みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

佐野を満喫する旅(後)

2011-02-27 23:01:26 | 
 ホテル三吉野別館で爽やかに朝を迎え、夕べ買っておいたのり巻を食らい、チェックアウトした俺を待っていたのは氷が張り付いた車と軽く凍結した駐車場。

 多少ビビリながらも、荷物を積み込みホテルを出た俺が向かったのは、北。


 まず、今回のホテル三吉野では佐野プレミアムアウトレットのクーポン券付宿泊プランというものを予約していた。
 まあ、元々は前日筑波山に登り、佐野で一泊した後プレミアムアウトレットで買い物をするというプランを脳内で描いていたんだが、結局楽ーな方の半分だけ実現という有様ではあった。

 しかし、このプレミアムアウトレットが開くのは朝10時。流石にそんなに遅くまでダラダラと寝ている場合ではないので(俺は大抵旅先の宿だと6~7時には目が覚めてしまうんだが、他の人はどうだろう?)、どっか行くところはねーかなーという事で、前の晩に鯉の洗いをパクつきながら、ホテルのロビーにあった佐野の観光地図をつらつら眺めていた。

 そこで俺は、宇津野洞窟というものの存在を知った。


 実は結構洞窟好きな俺様、面白そうだし無料だし(この辺がポイントだな多分)、距離もそれ程離れてないので時間つぶしには丁度いいかな?と軽ーい気持ちで現地に向かったのであるが。

 前日の雨からうって変わって、爽やかな晴天の中、現地近くに車で行ってみると道路が軽く凍結。
 うっ…思いっきり夏タイヤなのでチュルッと行かなければ良いが…と思いつつ、洞窟の入り口に来てみるとオープンの9時ちょっと前だったので、通行止めのバリケードが置いてあった。

 すると、その道の脇にいたおばさんがこちらに向かってきて、「洞窟に行くの?」というようなジェスチャーを見せたので、うなずくとバリケードを動かすようなそぶりを見せた。
 そこで、俺は一度車を降りてバリケードを動かすのを手伝ったんだが…
 実は、どうもこのおばさんはただの「第1町人」かと思いきや洞窟の管理をされている方で、駐車場に車を停めた俺を洞窟まで案内してくれた。

 そして、宇津野洞窟の入り口の門が開かれ、灯りが灯され「どうぞ」ってなことでソソクサと中に入らせて頂いた。

 中は、想像していたよりは小ぢんまりとしていたが、ところどころ狭い場所があり、しゃがまないと通れない所もあったりでちょっとした探検気分は味わえた。
 何でもおばさんの話によるとたまに写真やテレビの撮影なんかで使われるんだとか。確かにこういう天然の洞窟って人工では中々リアルに作れないだろうしね。


 その後、まだ雪の残る小道を登り、洞窟の真上にある展望台から景色を眺めたりして、時間も十分つぶせたのでイザ帰るベ…と駐車場に戻ったんだが、ここで一つ問題が。

 駐車場がバッチリ凍結しちゃってるんだこれがまた…
 先におばさんに誘導されるまま入った瞬間、そこそこの広さの駐車場がほとんど雪に覆われていてあっちゃー…と思ったものの、おばさんは何かを「前の日まいておいた」から大丈夫、というようなことを言っていたので、まあ凍結防止剤でもまいてあれば多少は違うかな…と車を動かし切り返そうとしたが。


 バックに入れた途端思いっきり後輪が空回り…

 一度車を降りて後輪のあたりを見てみると、アスファルトは数ミリ~1センチくらい氷に覆われており、おばさんが何をまいたのか分からんが結構まずいなこりゃあ…と思っていると。

 そのおばさんが満を持して?近所のおばさん仲間達と数人で登場。
 ワイワイガヤガヤやりながら、俺に気づくと色々話しかけて下さり、少々焦り気味の俺はとりあえず受け答えした。
 その後、俺がもう一回氷上からの脱出を試みていると、おばさん二人がこちらに来て、手伝ってもらえるとの事。
 いよいよ切羽詰ってきたので、二人に車の前を押してもらい、何回かバックを試みて何度目かでどうにか動かすことができた。


