建築MAP京都TOTO出版このアイテムの詳細を見る |
『国宝・重文をはじめとする歴史的建造物から最新の現代建築まで378件を1万分の1のMAPにプロット、写真・データ・解説付きで紹介。歴史と現在が刺激しあう都市・京都建築ガイド決定版。』
最近京都三条通の近代建築の洋館を続けて見ることがあって、この本を持っていたことを思い出した(苦笑
ずっしり素晴らしいデータの数数で頭が下がる。
エリア別,設計者別,作品別,用途別にそれぞれ索引があり,例えば気になる建築家の作品を調べる,といった使い方もできる。
そして建築物だけではなく、建築を通して見た京都の歴史や文化についてのコラムもたいへん面白く、MAPとしてだけではなく読み物としても優れている。
ex.
・京都の伝承をたどると、18世紀か19世紀にかけて成立したものが実に多い。「千年の都」の演出がはじまったと見てよい
・京都市民のあいだに「保存」に対する敵意がしばしば見られるが、それは「破壊」がより良い未来をもたらした近代の記憶が体質化したものといえる。
・明治2年3月(天皇は)再び東幸し、そのまま戻らなかった。事実上の遷都であった。この事態に対して京都市民が懐いた危機感は「第二の奈良になるな」というスローガンに如実に示されている。(中略)今や門前町でしかない奈良に自分たちの未来を見たのである。ここで選ばれた方策は勧業事業の推進、すなわち工業都市の復権であった。京都府は新政府に対して遷都の補償を執拗に求め、明治3年に産業基立金10万両の下賜と勧業基立金15万両の貸与をかちとる。
東京編、大阪/神戸編、横浜/鎌倉編などもあり。
mini(新書版)もあるけど、同じ内容なんだろうか? 同じ内容を盛り込もうとすると字が小さくなりすぎるような気が・・・