安部公房の作品6作目。
安部公房に関しては、面白い→つまんない→面白い→つまんない・・・の繰り返しです。
結果から言うとこの【人間そっくり】に関しては面白かったですね。
ラジオドラマのシナリオライターの家に自称火星人という男が訪問してきた。
現実と虚構が繰り返されて何が真実か嘘か分からなくなる主人公の苦悩・・・
この男の要求はなんなのか?はたまた本当に火星人なのか?単に騙しているだけなのか?
まぁ室内劇ですね・・・とっても「世にも奇妙な物語」にぴったりな題材(笑)
読者は明らかに訪問者が異常だと感じるが、説得力ある話術にまんまとはまってしまう。
「本当はもしかして・・・」
でもラストは安部公房らしく、総崩れな感じで物語をとっても深いところに引きずり込む救いようが無い展開(笑)
短編なのでさらっと読めました。
安部公房の書籍としては非常に読みやすい作品でした。