 正直肝を冷やしたが、とりあえずおばさん達にお礼を言い、一路プレミアムアウトレットへ。


 現地到着時は既に10時半を回っており、沢山の車が押し寄せる中マイカーも駐車場に滑り込み、イザお買い物へ。

 前述の、ホテルでもらったクーポンをフル活用しようと思ったが、これは大抵の店がン千円以上とか1万以上とか買わないとイケンという厳しいもので、それ程買うつもりのない俺の手には余るものだったな…

 結局まともに買ったのはフォションのお茶+ジャム、それとアンダーアーマーのシャツくらいなもんだった。アウトドア系のブランドで冬山用のジャケットとかスキーウェアを探してみたが、これはという物がなかったなあ。


 ともあれ、佐野はまた機会を作って行ってみたいところだな。次回はちゃんとカロリーを消費してからイタリアンに挑むとしよう…

佐野を満喫する旅(前)

2011-02-20 22:25:29 | 
 こないだの3連休、元々は筑波山に行こうと思っていた。

 前々から書いているが、夏に富士山登頂を果たしたいという野望を持ちながらも、現時点で靴を買っただけという停滞どころか一歩も進んでない状況を打破するため、ちょっと冒険かも知れないが一発登ってみようと思ってね。


 もちろん、山に登った後の栄養補給としてラーメンの美味い佐野に宿を取り、アフターケアも万全(ここまでツッコミ禁止)の体勢を築き、イザ連休初日。


 


 ○| ̄|_

 ま、まさかの雪とは…
 筑波山には車で行く予定だったため、というかタダでさえ本格登山は初めてなのに初っ端が雪山って、ナメた装備で遭難して世間の非難を浴びるという図式ど真ん中じゃねえか…
 出発は次の日であったが、もう行くこと自体がかなり絶望的であったため、とりあえず宿は一旦キャンセルし、この日は前回話題にした折り畳み自転車ケッチ君を、雪が積もる前に何とか取りに行くべく、ボタ雪が降りしきる中気合で車で取りに行ったりはしていた。

 そして、本来朝一で筑波山に出掛けるはずだった連休中日の土曜。

 朝遅くにダラダラと起き出し、外を見るとあれ?
 昨日あれだけ雪が降ってたはずなのに、ほぼ積もってない…

 さらに、丁度朝メールをチェックしたら、予約をしていた宿からのメールで、佐野も路上の積雪はほとんどないという情報が来て。

 昼までウダウダと考えていたが結局、キャンセルした部屋がそのまま残っていたため再度予約し、折角なので宿泊だけでもしに佐野へ行くことにした。


 先に東京都心のなるしまフレンドに車で初来店し、新車用のサイクルメーターなどを購入してから都心を抜け、東北道へ。


 ここまでずっと天気は雨で、やはり案ずるより産むが易しだなぁ~と思いつつ、東北道を北上しつつ佐野に到着。
 ここは雪がちらついていたので多少焦りつつも、無事にホテル三吉野別館に辿り付く事ができた。


 宿に到着後すぐ露天風呂に入り、ちょっとぬる湯でさぶい思いをしつつもサッパリした後は、佐野に来たからにゃぁ…という訳で老舗の中華料理屋である角半に行き、(佐野)ラーメン、餃子、ライスというどうしようもない程度にベタなメニューで舌鼓を打った。ここの料理はこういうシンプルなものでもおいしいので安心である。

 その後、通りすがりのスーパーで鯉の洗いというものを見つけ、物はためし…と夜食の準備も万端で宿に着くと、どこからかピアノの音色が。

 これは、宿に隣接しているイッターリア料理店「PETIT BONHEUR(プチ ボヌール)」が、週末に生ピアノ演奏をやっているということらしく、ついピアノの音色に引き寄せられるように店内へ。

 で、入ったからには当然という訳でワインにモッツァレラチーズなんぞを頼み、ピアノの音色を聴きながらオサレな一時を楽しんだ。
 それにしても、この日は悪天候ということもあったのか分からんが、俺が入店した時点でお客は自分を除きカップル一組だけ。
 その中でピアノを聴きつつ、洒落たつくりの店内でワインを飲むというのは(ちなみに酒はこの日だけ独断で解禁しました)何とも言えない贅沢だなあ…店員も気さくで話も弾み、最後のスープもおいしく、次回は敢えて佐野でイタリアンてのもありかな…その時はせいぜい登山か自転車でカロリー大量消費してガッツリ食うかな…などと考えつつ、店を後にした後はホテルの部屋でハイボール片手に鯉の洗いをちゃんと完食した俺であった。

