゴタに巻き込まれそうになり、一歩出遅れた状態からこの位置はマジで驚愕。日本のスプリンターも負けていないと言える走りをJSPORTSで見ながら俺は小声で絶叫したね(笑)。

 例えばF1に、WRCに初参戦した日本人選手が2戦目で5位入賞を果たしたとしたら…
 そういう風に考えたらこれは素晴らしい快挙なんである。

 そして、続く第3ステージも前日同様集団スプリント、そして勝者も前日同様カヴェンディッシュ。
 集団を常に3,4人で引き、ゴール前で先頭が全力で引く→力尽きたら抜ける→次の人が引く→(中略)→カヴェンディッシュ発進!というコロムビア超特急が決まる中、今度は別府君が8位入賞。
 これまた快挙。もちろんチームメイトの引き等サポートはあった訳だが、日本人も世界に引けをとらんと言えるんじゃなかろうか。


 しかし、続く第4ステージ、チームタイムトライアル(要するにチーム全員で走る)では、両選手のチームで落車が発生するなどし、結果的にタイムを落とすことになった。

 第8ステージ終了時点では、新城、別府ともそれ以来目立った活躍こそしていないが、まだ先は長い。

 もう一発末脚を炸裂させるか、或いは辛抱強くゴールを目指すか。
 いずれにせよ、これからも二人の若きサムライを見守って行きたい所存だ。


 …ヤバイ乗ってきちゃったのでもう一つ書くわ(笑)次回は明日以降まで出し惜しみってことでよろしく…

地デジ難民・エクソダス

2009-07-06 23:47:24 | 雑記
 何はともあれ、テレビは地デジへ向かって(半ば勝手に)動き続けている。

 俺の方はハイビジョン観たさにブルーレイレコーダーを購入、元々実家の屋根についていたUHFアンテナで問題なく地デジが受信出来ていたのでそのまま過ごしていた。

 そう、問題なかったのだよ。
 この梅雨が来るまでは…


 元々、俺の実家は幸か不幸か山に囲まれた場所にあり、昔っから電波の入りがあまりよろしく無かった。
 どれくらいかというと、地元のUHF局がとてつもなく映りが悪いという具合に…


 かつ、アナログ時代から毎年夏になると電波状態が悪くなり、あんな局やこんな局やお金を払っている局が良く映らなくてムキーヽ(`曲´) /な日々を過ごしていた。


 そしてデジタル放送。


 冬から春にかけて全く問題なかったので安心していたが、6月になり雨が増えてきた頃から、フジテレビに何やら横線が…

 つうか、アナログの場合は画質が悪くなるという感じだったが、デジタルの場合は映らなくなるという…さすがデジタルっつうかこれはこれで非常に困る。

 平井理央、本田朋子両アナが見られなく…もとい、フジの番組が観られなくなるというのはちょっと辛い。
 しかも、雨が本降りになると他のチャンネルもほぼ全滅状態になると…


 そこで、地デジ難民生活脱出のため、アンテナを新調することにした。

 最近色んなモノを買っているAMAZONにて、パラスタック20エレという素敵な響きの「地デジ対応アンテナ」というのを購入。まあ地デジ対応つっても周波数はUHFアナログと同じ領域だから大した違いはないと思うが。

 しかし、従来の14エレメントに対して20エレメント、要するにハシゴ状の棒の数が6組多く、それだけ感度もよろしいと。


 その昔、親父の手伝いで屋根のリフォームの業務経験あり、ベランダに上る感覚で爽やかに屋根に上り(良い子の皆は真似しないでネ)、元々ついてるアンテナを外し「銀色の衝撃、newUHFアンテナデビュー」な感じで(クドイな)無事装着。

 PHSでお袋と連絡を取り合い、ディスプレイに写る感度表示を読んでもらいながらアンテナの角度を微調整し、とりあえずセッティング完了と。


 …「見える!私にも見えるぞ!」

 もう天気が良かろうと悪かろうとほとんど映っていなかったフジも、普通に映っている。もちろん他のチャンネルもチリバツであった。


 しかし。

 うちのブルーレイレコーダーの感度表示によると、地デジの場合50以上の数値だと問題なく見られるとのこと。
 どっこいフジの場合、良くても45くらいの数値しか出ない。

 で、何日かして雨が降ったら、やはり映ったり映らなかったりという状態に…

 まあ、他のチャンネルに関しては雨が降ってもほとんどブロックノイズも出なくなったので良しとするほかないな。これ以上長いアンテナはポールの強度の関係で不安だし・・・


 という訳で、皆さんの地デジ化の参考になったかならないかは分からんが、ツールの熱狂の最中に地味な話題をお送りした。

新城選手がやった!!!!!

2009-07-06 00:20:55 | 自転車
すげー!!!

ツール・ド・フランス、第2ステージでいきなり5位とは!!


世界最高峰の舞台、並みいるスプリンター達を相手にこれは…



凄すぎるまさかここまでとは思わなんだ。

記事執筆中だがそれどころではなくなった
up明日にしよっと

いいものを見せてもらった。別府選手も終盤までいいとこについてたし、これからも両選手に期待だっ!!


ヱヴァ、鑑賞

2009-07-05 02:52:33 | 雑記
ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破を観てきた。

正直想像以上だったかな。

色々書きたいことはあるが、今回は旧作よりも「人と人とのつながり方」というテーマが強調されてた気がしたかな、という感想としとこう。


何故だか、見終わってから人恋しくなった。

と思ったのは愛に飢えてる俺だけか?(笑)

ブルーレイ出たら買っちゃおうかな…

えーちなみに今週末はもう一つ記事を書くつもり。今日仕事あるけど何とか。