読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

現代語古事記

2012-06-30 | その他
現代語古事記: 決定版
クリエーター情報なし
学研パブリッシング
『『古事記』全文を非常にわかりやすく現代語訳し、さらに旧皇族の視点による独自の解説や語注をほどこした、これまでにない現代人のための古事記、ついに完成! 日本の神々の息吹が、古代の天皇たちの躍動感が、リアルにダイレクトに伝わってくる一冊! 』


これは古事記の現代語訳ではなくて、古事記の解説本。
わかりやすいっちゃわかりやすいのだけど、皇族に戻りたい竹田さんが独特の天皇観に基づいて書かれているので、ちょっと待ってよと言いたくなることもある。
針が右に振れたり、左に振れたりは許容範囲として、左に振れた別の観方も知っておいた方がいいかもと老婆心。





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トーキョー・プリズン

2012-06-28 | 国内ミステリー
トーキョー・プリズン (角川文庫)
柳 広司
角川グループパブリッシング
『戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。戦争の暗部を抉る傑作長編ミステリー。 』


ミステリーとしてではなく、サスペンスとして読んだ。
そうか、『ジョーカーゲーム』の原点はここにあったのかと思う。
戦争のみならず民主主義の暗部についてもっと考えるべきだろう。
今のように減衰傾向のある時代は特に。



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連続殺人鬼 カエル男

2012-06-27 | 国内ミステリー
連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山 七里
宝島社
『口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。 』


『さよならドビュッシー』と"このミス"史上初の最終候補ダブルエントリーの作品。
毛色が違うことはなはだしいが、あちらの方がストーリーが整理されていた分、大賞にはあちらだったのかなという印象。
古手川の人物造形がもうちょっと洗練されていたらと思う。
ただ、残虐性というものはあちらでも違和感があったが、こちらは輪をかけてひどい。
まあ、好きな人は好きなのかもしれないが。

刑法39条はおかしいは、まあいい。精神鑑定なんてくそくらえ、音楽療法なんて無意味だと言っているのだろうか。参考文献にあげられている書物を読むつもりはないが。


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要介護探偵の事件簿

2012-06-25 | 国内ミステリー
要介護探偵の事件簿
中山 七里
宝島社
『反骨精神をモットーとする香月玄太郎は、不動産会社を興し一代で成功を収めた社長。下半身が不自由で「要介護」認定を受けている老人だが、頭の回転が早く、口が達者。ある日、彼の分譲した土地で建築中の家の中から、死体が発見された。完全密室での殺人。お上や権威が大嫌いな玄太郎は、警察が頼りにならないと感じ、介護者のみち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出す。完全密室の殺人、リハビリ施設での怪事件、老人ばかりを狙う連続通り魔、銀行強盗犯との攻防、国会議員の毒殺事件など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。 』


『さよならドビュッシー』で存在感のあった香月玄太郎さんを主役に据えたミステリー。
まあ、ユーモアミステリーとしては及第点。
こういうのも描けるのかといううれしい驚き。
香月玄太郎にも慣れて楽しく読んでいて、最後にアッ!

中山 七里さん、まだ若い女性なのだろうと勝手に思っていたら、いいお年の男性だったのですね。
だから違和感なく読めるのかと逆に納得したのですけれど、若い人にとってはずれた感じがしてしまうかもしれない。


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おやすみラフマニノフ

2012-06-25 | 国内ミステリー
おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)
中山 七里
宝島社
『秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室で保管されていた、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれる。脅迫状も届き、晶は心身ともに追い詰められていく。さらに彼らの身に不可解な事件が次々と起こり…。メンバーたちは、果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」がコンサート・ホールに響くとき、驚愕の真実が明かされる。 』


2作目って(1作目がよかったら特に)幾分かの懐疑を持って読まざるを得ないのだけど、読後、ブラヴォ―と言いたい気分だった。
1作目の陰惨さが軽減し、読みやすい。
好悪分かれる作家だとは思うけれど、万人向け60点の作品が良いとは思わない。
私(=一個人)にとって、100点とまでは言わない、80点で良いのでは?