 もしかしたら、もしかしたらだけど、この日のカロリー総合収支がプラスになってたかも知れない(あくまで可能性だけどネ!)俺様。
 次の日も結局カロリー消費は大したことなかったんだが…長くなっちゃったので珍道中の日曜は次回。

小径車購入への道、後編

2011-02-13 22:53:22 | 自転車
 世間一般には知名度が低い自転車メーカーKHSだが、それでも理解者は確かに存在する。

 今回購入したお店の前に、一軒紹介しておきたいお店がある。

 昨年台風の中名古屋に遊びに行った折、KHSのサイトにあった「パートナーショップ」の一軒、ニコー製作所というお店に立寄った。

 閑静な住宅街の中に佇むこのお店、一見普通の自転車屋かと思ったら中はガッツリ専門店の品揃え。
 でもって、デザインのええ小径車を作ってるBRUNOなどの洒落た自転車達と共に、KHSの自転車も何台か置いてあった。

 そのうちの一台をつらつら眺めていると、お店のおじさんが俺に話しかけてきた。
 折角なので、KHSについて色々聞いてみると、おじさん曰くKHSは作りが頑丈なのが取り得であるとのこと。

 確かに実車を見れば、どっちかというと飾り気のないシンプルな感じである。
 ただ、個人的には変速機がMicroshiftというドマイナーなメーカーなのが気になりはしたのだが…
 ニコーにはこの時シマノの変速機をつけたドロップハンドルのモデルもあったが、流石に名古屋で即買いというのもなあ…と考え買わなかった。

 しかし、この時はもう少し世の中にKHSの自転車は出回ってるものだと思っていたんだが。

 年末年始にかけて何件も回ったが、結局上記ドロップハンドルモデルは見ることが無かったし('10年で終了したらしい)、他のブルホーンのモデルですらほとんど見る機会が無かった。

 恐らくは生産台数自体も少なめなんだろうが、その台数がキッチリ売り切れてしまうというのは、それだけKHSがコアな人気を持っているということなんだろう。
 事実、去年の川崎エンデューロでもKHSのドロップハンドルのモデルに乗ってるおじさんを見かけたりしたし。


 さて、ウダウダ書いたがそういった紆余曲折を経て、最終的に俺が購入を決めたお店。

 そのお店の名前は、オートバイハウスという。

 …まず名前が意外性に富んでるでしょ。ここは元々バイク専門の店だったらしいのだが、店主が自転車にハマってここ十数年はほぼ自転車メイン、それもKHSを主力として営業しているという相当珍しいお店である。

 昨年末に一度行った時、目当ての車種は入荷前だったものの、それほど大きくない店内(失礼)ながら何台もKHS系の自転車が置いてあり、店主も同メーカーにかなり精通していることが会話からも察することが出来、好印象を受けていた。

 その後紆余曲折を経て、というか本当にKHSの自転車を置いてある店が無くて、最後の頼みの綱とばかり再度オートバイハウスに赴いたのが先週のこと。

 すると、そこには俺が喉から手が出る程欲しかったF-20RCの2011年モデルが。

 しかし店主に聞いてみると、どうもこれは既に(というか、店への入荷前から)先客がいたそうでバッチリ売約済みらしい。
 そして、同モデルの次回入荷予定は5月なんだとか。

 うっ…何という品薄状態…

 その代わり、その下位モデルであるF-20Rのクロームシルバー(黒味がかった銀というか素材の色)とピンクが在庫としてあるとのこと。

 ここで俺は大いに悩んだ。

 マ要するに、5月まで待ってRCにするか、目の前のRを購入するか。

 両者は価格の違いとしては2万程度だが、同じなのはフレームくらいで、その他ホイール、ブレーキ、変速機に至るまでほとんどが異なり、というかRCの方が見るからによろしいのよ。後はフロントフォークがRのアルミ製に対しRCはカーボン製だったりと。

 カーボンフォークはともかく、個人的には変速機がRの方だとMicroshiftになること(RCはごく一般的なシマノ)と、後は色。
 本当はRCのマンゴーオレンジとかライムあたりの派手目なのが欲しかったんだが…

 店主の意見としては、そういうのは飽きが来やすい一方、クロムシルバーはシンプル故に飽きがこないということと、MicroshiftはKHSがパーツ売りも始めたらしく相当プッシュしているらしいということだった。


 うーむ…

 折角KHSというメーカーに辿りついたんなら、とことんマイノリティを追求するのも悪くないか?

