酸欠防止主任技術者の講習の中には人工呼吸、心臓マッサージ等の救急蘇生も含まれる。
下の記事でも書いたが、酸欠というのは非常に危険な災害であり、救急蘇生が必要となる場合が多いので受けることになっているのであろう。
俺は十ン年前に車の免許を取った時に受けて以来全くやっていなかったが、こういう機会に恵まれたのは本当に良かったと思う。
さて、今回の講習は日本赤十字の方がやって下さったのだが、救急蘇生について色々ためになる話を聞けたので幾つか書いてみる。
この救急蘇生についてのガイドラインというのは何年かごとに見直されているとのことで、現在は倒れている人が
呼吸をしていないことを確認したら即人工呼吸、心臓マッサージを行う、ということになっている。
これは、一つは一般人が倒れている人の首や手首などの脈をみて、心臓が動いていないかどうかを100%判断するのは難しいということ(頚動脈も特に焦っていると意外と分かりづらいものらしい)、やはり何を差し置いても心臓を動かし、血液の流れを作り
脳に酸素を供給することが最優先という考え方かららしい。
酸欠にも関係あることだが、大出血を伴う外傷を除けば(この場合は止血が優先)人間の生命活動の中で最も時間の猶予が無いのが脳で、脳に
3分間酸素が行き渡らないと死亡率が格段に高くなるため、とにかく心臓マッサージを第一に行うと。もし心臓が動いている所にマッサージをしたとしても、その場合は体が何らかの反応を示すから躊躇する必要は無い、とも言っていた。
ということで、一通り人工呼吸、心臓マッサージの実技をセンサーつき人形を使って行い、実技試験も行い無事終了(多分)。
合間に質疑応答なんつうものがあったのだが、この内容が救急蘇生の
根幹に関わる重要なものだったので、ここに残しておこうと思う。
・一応練習はしたが、我々素人が下手に蘇生を行い、悪い結果になった場合に訴えられたりはしないか?
→これについては、警察庁や消防庁など公の機関が出している『救急蘇生法の指針』というものの中で、善意で救命活動に関わった人は責任を負う必要がないことがうたわれており(これは一部
wikipediaを参照しましたが、インストラクターの言っていたことは大体こんな感じでした)、また救命活動をした人がむやみに訴えられたりしない世の中になるため努力したい、とも言っていた。
・だが実際、心臓マッサージをする際肋骨を折ったりしてしまわないか?
→上にも書いたように、心臓マッサージ(をして脳に酸素を送る)ことは最優先事項であり、心臓マッサージ時に肋骨が折れてもそれが心臓に刺さるようなことは少ないし、肋骨は後で治るが脳は復活できないため肋骨が折れてでもマッサージを行った方が良い。
・人命救助のためとは言え、実際に人工呼吸をするのはためらってしまうかも知れない。
→最近のガイドラインでは、人工呼吸よりも心臓マッサージの重要度が高いということになってるそうで、つまり人工呼吸ができなくとも、心臓マッサージだけでも効果は得られるとのこと。
・助けようとしても、既に死んでしまっていては意味がないのではないか?
→人が死亡しているかどうかというのは、明らかに死亡している状態(首が切断されていたり腐敗していたりすること)を除いては
医者以外に判断する権限がないので、一般人は諦めずに救命活動をすることを優先させるのみである。
その他、今回の講習では扱わなかったが今日本でも
AED(自動体外式除細動器というものが公的施設などに整備されており(駅などで見ることがあると思う、俺も今日駅で見つけた)、素人でも取り扱うことができ、尚且つ使う必要がない場合は
絶対誤作動しないそうなので、もし現場近くにあればこれを使ったほうがいいらしい。
また、今回はたまたま資格の講習の一環で受けることになったが、病院や日本赤十字社などが、こうした救急法についての講習をやっているそうである。
こういう事は覚えておくに越したことはないので、機会を見つけて受けてみることをお奨めしたいし、俺もAEDの扱いを一度学びたいのでそのうち講習を受けてみたいと思う。
ともかく、まとめとしては我々素人でも、人命救助のために
やれることはやった方がいいということであるな。いい勉強をさせてもらえてよかった。
ああ、そういやこの酸欠の講習を受けて結構経つが、なかなか合格通知が来ないな・・・大丈夫かいな
P.S.ブックマークに日本赤十字社の救命法講習会について追加しときました。