読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

ゴールデンスランバー

2011-05-30 | 国内ミステリー
ゴールデンスランバー (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社
『仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。』


「俺はどうなってしまった? 一体何が起こっている? 首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか? 二年ぶり千枚の書き下ろし大作。」という惹句からすると、アメリカ仕込みの息もつかせぬサスペンスを予想するじゃない?

外的環境はけっこうハードボイルドなのに、内的には行き当たりばったりにゆる~く終わってしまい肩すかしもいいところ。
"構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成"と言われてもねぇ。
初伊坂幸太郎なのだけど……。

人を信頼するということが大切だと言いたいのかもしれないけれど、信頼に値する根拠が希薄で、信頼さえすれば決して裏切られないというのもどうも…あげく国家に裏切られるってどうよ。




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知略 (古着屋総兵衛影始末 第 8巻)

2011-05-29 |  佐伯泰英
知略 (古着屋総兵衛影始末 第 8巻)
佐伯泰英
新潮文庫 さ 73-8
『“影”の指令は、将軍綱吉の側室へさる公卿の娘を送り込まんとする柳沢吉保の陰謀の阻止であった。吉保は甲賀の名門鵜飼家を召し抱え、忍者衆を手駒に加えた。総兵衛は襲撃に遭いながらも東海道を西上、京を目指す。一方、富沢町の大黒屋ではるりが忽然と消えた。美雪と笠蔵ら鳶沢一族の面々は決死の覚悟で救出に向かったが……。知略と謀略が複雑怪奇に絡み合う屍山血河の第八巻。』



毎月読める幸せもあと3ヶ月.....



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日本の原発、どこで間違えたのか

2011-05-29 | その他
日本の原発、どこで間違えたのか
内橋 克人
朝日新聞出版
『未曾有の惨事となった東京電力福島第一原発の事故を、日本の原子力政策の出発点に戻って考える。原発建設を急いだ正力松太郎、福島第一原発の誕生秘話、運転3年半で起こった最初のトラブル、「応力腐食割れ」……。しかし、「万が一」を恐れる住民たちを前に、「安全」は最初から脇に追いやられていた!? 日本を代表するジャーナリストの渾身のルポルタージュが今、甦る。』


本書は現在入手困難な「原発への警鐘」 (講談社文庫・1986年初版)を復刻したもの。
1986年の出版物を再刊できないのは講談社の腰が引けているからだろう。
なぜ「原発過密国」になったのかの詳細がよくわかる。

原発建設を推進するために官民挙げての強引な姿勢は(滑稽とさえ見えるほど)恐ろしい。
原発銀座の敦賀市市長の、あまりにあっけらかんとしたタカリの言動の末の開き直り発言「町のためにカネとってきて何が悪い!」
こういうタカリの構造はどこの原発立地都市でも行われていたことは明白で、裏金をいくらとったかはお互い暗黙のうちに言わない約束になっているという。
電力会社内ではどういう会計処理が行われているのだろう。
株主訴訟とか起こす余地はないのかな。

いくら官民あげての原発推進とは言っても、こういうことはおかしいと気づいた公務員とか電力会社員とか居るはずだと思いたい。
個人個人がこんな欺瞞になんの疑問も感じなかったはずはないと思いたい。
件の敦賀市長の「(原発で潤った)その代わりに百年たって片輪が生まれてくるやら、五十年後に生まれた子どもが全部、片輪になるやら、それはわかりませんよ。分かりませんけれど、いまの段階ではおやりになったほうがよいのではなかろうか…」
わかっててやった確信犯。何をかいわんや。




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園芸家12カ月

2011-05-26 | その他
園芸家12カ月 (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論社
『チェコの生んだ最も著名な作家カレル・チャペックは、こよなく園芸を愛した。彼は、人びとの心まで耕して、緑の木々を茂らせ、花々を咲かせる。その絶妙のユーモアは、園芸に興味のない人を園芸マニアにおちいらせ、園芸マニアをますます重症にしてしまう。無類に愉快な本。 』


チェコの作家カレル・チャペックは実にユーモラスに園芸マニアの生態を描いてくれた。
お国は違っていても時代が違っていても(1929年)園芸マニアの気持ちは同じ。

実兄のヨゼフ・チャペックが描いた挿絵が、またかわいい!  

カバー写真はカレル・チャペック記念館@チェコ 晩年を過ごした家。



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ホテルジューシー

2011-05-25 | その他
ホテルジューシー (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)
『大家族の長女に生まれた天下無敵のしっかり娘ヒロちゃん。ところがバイトにやってきた那覇のゲストハウス・ホテルジューシーはいつもと相当勝手が違う。昼夜二重人格のオーナー(代理)や、沖縄的テーゲー(アバウト)を体現するような双子の老ハウスキーパーなど規格外の職場仲間、さらにはワケありのお客さんたちにも翻弄されながら、ヒロちゃんの夏は過ぎてゆく―南風が運ぶ青春成長ミステリ』