 と俺は考えを翻し、店主に寄り切られた格好ながら結局F-20Rのクロムシルバーを購入決定。(これでピンクの方を買ったらもっと面白かったか?)


 で。

 この3連休中に自転車を受取り、今日は慣らし運転もしたのだが、感想や今後の展望等は少し後に回すことにする。
 次回は、雪に翻弄されまくった水野の旅行記の方を書く予定である。というのもちょっと面白いエピソードがあったもので…


 そうそう、因みに今回買ったF-20Rの愛称だが、KHS製ということで「けっち」と呼ぶことにする(PHSがピッチだから)。

小径車購入への道、前編

2011-02-06 23:15:36 | 雑記
 突然だが今日自転車を買った。それもバッチリ自分が乗る用のである。

 …普段から乗っている自転車がある男がなぜ?と訝しがる向きもおありだろうが、まあまずは読んでくれ。


 去年の夏、ロードを輪行中に後ろの変速機を壊すというひと夏の経験をした。(んまあこの経験は誰でも一度だけ経験するものなのかどうかは知らんが…)


 それまでも、言わば「普通のサイズ」の自転車であるロードバイクの輪行は何度となくやってきた。それこそ空港に自転車で行って空輸までやったしね。

 しかし、こういうトラブルをやってしまうと、重さはともかくあれだけデカイ物を袋詰めにして、担いで、ペダルなどの突起が体をつついてイテテという思いをやって運ぶというのは、旅先での自転車の快適さを考えても辛いもんがあるなあと、そう考えてしまうもんである。

 それでも、やはり電車・飛行機等+自転車というコンビネーションは非常に有用であり、今後もやっていきたいと…

 そんなことをウダウダと考えた結果、ここは一つコンパクトな折畳み自転車というのを買ってしまおうじゃないかと。


 折りしも、世の中は自転車流行りの中、折畳み自転車の類も質・量ともに数年前と比べてもかなりじゅうじゅちゅしてきている。

 それは逆に言うと、色々あり過ぎて昔のCMであった決定回避の法則発動と相成りそうなところだが、俺は色々調べるうちにあるメーカーにたどり着いた。

 というか、実は去年の東京アースライドというイベントの時に、そのメーカーを知ったのである。


 それは、アメリカの自転車メーカーKHS


 暑いお台場の会場内に設けられたKHSのブースのまん前に試乗車が多数あり、俺はその中のP-20RAというモデルを試乗し、驚いた。

 こ、これは小径車の枠を軽く超えてるぬぁあ~

 後にサイクルモードでDAHONなど他のメーカーを試乗することになるのだが(ちなみにKHSは東京では出展してなかった)、それらを鑑みてもこの自転車はすっげーと思ったよ。
 とにかく低速での安定性と、ちょっと走って段差を超えた時の剛性が普通のロードとほぼ変わらない感触。まあこのモデルは折畳みモデルではなかったんだけど。

 そして、このモデルの他ハイエンドモデルは軒並みブルホーンという、ハンドルの先が前に突き出すというちと特殊な形状。変速機はMicroshiftという相当マイナーなメーカーの物で、変速はそのハンドルの先っぽのレバーをガチガチと回して行う。これが中々新鮮であった。

 とにかくKHSはあらゆるものが新鮮で、一気に興味すぃんすぃんになり、以来このメーカーを色々調べる日々が続いた。

 しかしこのメーカー、少なくとも日本ではかなーーーーーりマイナーなメーカーであり、横浜の小径車専門店GCSでも扱ってない(これはちょっと驚いた)のを始め、本当にそんじょそこらのショップでは影も形も見当たらない。

 去年末から今年はじめにかけ、KHSのサイトにあるKHSを扱ってるショップのリストにある店をとにかく片っ端から当たってみたんだが、売ってても品数が少なかったり、というかKHSの販売に力を入れている所がほとんどなくて本当に難儀した。


 そんな訳でかれこれ半年近く水面下でやってきたKHS探しの旅?が、今日ひとまずの決着がついたんだが、そのショップの話を含め詳細は来週に。