9条がつくる脱アメリカ型国家―財界リーダーの提言品川 正治青灯社このアイテムの詳細を見る |
自民党や経済界は今、憲法九条を改定し、アメリカと一体となって日本を戦争のできる国に変えようとしている。経済界は、武器輸出三原則を緩和して、軍産複合体への道を開き、さらに、経済のグローバル化の中、軍事力をバックにしたアメリカ流の覇権型資本主義を推し進めようとしている。経済界の大物ご意見番が、自らの中国大陸最前線での戦争体験や経済界の今日の危うい内情をもとに、渾身の力で憲法九条を擁護し、戦争をしない21世紀日本のかたちを展望する。 』
憲法九条は好きである。あえて好き嫌いで言うが。
まさか憲法九条って何?という方もないだろうとは思うけれど
憲法九条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
儲かるという理由だけで、アメリカが望んでいるというだけで、憲法改正&軍拡路線まっしぐらの財界にあって、あえて「9条がつくる脱アメリカ型国家」を提言している品川正治さんの本を読んでみた。
私が好き嫌いでしか言えない9条について、至極論理的に、経済的に擁護を述べられていて、とてもありがたく、心強く思った。
その根本には品川さんの戦争体験がある。
末端の兵士たちの苦しみは想像以上のものであろうが、でも想像のでき得る範囲であろう。
品川さんの戦争体験で涙なくして読めなかったのは、実は徴兵される前の体験である。
当時品川さんが在籍していた三高の学生たちは敗戦を予感しながら求道者のように本を読んでいたという。それぞれ何としてでも死ぬまでに一度は手にしておきたいと思った本を。
そして終戦前年の二月、軍の「査閲」という公式の場で、ひとりの学生が、軍人勅諭の「我が国の軍隊は世々天皇の統率し給う所にぞある」を「我が国の天皇は世々軍隊の統率し給う所にぞある」と読み替えるという事件が起こる。もちろん確信犯である。生徒総代であった品川さんは責任を取るべく退学願いを書いて、陸軍に志願したのだが、その前に半月ほど休校し、生徒たちが一度は教えを乞いたいと願っている先生たち(京大の湯川先生、田辺先生、詩人の三好達治さんら)の自由講座を開いてほしいと願い出た。校長も即刻諒承し、面倒な手続き一切を速やかに行って開かれた自由講座は満員の盛況だったという。
今、ここまでの覚悟をもって学問している学生がいるだろうか。
結果的には、軍もこれを公にすることはなかっし、辞職を願い出た校長・教頭、退学を願い出た品川さんに結局文部省もいっさいの処分を行い得なかった。軍も民意を推し量ったのであろう。その発言をした数学に秀でた学生は退学になり、後自殺したそうであるが。
沢田研二も九条と窮状をかけて「我が窮状※」を歌ったのは記憶に新しい。
その中に「英霊の涙に変えて 授かった宝だ」という歌詞がある。
品川さんは帰って来れたが、帰ってこれなかった英霊たちのことを思うとき、ほんとうに授かった宝だと思わなければならないと思う。
九条と自衛隊の矛盾が言われて久しいが、でも現行存在しているのが事実である。
九条の窮状は目を覆うばかりであるが、それでも並立しているのである。
であるならば、九条を変える必要がどこにあるのか?
いったんタガをはずしたが最後、どこまで軍拡路線がのさばるのか、考えるだけでおぞましい。
兵器を作って売って儲けたい?言いがかりをつけて先制攻撃したい?
世界の嫌われ者アメリカとおんなじじゃないか。
品川さんは8月15日を<敗戦記念日>ではなく<終戦記念日>でよいという。
<敗戦>には次の<勝戦>を待つ意思が見えるという。
もう勝とうが負けようが戦争は終りにする、それが<終戦>だという。
今まで8月15日を<終戦記念日>と呼ぶのはおかしい、潔くないと考えてきたが、すべての戦争を終わりにするという意味で、頭をあげて未来永劫<終戦記念日>と呼びたいと思う。
・ マガジン9条
※「我が窮状」 作詞:沢田研二
麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが
忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
英霊の涙に変えて 授かった宝だ
この窮状 救うために 声なき声よ集え
我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ
麗しの国 日本の核が 歯車を狂わせたんだ
老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ
諦めは取り返せない 過ちを招くだけ
この窮状 救いたいよ 声に集め歌おう
我が窮状 守れないなら 真の平和ありえない
この窮状 救えるのは静かに通る言葉
我が窮状 守りきりたい 許し合い 信じよう
(楽譜・歌詞pdfファイル)
こういう楽譜がネットにあるというだけでも、著作権料云々よりこの歌が、歌詞が広まってほしいという気持ちの表れだろう。
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風に押されぼくは 作詞:安珠/作曲:吉田光
神々たちよ護れ 作詞:沢田研二/作曲:宮川彬良
海にむけて 作詞:沢田研二/作曲:加瀬邦彦
Beloved 作詞:GRACE/作曲:下山淳
ロマンスブルー 作詞:GRACE/作曲:GRACE
やわらかな後悔 作詞:GRACE/作曲:柴山和彦
TOMO=DACHI 作詞:沢田研二/作曲:八島順一
我が窮状 作詞:沢田研二/作曲:大野克夫
Long Good-by 作詞:岸部一徳、沢田研二/作曲:森本太郎
護られている I love you 作詞:沢田研二/作曲:泰輝 』