久しぶりに活弁付無声映画というやつを観ようと思い立った。
会社を早く出て、アパートで朝○新聞の勧誘という妨害に会いつつ(マジで最悪のタイミングで来やがって…)、自転車で最寄り駅まで突っ走り電車を乗り継ぎ門前仲町というところにたどり着く。
ここの門仲天井ホールという場所で毎月開かれているマツダ映画社の無声映画上映会を、何ヶ月かぶりに観に行ったのである。
この話も久しぶりなんで一応説明しとくと、この上映会では毎回戦前どころか20世紀初頭位からの映画-その当時は役者の台詞は入っていなかった-に、活動弁士という言わばナレーター兼声優兼たまにSE?という仕事をする人がその場で台詞等を演じてくれるという昔ながらのスタイルの上映をやっとるのだ。
早速だが、まずは桜井麻美という弁士が活弁する「母」という作品。いきなり1929年作品だったりする。俺も名前を知っている程度であるが、往年の大女優高峰秀子さんがおかっぱ頭で子役で登場するという位昔の作品。
あっさり言ってしまえば「母が子を思う心の強さ」をテーマにした話である。まあこの頃は今とは若干その姿勢も違う訳であるが…心温まる話。
続いては、桜井さんの師匠でもある澤登翠(さわと みどり)先生の登場。作品はこれまた俺は今まで名前でしか知らなかったが小津安二郎監督作品「生れてはみたけれど」。
俺は、今まで小津監督の作品を敬遠していた訳ではないが、何となく渋いというか堅い作品を想像していた。ましてこのタイトルから何となく重いお話かと。だがこの作品はまずキャスティングからしてそうでもなさすぎる。
メインで描かれるのがある家族なのだが、その家の二人兄弟の弟役をやっている役者の名前が(当時)突貫小僧という
そしてお話なのだが、これがいたって面白い。面白いというのはもちろん素直に「笑える」という意味の面白いなんである。
小学生の二人兄弟が郊外(といっても現在の蒲田あたりらしいのだが、普通に地平線が見られるシーンがある位当時はなんにもない土地だったようで)に引っ越してきて、その先で現地のガキ大将の洗礼を受けつつ、二人は負けじと学校をサボったり(これは負けてるか…)、と思えば酒屋の小僧を籠絡してガキ大将に対抗したりとかなり一筋縄で行かないガキンチョ達の日常を描いていたりする。
またその突貫小僧をはじめ、子役達(つっても生きていれば俺らの大先輩だけど)が表情豊かにとても楽しませてくれるんだ。快活そのもの。不思議と自分の小学生時代の頃を思い出したりするかな。
そして、澤登さんの演ずる子供の声がまた上手くって、とても大人の声を出している人と同一人物とは思えないくらいバリエーション豊かなんである。タダの吹き替えには無い「技」を感じさせてもらえた。
今回は、会場内で毎度売れ行き好調の「おせんにキャラメル」を購入出来なかったが、映画には満足し、また門前仲町駅近くのカレー屋で夕飯を食って帰路についた。
最後になるが、上記「生れてはみたけれど」についてはウィキペディアでオチなど詳しく書いてあるのでネタバレ?OKの方は見てみるとよろしいかと。そして俺は今回の鑑賞会で改めて小津作品を色々観てみたいという気になったな。できたら活弁でネ…
会社を早く出て、アパートで朝○新聞の勧誘という妨害に会いつつ(マジで最悪のタイミングで来やがって…)、自転車で最寄り駅まで突っ走り電車を乗り継ぎ門前仲町というところにたどり着く。
ここの門仲天井ホールという場所で毎月開かれているマツダ映画社の無声映画上映会を、何ヶ月かぶりに観に行ったのである。
この話も久しぶりなんで一応説明しとくと、この上映会では毎回戦前どころか20世紀初頭位からの映画-その当時は役者の台詞は入っていなかった-に、活動弁士という言わばナレーター兼声優兼たまにSE?という仕事をする人がその場で台詞等を演じてくれるという昔ながらのスタイルの上映をやっとるのだ。
早速だが、まずは桜井麻美という弁士が活弁する「母」という作品。いきなり1929年作品だったりする。俺も名前を知っている程度であるが、往年の大女優高峰秀子さんがおかっぱ頭で子役で登場するという位昔の作品。
あっさり言ってしまえば「母が子を思う心の強さ」をテーマにした話である。まあこの頃は今とは若干その姿勢も違う訳であるが…心温まる話。
続いては、桜井さんの師匠でもある澤登翠(さわと みどり)先生の登場。作品はこれまた俺は今まで名前でしか知らなかったが小津安二郎監督作品「生れてはみたけれど」。
俺は、今まで小津監督の作品を敬遠していた訳ではないが、何となく渋いというか堅い作品を想像していた。ましてこのタイトルから何となく重いお話かと。だがこの作品はまずキャスティングからしてそうでもなさすぎる。
メインで描かれるのがある家族なのだが、その家の二人兄弟の弟役をやっている役者の名前が(当時)突貫小僧という
そしてお話なのだが、これがいたって面白い。面白いというのはもちろん素直に「笑える」という意味の面白いなんである。
小学生の二人兄弟が郊外(といっても現在の蒲田あたりらしいのだが、普通に地平線が見られるシーンがある位当時はなんにもない土地だったようで)に引っ越してきて、その先で現地のガキ大将の洗礼を受けつつ、二人は負けじと学校をサボったり(これは負けてるか…)、と思えば酒屋の小僧を籠絡してガキ大将に対抗したりとかなり一筋縄で行かないガキンチョ達の日常を描いていたりする。
またその突貫小僧をはじめ、子役達(つっても生きていれば俺らの大先輩だけど)が表情豊かにとても楽しませてくれるんだ。快活そのもの。不思議と自分の小学生時代の頃を思い出したりするかな。
そして、澤登さんの演ずる子供の声がまた上手くって、とても大人の声を出している人と同一人物とは思えないくらいバリエーション豊かなんである。タダの吹き替えには無い「技」を感じさせてもらえた。
今回は、会場内で毎度売れ行き好調の「おせんにキャラメル」を購入出来なかったが、映画には満足し、また門前仲町駅近くのカレー屋で夕飯を食って帰路についた。
最後になるが、上記「生れてはみたけれど」についてはウィキペディアでオチなど詳しく書いてあるのでネタバレ?OKの方は見てみるとよろしいかと。そして俺は今回の鑑賞会で改めて小津作品を色々観てみたいという気になったな。できたら活弁でネ…