MASTER PIECE

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ボクには世界がこう見えていた

2013年06月10日 04時17分29秒 | 書籍



久しぶりに読んだ文庫。

小林和彦さんの統合失調症闘病記ですが、克明な記録で凄い内容でした。

早稲田大学卒業後にアニメーターとして「タッチ」や「ドラえもん」「日本昔ばなし」に携わった著者が
アニメで世界を変える為にと思案する中で突然の発病・・・

この発病の内容は第四章の【幻覚妄想】で克明に記録してあるのですけど
文章を読んで酔ってしまいました・・・

ここヘ来て、「アニメーションで体制を変える」から「体制を変えてからアニメーションを作る」に180度変わってしまった。

近くの薬局へ寄った、父が薬を求めている間、僕は目の前にかかっていた「いわない」という看板と押し問答をしていた
僕が何を聞いてもこの看板は「いわない」と拒絶するメッセージを送ってくるので、しまいには笑ってしまった。

この文章だけでも本来は笑うべきツボなのでしょうけど・・・
ジェットコースターみたいな次から次への幻覚妄想で、文章酔いってのは初めてです(笑)

でも、これだけの克明過ぎる記録ってとても貴重だと思うし、著者の不安や苦しみが十分に伝わってくる内容です。

うーん、なんだろうか・・・正直思うのは、著者は頭が良くて真面目で真剣に世界を変えたいと思ったのが
発病につながったのだろうか?、因果関係は解らないけど読んだ感じではそのように感じる。

この文庫本の題字が少し配列ズレしているのが、この本の内容をよく表していると思う。