みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

『ドックのある町を抜けると、そこは限界だった…』広島「輪空」旅行記その6

2008-09-28 12:07:56 | 自転車
 8月28日…丁度1ヶ月前かよ…の昼、尾道ラーメンをズズっとすすった後、俺は広島へと自転車を走らせた。

 尾道から広島に行くには、国道2号線を通るのが一番近いが、折角なので海沿いの道を通ることにした。

 これだと距離は結構あるが、三原から広島まではJRの呉線という鉄道があるため、イザとなったら輪行袋に自転車を詰め込んで電車でマターリすれば広島に行けるという算段である。


 という訳で、薄曇りの天気の中俺とシャウラは海沿いの眺めのよい道を走った。
 三原で左に折れ、呉線の線路を横目に見ながら走っているとやがて空からポツリポツリと…

 だが、輪行するにもその場所が丁度駅と駅の中間かつ、それぞれの駅の間は6、7km離れているため結局やめ、ポツリポツリの中をまた走る。

 途中、安芸幸崎という駅の近くにある幸陽船渠という会社の造船所を見る。
 ここは3年前の自転車旅行でも見たが、造船所のドックをまたぐゴライアスクレーンという四角いアーチ状のクレーンの大きさに圧倒されたのが記憶に残り、もう一度見てみたいと思っていたのだ。


 写真では1基しか写ってないが、ここにはこれくらいのクレーンが計5基ありとにかく壮観である。たまたま俺がここを訪ねた時期に社内で色々あったようだが、安全・安心でこれからもでっけえ船を作っていって欲しいもんである。


 さて、幸陽ドックを過ぎた頃には雨は上がり、チラチラと陽もさしはじめ蒸し暑くなってきた。
 忠海、安芸長浜、大乗(ちなみに左の駅名全部読めるかな?)と呉線の駅を通り過ぎ、四国行きのフェリーが出ている竹原という町にようやっと到着。

 この日は、とりあえず50kmは走っておこうと思っていたが丁度その位になったので、というか気がついたら限界ギリギリの状態で、竹原駅前で輪行袋に自転車を入れ、ノンバリアフリーの竹原駅で階段を上り下りしたらそこでリミット到達…

 輪行は、乗るのも自在だし降りるのも自在なため、ちょっと乗って休憩したらまた乗ってみるか…と思っていたのだが動けず。

 結局、乗り換えまでして広島駅からわずか二つ手前の向洋(これも読みが難しいな)駅まで涼しい車内でマターリしまくってしまった。


 向洋、広島の自動車メーカーであるマツダ社の工場が立ち並ぶ地で、おそらくそのマツダ社員が帰路に着こうとする中俺はソソクサと自転車を組み立て、広島の宿まで最後のシチィサイクリング。

 

尾道へのアクセスはフェリーが(以下略)~広島「輪空」旅行記その5

2008-09-21 22:53:00 | 自転車
 次の日、8月28日はちょっとだけ早起きし、早朝の鞆の浦を軽くポタリングした。

 まず、海沿いの道をちょっと走ったら、八代亜紀さんの歌った名曲「舟歌」の詩が刻まれた石碑を発見。アレって何となく日本海をイメージしていたのだがここが舞台だったのだろうか?

 そして、アスファルトと石畳の混在する街の中に入り、何となくこの街のことが分かってきた気がした。

 鞆の浦という場所は、崖と海に挟まれてそれ程面積は広くない。だが昔からの街だからか、その限られた場所に建物がひしめき合い独特な街並みが出来たようだ。

 そして、とにかく神社仏閣の密度がものすごい。道を往くとまず寺、もしくは神社にあたるという位だ。ただ「ポニョ」にはそういう所はほぼ反映されてなかったと記憶しているが。


 そんな濃縮された街にある、鞆シーサイドホテルにて健康的なメニューの朝食バイキングをガツガツと食いまくり、いよいよ鞆の浦を出発し、今度は広島市までの道のりをサイクリング。


 風情ある街の狭い道を抜け、昨日下った道を上り、同じく昨日ヒイヒイ言って上ったストレートの坂を下る。

 するとこれがまあエライ勢いで、車もいなかったのでこの日の最高速度30.4…の倍
くらいが出た(笑)。下ってみて初めて分かる激坂かな。


 さて、瀬戸内海には数あまたのフェリーがある。
 もっと数あまたの島々があり、そういう島の住人の足としてフェリーが欠かせないからなんだろう。

 ということで、決して楽をしたいからではなく、そんな瀬戸内の風情を楽しむため、鞆の浦から少し北上した常石という所から離れ島を巡り、尾道に向かう「フェリーびんご」に乗り込んだ。

