神奈川県は秦野市に、そのヤビツ峠はある。
昔、ハタチそこそこの頃になんちゃってMTBかなんかで行ってボロボロになった(その頃はほぼ全く自転車の鍛錬はやってなかったので…つくづく若いうちは何でも出来るもんだなと思う)思い出がある他、車でも何回か行ったこともあり、個人的には多少馴染みのある峠である。
そこが、今、ヒルクライム練習の場所としてサイクリスト達が集まっているという話があるようで(上のgoogle画像検索の結果も自転車がチラホラするしね…)、事実秦野市側から峠のてっぺんへの道はひたすら上りっぱなし、富士ヒルクライムを想定しての練習には丁度よさそう。
ということで、先月の22日に俺はロードバイクを車に積んで、東名道を一路秦野へと向かった。
ヤビツ峠の麓、当然ヒルクライムに来た人用の駐車場なんてのはあるハズもないため、俺はとある秦野の大型スーパーに車を停めさせて頂き、そこでソソクサとロードを組立て、「マ後で栄養補給のために何か買うからいいよね…」と駐車場を後にし、ヤビツ峠の南側の玄関口、国道246号線の名古木交差点に。
交差点を横断すると、すぐに上りが始まる。そのままセコセコと上っていくと、左手にコンビニがあり・・・おっ!
そのコンビニ、どうやらヤビツ攻めをするサイクリストたちの集合地点になってるようで、いかにもな格好のロードレーサー達が沢山駐車場にたむろしていた。
…ははっ…俺のようなド素人はちょっと肩身が狭いかなぁ~などと早くも軽く引きつつ、その人達は一人づつ順に出発するようだったので、気にせず先に行くことにした。
このヤビツ峠(南コース)、最初しばらくは左右に民家が建っている中を抜ける、ド真っ直ぐの上り坂なんだがこれがキツイ。この日はそれ程暑くはなかったが、それでもバスロータリーを越えたあたりで心拍数は既に170オーバー、体全体がカイロにでもなったようにカーッと暑くなってきて、已む無く一旦休止…
ゼーゼーいいつつ脇道で休んでいる間も、下からは続々と本気ロードレーサー達がグングンと坂を上っていく。
俺はもうこの時既にグビグビとビールを飲みたい気分になってはいたが、折角高速代まで払って来た以上てっぺん行かない訳にはいかん(またお金が原動力か…)という思いだけで、再びヤビツへの坂道に身を投じた。
やがて道は山の中に入り、民家の代わりにそびえ立つ木々と、クネクネ曲がった九十九折の坂が始まり、俺は何台もの車、バイク、もちろん自転車に抜かれながらもマイペースマイペェーースで上り続けた。
上っていくうちに、映画のタイトルじゃないがクライマーズハイというのか?段々苦しさがなくなり、それなりに楽しく上れるようにはなってきた。
途中、展望台など何箇所かで休憩を挟みつつ、その間も老若男女を問わず様々なサイクリストに置いてきぼりを食らうも名古木から大体1時間20分かそこいらで、何年かぶりのヤビツ峠(最高地点)に到着。
すると、ここも多数のサイクリスト達が結構平気そうな顔で談笑していた…俺にとっては相当頑張ってようやっと上れた峠も、彼らにとってはあくまでいつもの練習場所なんだろうね。
俺は、もうとっくにお腹一杯だったため、峠の先の湧き水でプロテインを作ってグビグビやり、峠にはあまり店等もないため(売店はあるが本当にちょっとしたものしか売ってない)チャッチャッと来た坂を下り、麓へ…
戻る途中に蕎麦屋の案内看板を見つけたのでチョロっと寄り道し、その石庄庵(いししょうあん)という蕎麦屋でチュルッと蕎麦を食ってきた。
値段は決して安くはないが、値段相応の味といった所で、久しぶりに蕎麦の味のする蕎麦を食ったという印象かな。ただ自転車乗る格好の人間は意外にも?俺一人で、テラス席に座りつつもかなり浮いてたりはしたが…
蕎麦食って一息ついて、今度こそ某スーパーの駐車場に戻り、自転車を車に収納した後は、もちろんスーパーで買い物。…クーリッシュ一個だけだったけど
で、もう十二分にスーパーを利用した俺は、駐車場を出て近所の鶴巻温泉にある弘法の里湯にて癒しの入浴ターイムを過ごし、途中雨に降られつつ渋滞に巻き込まれつつ帰宅したのであった。
…しかし、これまでほとんどマトモに練習していない状態で、ヤビツ一本上ったところでどれだけ体力向上したんだろうか…そんな一抹(量的には大匙どころかお玉に山盛りぐらいの一抹だが)の不安を抱えつつも、次の週はあえて坂練習は控え、ロングライドの練習と称して都心に向かったのであるが…