みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

【第二話】とある水野の富士登山(ヒルクライム)【ヤビツ峠の洗礼】

2011-06-26 23:48:47 | 自転車

 神奈川県は秦野市に、そのヤビツ峠はある。

 昔、ハタチそこそこの頃になんちゃってMTBかなんかで行ってボロボロになった(その頃はほぼ全く自転車の鍛錬はやってなかったので…つくづく若いうちは何でも出来るもんだなと思う)思い出がある他、車でも何回か行ったこともあり、個人的には多少馴染みのある峠である。

 

 そこが、今、ヒルクライム練習の場所としてサイクリスト達が集まっているという話があるようで(上のgoogle画像検索の結果も自転車がチラホラするしね…)、事実秦野市側から峠のてっぺんへの道はひたすら上りっぱなし、富士ヒルクライムを想定しての練習には丁度よさそう。

 ということで、先月の22日に俺はロードバイクを車に積んで、東名道を一路秦野へと向かった。

 

 ヤビツ峠の麓、当然ヒルクライムに来た人用の駐車場なんてのはあるハズもないため、俺はとある秦野の大型スーパーに車を停めさせて頂き、そこでソソクサとロードを組立て、「マ後で栄養補給のために何か買うからいいよね…」と駐車場を後にし、ヤビツ峠の南側の玄関口、国道246号線の名古木交差点に。

 交差点を横断すると、すぐに上りが始まる。そのままセコセコと上っていくと、左手にコンビニがあり・・・おっ!

 そのコンビニ、どうやらヤビツ攻めをするサイクリストたちの集合地点になってるようで、いかにもな格好のロードレーサー達が沢山駐車場にたむろしていた。

 …ははっ…俺のようなド素人はちょっと肩身が狭いかなぁ~などと早くも軽く引きつつ、その人達は一人づつ順に出発するようだったので、気にせず先に行くことにした。

 このヤビツ峠(南コース)、最初しばらくは左右に民家が建っている中を抜ける、ド真っ直ぐの上り坂なんだがこれがキツイ。この日はそれ程暑くはなかったが、それでもバスロータリーを越えたあたりで心拍数は既に170オーバー、体全体がカイロにでもなったようにカーッと暑くなってきて、已む無く一旦休止…

 ゼーゼーいいつつ脇道で休んでいる間も、下からは続々と本気ロードレーサー達がグングンと坂を上っていく。

 俺はもうこの時既にグビグビとビールを飲みたい気分になってはいたが、折角高速代まで払って来た以上てっぺん行かない訳にはいかん(またお金が原動力か…)という思いだけで、再びヤビツへの坂道に身を投じた。

 

 やがて道は山の中に入り、民家の代わりにそびえ立つ木々と、クネクネ曲がった九十九折の坂が始まり、俺は何台もの車、バイク、もちろん自転車に抜かれながらもマイペースマイペェーースで上り続けた。

 上っていくうちに、映画のタイトルじゃないがクライマーズハイというのか?段々苦しさがなくなり、それなりに楽しく上れるようにはなってきた。

 途中、展望台など何箇所かで休憩を挟みつつ、その間も老若男女を問わず様々なサイクリストに置いてきぼりを食らうも名古木から大体1時間20分かそこいらで、何年かぶりのヤビツ峠(最高地点)に到着。

 

 すると、ここも多数のサイクリスト達が結構平気そうな顔で談笑していた…俺にとっては相当頑張ってようやっと上れた峠も、彼らにとってはあくまでいつもの練習場所なんだろうね。

 俺は、もうとっくにお腹一杯だったため、峠の先の湧き水でプロテインを作ってグビグビやり、峠にはあまり店等もないため(売店はあるが本当にちょっとしたものしか売ってない)チャッチャッと来た坂を下り、麓へ…

 

 戻る途中に蕎麦屋の案内看板を見つけたのでチョロっと寄り道し、その石庄庵(いししょうあん)という蕎麦屋でチュルッと蕎麦を食ってきた。

 値段は決して安くはないが、値段相応の味といった所で、久しぶりに蕎麦の味のする蕎麦を食ったという印象かな。ただ自転車乗る格好の人間は意外にも?俺一人で、テラス席に座りつつもかなり浮いてたりはしたが…