 常石のフェリー乗り場は、しかしプレハブに至るまで一切建物などなく、フツウの埠頭に「フェリー乗り場」という看板があるだけ。遠目からは、そこからフェリーが出ているとは想像もつかない。
 しかし、これは地元民の足がわりということなんだろう、実際カブで乗り込んだりトラックで乗り込んだりしている人達は、日常生活の一部として利用しているように見えた。

 造船所のある常石を後にして、転々と島の船着場に停留した後、フェリーは尾道に到着。


 折角の尾道だったので、無料駐輪場に自転車を停め、駅前のラーメン屋でズルズルっと有名な尾道ラーメンをすすった。美味。

シーサイドホテルに臨む瀬戸の夕暮れ…広島「輪空」旅行記その4

2008-09-17 23:34:25 | 雑記
 「崖の上のポニョ」。

 言わずと知れた宮崎駿監督のアニメ映画。

 世の中では賛否両論あるらしいが、俺はこの作品は好きだ。
 評論家ではないので「いい」とか「悪い」とかではなく。とにかく気に入った。


 さて、その「ポニョ」の舞台のモチーフになったとされる、広島県福山市の「鞆の浦」。

 広島空港からはるばる愛車のシャウラとこの地にやってきた俺は、とにかくこないだ観た「ポニョ」のイメージが沸々と湧き上がってくるのを感じていた。

 港にひしめく船の姿や、海の向こうのこんもりと緑色に盛り上がった島々、古い建物が並ぶ石畳の小道(ここは観光客が車で来ると相当難儀するだろうね。そう考えると自転車で来られたのは幸せだった)。ここは宮崎氏でなくとも色々な感情、郷愁、はたまた想像をかきたてられる地であることは間違いない。


 予め予約を取っておいた鞆シーサイドホテルという海沿いの宿に赴き、シャウラを駐車場の端に置かせて頂きチェックイン。
 この日の夕食はホテルのレストランが用意してくれたお弁当を部屋の中で頬張り、ビールをあおって結局部屋から一歩も出ずに一夜を過ごした。

 というのも、とにかく窓からの眺めがよろしかったのよ。

 崖の上のソウスケ君の家こそ無いものの、瀬戸内の海はひっきりなしに漁船や貨物船が通り、やがて暗くなるとそれらの灯りがポツポツと濃紺の海の上に浮かび、ああ俺もでかいライトがあったら信号放ちたいなオイ(笑)とかアフォなことを考えながら、この地特産の保命酒(ほうめいしゅ)という妙にオリジナリティ溢れる名前の?薬酒を飲って、ポニョの世界観なのかなんなのか分からなくなりつつ心に残る夏休みの一日目は過ぎた。

鞆の浦にうちいでてみれば…広島「輪空」旅行記その3

2008-09-15 23:08:18 | 自転車
 きゃなーり間が空いてしまったが、8月27日の続きを。
 3年前は尾道からしまなみ街道を通って四国に行ったのだが、今回はさらに尾道の東に針路を取った。

 のは良かったが、尾道を通過して程なく雨がポツリポツリと…

 うーむ、ここは近くのスーパーあたりで雨宿りをするか?と思いもしたが、それ程強い雨ではなかったこと、一度本降りになったら止まなさそうな雲に見えたため、覚悟して少雨決行とばかり先を急ぐことにした。


 元々、尾道からこの日の宿泊地である鞆の浦までの道は地図で確認して、「まあ40kmないくらいか…楽勝だな」とたかをくくっていたのだが、その途中が見事に上り坂で、坂を上りきったころには蒸し暑さで頭がボーッとなりしばし休憩…


 その後は、下りの後しばらくは高低差が少なく走りやすい道だったのだが。

 この日は、8月にしては一日中雲がかかっていたせいで気温はそれ程高くなかったのだが、それでも湿度の高さ(それこそ雨がチラついてた訳だし)にやられたらしく、もう少しで鞆の浦という所で燃え尽きつつあった俺…まだこの日80km程度しか走っていないというのに…

 そして、そんな俺に追い討ちをかけるが如く、鞆の浦まであと数kmという所でまたも予想GUYの上り坂、それも下から見た感じ結構な勾配の…

 もう気力も萎えた俺は押して歩こうと思ったが、まずは一旦坂の手前、阿伏兎(あぶと)という所で海を見ながら一息つき、肉体疲労時の栄養補給に?ゼリー飲料なんぞを飲んで、いざ出陣。

 何しろ10月にツール・ド・千葉という山あり谷ありのロングライドを走る身、こんなところでこんな坂でへばっている訳にはいかん!ということで、最後の気力を振り絞って決死のアタックを敢行…!