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饗宴 ソクラテス最後の事件

2012-06-24 | 国内ミステリー
饗宴 ソクラテス最後の事件 (創元推理文庫)
柳 広司
東京創元社
『ペロポネソス諸国との戦争をきっかけに、アテナイは衰微の暗雲に覆われつつあった。そんななか、奇妙な事件が連続して発生する。若き貴族が衆人環視下で不可解な死を遂げ、アクロポリスではばらばらに引きちぎられた異邦の青年の惨殺死体が発見されたのだ。すべては謎の“ピュタゴラス教団”の仕業なのか?哲人ソクラテスが、比類なき論理で異形の謎に挑む!野心溢れる本格推理。』


アテネの政治や生活、ソクラテスの哲学、多神教vs一神教、民主主義の限界など様々な要素を描きながら立派に本格推理だという点は褒められるべきだとは思うのだけれど、好きじゃない。
なんともめんどくさい。
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吾輩はシャーロック・ホームズである

2012-06-24 | 国内ミステリー
吾輩はシャーロック・ホームズである (角川文庫)
柳 広司
角川書店(角川グループパブリッシング)
『ロンドン留学中の夏目漱石が心を病み、自分をシャーロック・ホームズだと思い込む。漱石が足繁く通っている教授の計らいで、当分の間、ベーカー街221Bにてワトスンと共同生活を送らせ、ホームズとして遇することになった。折しも、ヨーロッパで最も有名な霊媒師の降霊会がホテルで行われ、ワトスンと共に参加する漱石。だが、その最中、霊媒師が毒殺されて…。ユーモアとペーソスが横溢する第一級のエンターテインメント。 』


ドクター・ワトソンのナツメ(=黄色人)に対する蔑視が鼻について終始不愉快で、いったいどうこのハナシを落とすのだろうと退屈なだけのページを追ったが、なるほど、サー・アーサー・コナン・ドイルがサーになれたのは南アでの植民地主義(=黒人差別)の正当化のパンフの執筆によるものだったのかという知識は得られるのだが、ここまで夏目を貶めなければ描けないものだったのだろうか。


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贋作『坊っちゃん』殺人事件

2012-06-23 | 国内ミステリー
贋作『坊っちゃん』殺人事件 (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)
『四国から東京に戻った「おれ」―坊っちゃんは元同僚の山嵐と再会し、教頭の赤シャツが自殺したことを知らされる。無人島“ターナー島”で首を吊ったらしいのだが、山嵐は「誰かに殺されたのでは」と疑っている。坊っちゃんはその死の真相を探るため、四国を再訪する。調査を始めたふたりを待つ驚愕の事実とは?『坊っちゃん』の裏に浮かび上がるもう一つの物語。名品パスティーシュにして傑作ミステリー。 』


始めはパロディかと思うような文体とストーリー、坊ちゃんの覚醒と共に徐々に様相を変えて…ここまで変貌するとは予想もせず…。
本歌取りというのは(難しいとは知りつつも)一種ずるい感じが否めないのだが、それを超した意味を与えていると思う。
『坊ちゃん』というか夏目漱石なんて忘却の彼方だったのですがね。




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おさがしの本は

2012-06-23 | 国内ミステリー
おさがしの本は
門井 慶喜
光文社
『和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難による図書館廃止が噂され、和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる…。様々な本を探索するうちに、その豊かな世界に改めて気づいた青年が再生していく連作短編集。 』


無力感にさいなまれていた図書館員が再生していくなんてことはどうでもいいのだが(笑) 図書館の必要性の力説や地方議会の様子が面白かった。

図書館にレファレンス・カウンターがあるのは知っていたけど、利用したことはなかった。
ネットで検索することが不得手ならば、こういうところを利用するのもアリなのかもしれないね。
技量や応対を試すべく、質問を考えているのだがいい案が思い浮かばない…(笑)



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ネコはどうしてわがままか

2012-06-22 | その他
ネコはどうしてわがままか (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社
『飼ってもフンが見つからないドジョウのえさは?オタマジャクシを脅かすと皆一斉に逃げるのはなぜ?雌雄同体のカタツムリはなぜ交尾する?アブラムシ、ボウフラ、ムカデ…みんなみんな生き物たちの動きは不思議に満ちてます。さて、イヌは飼い主に忠実なのにネコがわがままなのは、一体なぜでしょう?動物行動学の第一人者が、ユーモアたっぷりに解き明かす自然の知恵のいろいろ。 』


生物学の楽しい本は増えたが、日高先生のご本がその嚆矢だろうか。
まあ、表題W"ネコはどうしてわがままか "などという疑問は、この手の本を読んでいる者にとってはすぐわかることではあるけれど。
様々動物の行動はそれぞれ意味があって面白い。
ヒトにはわからない意味もまだあるけれどね。






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