![]() | 水の城―いまだ落城せず (祥伝社文庫)風野 真知雄祥伝社このアイテムの詳細を見る |
智将5万の軍勢を手玉に取った
凡将と3千の籠城兵
「なぜ、こんな城が!」五万余の軍勢を率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年(1590)、太閤秀吉が関東の雄・小田原北条家に怒濤のごとく襲いかかった。百を超す支城が次々と陥没する中、なぜか三成が攻略する武蔵・忍城(おしじょう)だけが落ちないのだ。足軽・百姓合わせてたった三千人弱の兵力にもかかわらず……。戦国史上類を見ない大攻防戦! 』
本屋大賞2009に『のぼうの城』がノミネートされているのだが、同じ忍城を描いたもっと面白い小説があると聞き、本書を読んだ次第。
戦国時代と言えば群雄割拠の傑物たちがうじゃうじゃいる殺伐とした中で、成田長親、素敵なキャラで、ほっこりほんのり楽しい。
とても戦国(秀吉の日本統一の寸前)の世の城主とも思えないが、こんな人もいたんだなぁと安心する。
今頃メジャーになって驚いているかも。
埼玉県行田市にあった忍城。たぶん地元では有名なのだろうけれど、北条氏の支城で持ちこたえた城があったことなどつゆ知らず・・・。
本書の中で重要な役割を担う、成田家当主である成田氏長の妻・菊の行動の理由がよくわからなかった。
この菊の行動は著者の創作だろう。
彼女の行動に説明をつけなかったのはなぜなのか。
少々疑問が残る。