富士スバルライン。
ここも、3月11日以降に静岡県を襲った震度6の地震により、アスファルトにダメージを負ったとのことで、復旧に時間がかかりヒルクライムの開催自体もギリギリまで危ぶまれていた。
そんなお話もあるこのスバルラインのアスファルトの上、俺は非っ常に苦しい闘いを繰り広げていた。
某初音さんの影響もあり?スタート直後からしばらく心拍数は160前後と、自分的にはかなりのオーバーペースになっていたが、途中で気を取り直して150台をキープし、追い抜かれるのは目をつぶり自分のペースを作ることを心がけた。
そして、10分おきに水分補給。その繰り返し。
とにかく最初の1時間は、心拍数150台をキープし10分こいでドリンクを飲み、30分目には背中のゼリー飲料も飲む、という感じで淡々と仕事のように地味ーに走っていた。
そんな中、自分が走り始めて数十分程度たった頃、上の方でなにやら花火がドンパチ聞こえてきた。
ま、まさか?
そんな俺の様子を察したのか、見知らぬおじさんが俺に話しかけてきた。
「あーもうトップの人がゴールしたんですね、あれは」
うっ・・・スタート時間が早かったのも確かだが、まだ人が半分も走らないうちにゴールとは…超人すぐる
こちとらはまだまだ始まったばかりだっつうのに。
やがてようやく第一チェックポイント即ち休憩場所に到着。
休憩場所でやることと言えば・・・って訳でここでもトイレで行列。
お陰様でここでようやくボディの軽量化の方は打ち止めとなったが、当然時間はロスし、皆様に相当遅れを取りながらも再スタート。
もう十二分に追い抜かれまくったこともあり、ここまでマイペースを保っていたこともあってか、ここからはジリジリと他の自転車を追い越しながらも150キープ、10分おきに水分補給を守って走行。
段々と、クライマーズハイという具合に辛さがなくなってきて、しけっぽくも涼しい風が感じられるようになってきた。
やはり、風の感触であったり鳥の声であったり、普段感じるものを当たり前に感じられる位落ち着いていないとすぐにへばってしまう。
そのうちるアスリート組の選手達がいい感じのスピードで下ってくるようになり、使える道幅は半分になったが、変わらずマイペースで時折自転車をかわしながらなおも登る。
ここで今更の話だが、俺は今回2時間切りを目標に据えていた。
前回3,4年前に上った時に2時間を切れず、今回MCをされてた絹代さん(1時間50分位のタイムだったかな?)に完敗を喫した。ということもありつつ、少なくとも前回よりはいいタイムを出したいなぁ~と漠然とは思ってたワケよ。
しかしあまりにも漠然と思いながら第2休憩所に辿り着き、ボランティア(でいいのかな?)の方にお水をもらってグビッと飲みつつ、心拍計の時間を見るとなーんかもうスタートから1時間50分くらい経ったっぽいんだよね・・・
んーゴールはもう目前かなぁ?なんてのんきに構えるも、どうやらまだこれから軽く7km程度ありそうという…
・・・

全くダメじゃねーか!!!
いやーこうなったらせいぜいマイペースで登るしかないやねーと、ゼリー飲料をジュルっと飲み干し、開き直りつつもチャッチャッと消化試合?をこなすべくまた進みだす。
詳細は記憶に薄いんだが、この頃に丁度よいペースメイカーになる方の後ろにつけさせて頂き、いいペースで登る。
俺のレベルで上り坂だと、人の後ろについていくことに空気抵抗的なメリットは別にないが、前の人が他の自転車をかわすルートを辿るとそのまま自分もかわせるし、前の人にペースを合わせることである程度脳みそを使わなくてよくなる分心理的には楽なんである。
やがて、ゴール近くになり、一時急に平坦になるあたりになり、ペースメイカーの方はアッサリ先に行ってしまったが、俺も最後の力を振り絞るべく150台に抑えていた心拍数を解禁、170超で自分なりにスパートをかける。
そしてゴール直前の上り坂でやっぱりへばるという最悪のパターン。
結局、俺は2時間を切るどころか前回のタイムも大幅に下回るお時間にて無事完走。
生涯二度目の富士吉田口五合目、しかし俺は感慨に浸るというよりはほうほうの体で、トラック便の防寒着とプロテイン入りのシェイカーを受け取り、同じく入れておいた水で溶いてグビグビと飲み干し、一息ついて富士を見上げた。
今年初め、富士山を麓からてっぺんまで登りきったろうという野望を漠然と抱いていたが、とりあえず五合目まではこの日登った。後はこの夏、この先を登ることができれば完全登頂?となるってことにしとくと…
ともあれ、要するにこの日の仕事は終わったので、みやげ物屋見物もそこそこにとっとと麓に帰り、最後にやるべきことをやるためにさっきまで必死こいて登った坂をあっちゅう間に下り、会場に戻った俺。
会場では、もうとっくに麓に下り、私服に着替えた超人達の表彰式が行われ、俺はそのスリムな超人達を羨望のまなざしで、ソーセージをかぶりつきながら見ていた(←この辺が絶対的な差なんだろうなー)。
表彰式等がつつがなく行われた後、俺は片付け中のステージに行って絹代さんに挨拶してきた。
「今日はどうでしたか?」
「いやー全くダメでした。」

自分なりに男らしく?爽やかーに返事をしたのだが、絹代さんの表情が引きつっていた気がするのは気のせいだろう、多分。
で、ずうずうしくも一緒に写真なぞ撮らせて頂いたりして、ようやくこの日の収穫を得?会場を後にした。
その後はマックに寄ったり道の駅に寄ったりして、車中で大いに間食まつりをやりつつ渋滞に巻き込まれつつ無事帰宅したのであった。
…と。
ここまで長々とやってきたが、結局のところ今回の富士ヒルクライムは、2時間切りという俺にとってはとてつもなく大きい宿題を残す結果になってしまった。
そんな中、練習もろくに出来ない状況で今度は群馬の赤城山を自転車で登ろう、なんつうレースに無謀にもエントリーしてしまったりして…こちらはまあ開き直って楽しんで登るしかないかなあと思う。
余談。
前回、前々回とネタにさせて頂いた初音ミク(のコスプレ)さん、こないだ某自転車雑誌に載っていたんだが。何でもどこかのママチャリレースのチャンピオンなんだとか?道理で速いハズだわ・・・
で、結果は約1時間22分だって。もうなんか色々ありえねーわ