BOOKOFFにて400円でしたので購入。
かなり有名な漫画作品だそうですけど、今まで知りませんでした。
ほのぼのとしたやさしいタッチの画風ですけど、とても悲しくて切ないお話でした・・・
戦後10年たった広島での一人の女性と、現代の遠い親族の女性の話ですね。
特に前半の(夕凪の街)は涙が止まりません・・・・ちょっと駄目です、こんな切ないストーリー。
こういう過去と現在の家族関係の話は、【嫌われ松子の一生】を思い出します。
嫌われ松子は数奇な人生でしたけど、これは主人公の皆実が原爆後遺症で死んでしまう話なのですが
松子は「人生楽しめたじゃん・・・」っていう感想ですけど、(夕凪の街)は生きたいのに生きることが出来なかった
主人公の祈りの感情がとてもせつなくて・・・
「ひどいなあ、てっきりわたしは死なずにんすんだ人かと思ったのに ああ 風・・・・夕凪が終わったんかねえ」
作品自体は35ページのほんとに短いですけど、テーマもメッセージも主人公の心情もよく表現されていて
とても感情を揺さぶられる作品でした。
こちらの漫画の最後は、
死んだ主人公の投げ出された腕の上に
「このお話はまだ終わりません。
何度夕凪が終わっても
終わっていません」
という文章で締めくくられてますが、
ああ、そうか・・・、と思ってしまうというか、
人間が核を持ってしまった限り、
同じことがループする可能性をはらんだ、
とても悲しい話なんだなあと思いました・・・。
奥が深くて漫画としては異質ですけど、
私は宮沢賢治原作でますむらひろしが漫画化して映画にもなった、
「グスコーブドリの伝記」とか、
受けた感銘としては近いものがあったなあと思いました・・・。
>松子は「人生楽しめたじゃん・・・」っていう感想ですけど、
そうなんですね
私は、松子、あれだけさんざん恋愛に入れ込んでいたのに、
死ぬときに還っていく場所が妹のところという結末に、
何かが救われたような不思議な愛を感じました。
>同じことがループする可能性をはらんだ、
>とても悲しい話なんだなあと思いました・・・
なるほど・・・そうですね、悲しみは終わらないので
次の(桜の国)へつながるのか・・・さすが女性目線で鋭いですね。
>死ぬときに還っていく場所が妹のところという結末に、
>何かが救われたような不思議な愛を感じました。
似たような構成の作品で松子を例に出しましたが
これも凄く女性の業を感じる作品ですね。
私は藤谷美紀の映画版しか知りませんので
テレビ版や小説はもっと奥深いものらしいのですけど・・・
軽いコメントでごめんなさい
>「グスコーブドリの伝記」とか、
nonさん、楽しみにしてますよ←無茶ブリ過ぎ!!