沖縄には行ったことがないのだけれど、沖縄らしいんだろうなと思う情景、人間がいい。

この後日談もあったらいいね。







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図書館危機 図書館戦争シリーズ3

2011-05-25 |  有川 浩
図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫 あ 48-7 図書館戦争シリーズ 3)
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)
『思いもよらぬ形で憧れの"王子様"の正体を知ってしまった郁は完全にぎこちない態度。そんな中ある人気俳優のインタビューが、図書隊そして世間を巻きこむ大問題に発展。加えて、地方の美術展で最優秀作品となった"自由"をテーマにした絵画が検問・没収の危機に。郁の所属する特殊部隊も警護作戦に参加することになったが!? 表現の自由をめぐる攻防がますますヒートアップ、ついでに恋も……!? 危機また危機のシリーズ第3弾!』


仕事はますますハードに、恋はますます甘く…。

児玉さんの解説が…さびしいな。



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雛を包む

2011-05-25 | その他
雛を包む
クリエーター情報なし
平凡社
『大好きな着物の衣ずれの音のこと、祇園の懐かしい宿のこと、山本夏彦さんの鳶色の瞳のこと、そして母が描いたうさぎの茶碗のこと。四季折々の茶席のはなしから、日本語や歌舞伎・文楽まで、やわらかに、日本の「琴線」に触れる、三七篇のエッセイ。 』



なんの問題意識も提言もないんだなぁ。
しあわせだね。



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青鞜の女・尾竹紅吉伝

2011-05-24 | 歴史小説・歴史
青鞜の女・尾竹紅吉伝
渡邊澄子
不二出版
『『青鞜』は、尾竹紅吉なしには『青鞜』たりえなかった――
女性解放雑誌『青鞜』を象徴する一人として活躍し、新進の女性画家として自ら得た賞金で文芸雑誌『番紅花(さふらん)』を創刊。夫である陶芸家・富本憲吉とのあゆみ、そして多くの後進の女性たちへの支援と励まし――。
女性が自由に生きることを許されなかった時代に、社会に向かって喜怒哀楽をあらわにし、問題提起をしながら青春を生ききった紅吉こと尾竹一枝の初の本格的評伝!』


『本の本』で知った本。

富本憲吉は陶芸家として名高く、富本憲吉記念館は奈良にある(作風は好きではないので訪れた事はない)
彼の妻・尾竹一枝(紅吉)が、青鞜を象徴するとまで言われる人だったとは知らなくて…読んでみた。
とは言え、青鞜も平塚らいてうしか知らないわけなのだが。
著者の渡邊澄子さんも平塚らいてうのことを調べていて、尾竹一枝(紅吉)の青鞜への影響の大きさを看過できなくなり、のめり込んだようである。
他の人物についての知識がほとんどないため著者の熱情にはついていけない部分はあるけれど、稀有な人間であり、才能であった尾竹一枝(紅吉)について概略を知ることはできたと思う。

現在平塚らいちょうの高名に比してあまりに尾竹一枝(紅吉)の知名度が低いことは惜しい。
富本憲吉の高名に対しても同様。

暮しの手帖でのお母さんが読んで聞かせるお話の連載は最晩年だったが、母が暮しの手帖は取っていたので楽しみにしていた。
あれがこの尾竹(富本)一枝さんの作品だったのかと思うと感慨深い。


本筋とは離れるが、戦前~戦中、平塚らいてう、市川房枝、羽仁もと子、吉岡弥生、村岡花子などが戦争に積極的に協力し、戦後また変節したことは(つまり二度変節したことは)忘れてはならない。


薊の花―富本一枝小伝 お嬢さんの陽さんの書かれた評伝


お母さんが読んで聞かせるお話 最晩年に富本一枝名義で書かれたお話(暮しの手帖掲載)
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ワタリガラスはやかまし屋

2011-05-23 |  コージーミステリー
ワタリガラスはやかまし屋 (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社
『夫に裏切られたレイチェルは、ロッキーマウンテン国立公園に隣接した叔母の農場でひと夏を過ごすことにした。地元の野鳥愛好会EPOCHの面々に誘われ、珍種の鳥探しに出かけた彼女だが、見つけたのは叔母を脅していた雑誌記者の死体だった。その直後、叔母が姿をくらまし、レイチェルたちは調査に乗り出す。鍵を握るのは、現場にいた一羽のワタリガラス!?鳥づくしのシリーズ登場。 』


バードウォッチャーという新種のコージーミステリーなのだが、人物造形が下手、特に主人公がしっかり描けていないので感情移入ができず、ストーリーも慌ただしいばかりで、しかも見え見え…

読むんじゃなかった…

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ガセネッタ&シモネッタ

2011-05-23 | その他
ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫)
米原万里
文藝春秋
『国際会議に欠かせない同時通訳。誤訳は致命的な結果を引き起こすこともあり、通訳のストレスたるや想像を絶する……ゆえに、ダジャレや下ネタが大好きな人種なのである、というのが本書の大前提。「シツラクエン」や「フンドシ」にまつわるジョークはいかに訳すべきかをはじめ、抱腹絶倒な通訳稼業の舞台裏を暴いたエッセイ集。』


相変わらず読み続けている米原万里さん。

あちこちに書かれた短文の寄せ集めのようで、印象も散漫で、そんなには抱腹絶倒(出版社の内容紹介)というわけでもないけれど、彼女の感覚・判断には信頼を置いているので、楽しい。
「は?」とか「え?」とか思わずに読めるシアワセ。


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