 

 蕎麦食って一息ついて、今度こそ某スーパーの駐車場に戻り、自転車を車に収納した後は、もちろんスーパーで買い物。…クーリッシュ一個だけだったけど

 で、もう十二分にスーパーを利用した俺は、駐車場を出て近所の鶴巻温泉にある弘法の里湯にて癒しの入浴ターイムを過ごし、途中雨に降られつつ渋滞に巻き込まれつつ帰宅したのであった。

 

 …しかし、これまでほとんどマトモに練習していない状態で、ヤビツ一本上ったところでどれだけ体力向上したんだろうか…そんな一抹(量的には大匙どころかお玉に山盛りぐらいの一抹だが)の不安を抱えつつも、次の週はあえて坂練習は控え、ロングライドの練習と称して都心に向かったのであるが…


【第一話】とある水野の富士登山(ヒルクライム)【富士に魅せられし者】

2011-06-19 23:24:39 | 雑記

 

富士山。

 日本人なら誰でも知ってるこの山、一遍登ってみたいと思うようになったのはしかし最近のことである。

 昔というか、ついこないだまで山登りというものにはほぼ全く興味なかったんだが、自転車に乗り出して何年か経つうち、段々ランニングであったり登山というよろず脚を使うことに興味を示すようになってきて。

 でまあその昔ランニングの方は思いっきり大ダメージを被って以来中々復活できず、未だに膝の痛みとお付き合いさせて頂いている訳だが…

 登山の方も、今まで全然心得は無かったが、一応自転車で体力はついてきた?ような気にはなってきたし(気分の問題かい)、やらしい話毒男なんである程度金にモノ言わせて装備だけはいい物を揃えられるようになってきたしで、ちょっとやってみようかなという気持ちになって約2年。

 

 今年初め、じゃあぼちぼち本気で登ってみべえか…と思ったものの、個人的に全くの新ジャンル(酒じゃねえが)に挑むにあたり、何かこう景気づけじゃないけど、登山の前に体力づくりも兼ねて一つやってみるかな?と思いついたのが、昔一度やったことのある富士ヒルクライムである。

 

 富士山の山梨県側の麓から、登山口である五合目まで伸びる富士スバルライン。

 このうち、距離24km、高低差にして実に1,255mという、素晴らしすぎて常人には想像すらつかない道を自転車で登る。ただそれだけ。

 

 個人的には、前回登った時、記録的にかなり心残りがあったりして、是非もう一遍やってみたいとはずっと思っていた大会なんである。

 が、大会の方は年々人気が増しており、近年は申し込み開始即終了アリガトウゴザイマシタという状況。

 何でも、平地を走る大会に比べ、スピードが(あくまで「比較的」だけど)それ程出ないため、割と安全であるとかでヒルクライムってのは人気があるらしい。

 まして日本一の富士山を登るわけだから、自転車好きなら一発かましてみたいという気持ちは分からんでもない。

 

 で、今年の3月、思いっきり平日だったんだが、ここだけの話会社のPCでチョロチョロっとエントリーを…

 しようとしたんだが、ボタンをクリックしたら何千人待ちとかいう表示が出たりして(向こうでアクセス制限をして、パンクを防ぐための処置だったようである)、コレ無理かなぁ~と思っていたら、奇跡的にギリギリセーフとなり、サクっとエントリー完了と。

 3ヶ月前に人知れず第一関門?を突破し、油断した俺様はその後これといった登り練習もせず、どぅあらだらと徒に時を過ごしていた訳だが…

 

 5月のGW過ぎ、そろそろいい加減練習らしい練習をした方がいいだろってことで、俺はK県の登りの名所に向かうことにした。

 

 


【新シリーズ予告】とある水野の富士登山(ヒルクライム)【今日はこの辺でご勘弁】

2011-06-12 22:10:48 | 自転車

 昨日今日と俺は、Mt.富士ヒルクライムという、自転車で坂を上るレースに出場してきた。

 この富士ヒルクライムについては、以前一度出場した大会であり、今年出場を思い立ったいきさつであったりとかまあ諸々あるのだが、マジで本日疲れておりその辺を最初っから書くのは来週から改めてと行きたいところかなと…