 うををををををををを


 …そして、無事最後の激坂を押して上りきった(あれ?)俺とシャウラは、トンネルを抜けて下り坂を爽やかに降りる。

 すると右手には、瀬戸内海とそこに浮かぶ貨物船、緑に包まれた島々…

 三原からの道程でもそういった風景は観られた。しかし、降りた先にあったのは、どことなくレトロな雰囲気の街並み、車がようやっと行き違えるくらいのせせこましい通り、何となくあれを彷彿とさせる気がしてきた。

 やがて港に辿り着くと、そのイメージがはっきりと目の前の世界と繋がった。

 そう、「崖の上のポニョ」だ。


さらに近況

2008-09-12 00:58:07 | 雑記
ネット以前に仕事が忙しくて、水曜はその日のうちに帰れなかった(つД`;
一応隙あらば書く気満々ではあるが、土日も出掛ける予定だったりする。
これでその次の日曜某競技に初挑戦なのだから恐ろしい話だ…
ともあれ待ってる方はもうちっと待って欲しいm(..)m

広島旅行記の途中ですが

2008-09-08 23:40:17 | 雑記
アパートのネットが死んでて全くつながらない(*´Д`)=з
更新が滞っている所にもってきてこの有り様ではあるが、明日にでも電話して即直せと言うつもりなので、読者の方々にはしばし待って頂きたく。
こちらは今のうちに文章を下書きしとくとしよう。

瀬戸は曇って大雨?小雨?~広島「輪空」旅行記その2~

2008-09-06 00:11:17 | 自転車
 羽田空港の手荷物検査場にて、バックパックやサイフ等をベルトコンベアに流しつつ、金属探知ゲートを通過する直前。

 「すいません、スリッパ貸してもらえますか?」

 ハナっから自転車フル活用前提の旅のため、俺は普段ロードに乗るとき同様クリート(無論金属)付の靴を履いていたのだ。
 やはり、ビンディングにてペダルと足を固定する快適さは旅先でも欠かせないからね。
 (それにしても、仕事で飛行機に乗るときもつま先に鉄心の入った、いわゆる安全靴を履いてるからやはりスリッパを当たり前に借りるし、ここんとこ普通の靴で飛行機に乗ったためしがないな(^^;)

 で、万全の体勢と思ってゲートをくぐると「ピーッ」と音が。
 アレっ?

 …ああ胸につけてた心拍計が反応したんか…自転車乗りの旅ってめんどくさいなオイ(笑)


 そんなこんなで無事羽田を旅立ち、飛行機は一路広島空港へ。

 さてこの広島空港、大抵の空港の例にもれず広島の中心街からは結構遠い。
 しかも山の中の立地であることに加え、滑走路の着陸する側がちょっと崖のように切り立っているため、窓から見ると何十mか上空を飛行→いきなり滑走路に着陸という感じで、「天空の空港」とでも言いたいような作りである。


 荷物受け取り場で、ベルトコンベアでなく整備員の人がわざわざ手で持ってきてくれた愛車シャウラを有難く受け取り、空港の外で袋から取り出す。

 空港内で軽く昼食を摂り、いよいよ広島ツーリング開始!


 …と、空港を出て程なく下りっぱなしの道が続き、ちょっとここでは書けない位のスピードが出た…イヤここの道路制限速度50kmだったハズなんで(笑)
 その後は、ほぼ平坦な道をマッタリ走り、瀬戸内海に臨む街、三原に到着。

 この街は3年前にMTBで北九州から徳島まで旅した時にも通った街で、駅から近いところにあるフェリーターミナルで休憩し、「瀬戸内海ってええなぁ~」とボケっとした後また出発。

 ここから尾道まで、しばらく国道2号線は海沿いを走っている。それ程遠くもない海の向こうに、ポツポツと緑あふれる島が点在する瀬戸内海の風景は、どこから見ても絵になるようで飽きさせない。

 そして、しばらく走った後に有名な尾道という街に到着。

 ここは、3年前は宿を取った街であり、一日中、いや何日ボケっとしてても飽きなさそうな情緒ある所だが、今回は道中のため夜の即戦力となる魚の干物を古びた乾物屋で買いつつ(尾道はラーメンも有名だが魚の干物もうまい)、ちょろっと風情ある通りの風景を撮りつつ通過した。

 この日(8/27)の宿泊地である鞆の浦まではまだ距離があるためだったが、東尾道を過ぎたあたりでポツラポツラと雨が…

羽田へのアクセスは自転車が便利です。~広島「輪空」旅行記その1~

2008-09-02 00:34:17 | 自転車
 世に「マイレージ」というものがある。


 航空会社が、乗った路線のマイル数に応じて名前もそのまま「マイル」という要するポイントを与え、それが一定数貯まると飛行機に乗ることができると。

 俺はそれ程頻繁に飛行機に乗っている訳ではないが、JALこと日本航空のクレジットカードを使っているため、あんな物やこんな物をクレカで購入していくうちに自然とマイルが貯まっていくという塩梅である。

 で、マイルには期限があるため、ここらでチョロっと飛行機に乗ったろうと思い立った訳だ。

 最初、兄貴が留学しに行っている(ちなみに明日帰国するが)上海に乗り込んでみようとも思ったのだが、兄貴も帰る間際であまり世話になる訳にもいかんし、海外の、それも言葉の良く分からん中国への一人旅は何となく気が進まん(昔ソウルに一人で行ったことはあったが…)かった。

 そこで、このブログでこないだくろ☆ねこ氏に紹介してもらった、中国は中国でも日本の中国地方、広島県にある「鞆の浦」に行くことにした。


 自転車を連れて。


 雑誌等で飛行機の輪行も簡単に行けるという話があったし、つうか俺はそもそも2年前にハワイに自転車持ってって160kmほど走ってきたこともあった訳で、まあ普通に考えたら楽勝だろコノヤロウ(笑)とばかり、飛行機及び宿を予約。


 予定通り有給を取り、8月27日にレーパン履いて羽田空港に行った。

 大方の下馬評もとい天気予報が傘のマークを広げていたこの日の朝は、しかし降るでもなく晴れるでもない自転車には丁度いい陽気で、ワクテカ度MAX状態で羽田空港に突撃。


 世に羽田空港出発フロア前の道に車を横付けする人は数あれど、自転車で横付けする奴はそうそういるまい。つうか地方空港と違い、羽田近辺の道は歩道の類が全く無い構造なので、頻繁に通るトラックに軽くびびりはしたが…


 さらに、乗ってきた自転車を輪行袋に入れる作業を開始。

 タイヤを外したり後ろの変速機保護用の金具をつけたりしていると、背後からどこかの家族の声が。

 「パパ、行ってらっしゃい!」と女の子の声。

 チラと見やると、これから単身赴任か、出張にでも行くのか分からんが、お父さんを車で羽田空港まで送りに来た奥さんと娘さんの姿が。

 何かドラマのワンシーンでも見ているような気分に浸りつつ、妙にホクホクしながら自転車を収め、そろそろ完了という所でもう一回振り向いてみると、女の子がこちらをガン見してた…
 まあ確かに、こんなところでしかも自転車を袋詰めしている人間などそうそういないだろうからな…女の子にとって不思議な夏の思ひ出にでもなってくれれば良いが


 無事輪行袋に愛車シャウラを詰め込み、預け荷物とするためカウンターに。
 飛行機に乗る人なら分かるかもしれないが、荷物は必ずX線検査を受けないと行けないのだが輪行袋は検査機に入らず、袋を開けて直接見てもらった。

 だが、重量も自転車+αで11kg程度、特に追加料金を取られることもなく無事預かってもらった。その代わり自転車の破損は保障されない旨の了解サインをしたけど。

 ちなみに、自転車を預ける際は特にタイヤの空気圧を下げる必要はなし。特にロードは7とか8気圧は平気で入っているもんなので、相対的にいって大気圧が多少下がっても大したことは無いのである。


 そんなこんなで、無事飛行機に乗り広島への旅路の幕は切って落とされたのだった。