 その代わりといっては何だが、今朝撮ってきた早朝の山中湖の写真なんぞageておくので、こちらを眺めつつこれから始まるお話をイメージしてもらえると…ほぼ間違いなく肩透かしを食らうかなと。

 ちなみに、今回の記事の元ネタって俺も実は読んだり観たりしたことはないんだけど…今度小説読んでみようかな。いずれにせよこの元ネタ達とは全然違う展開であることは間違いないな。


ケッチと行く関門海峡一人旅、その五「小倉編」

2011-06-05 22:52:20 | 映画、演劇等々

 六曜館GIGで焼きカレーとJAZZ、ともちろんお酒も頂き、大満足の門司港の夜を過ごした俺。

 次の日、俺は朝ダラダラとホテルの朝食を食べた後、もう一度中央市場を通過して(お店は休みらしくこの朝もシャッター全閉だった)から、素敵な街門司港に別れを告げ、電車に。

 後は、小倉から新幹線に乗って帰るだけではあったが、その前に久しぶりの小倉の街をサイクリングすることにした。

 小倉の街の中を走っているうち、紫川という川のほとりにある大きな建物、リバーウォーク北九州が目に付いた。

 リバーウォークは、むかーし小倉に行った際にチロッと寄ったことがある。比較的昔からある大型ショッピングモールってやつである。

 そこの広場で、この日は大道芸フェスティバルが行われるとのことで、とりあえず俺はケッチをちゃんと駐輪場に入れて見てみることにした。

 

 この日は幾つかのアーティスト(というのかな)が出演したんだが、最初に登場したのはロボットのぞみさん。

 まず、俺は名前で女性かと思ってしまったんだが…男性である。そして男の俺が書くのも何だが結構イケてる方だと思う。

 んなことよりも、内容。

 ロボットのぞみさんは、その名の通りロボットの姿(全身銀色、頭は昔の人が考えたロボットぽい四角い箱状)で、所謂ロボットぽい動きによるパフォーマンスをやっている。

 大道芸と銘打たれたステージの上でパフォーマンスをする訳だから、当然そのロボットの動きは一流で、本当に機械仕掛けのロボットがそこにいるかのような錯覚を受ける。

 

 しかし、

 この人の凄いところは、その一流のパフォーマンスを持ちながら、彼の見せるステージの最大の特色はその「ストーリー」なのである。

 例を一つ挙げると。(ここで演目をあまり詳しく書かない方がいいとは思うが…少しだけ)

 ロボット兵士が、両手に武器を抱え(ている構えをしていて、当然物を持っている訳ではないよ)戦場を突き進んでいる最中、何処から何やら泣き声が聞こえてくることに気がついた。

 兵士はその泣き声の出所である建物を突き止め、その建物の扉を開けると中には一人、置き去りにされた赤ちゃんがおり…

 という具合で、もちろん上記のような話は一切ナレーション・台詞はなく、全て音楽・SEと彼の精密なまでのロボットの動作によって綴られていくんであるが。

 動きがロボットらしくあればあるほど、その世界の中に引き込まれていくという、今までに体験したことのなかったタイプの感動を覚えた。

 

 まあしかし、まさかこんな旅先でこんなパフォーマンスを知ることができるとは思わなかった。小倉はこの後もどとんこつらーめんを売り文句にしている魁龍というラーメン屋で、濃ゆいスープのラーメンをガツガツ食ったりと色々やったのだが、時間も経ったし今回の旅行記はこの辺にしておくことにしよう。

 気がつくと既に6月に入り、今年一発目にしてかなり大物の自転車イベントへの参加を来週に控える身。来週更新できるかどうかは神のみぞ知るってやつかなあ

 

P.S.今回の写真、一応右下にロボットのぞみさんがいるんだけど分かるかなあ…本当はもっとハッキリ写った写真もあるにはあるのだが、お客さんの顔が入りまくりなので流石にうpできないかなと