『心眼といわれた十三代目片岡仁左衛門の次男、片岡秀太郎。ほとんどの歌舞伎役者が東京に居を構えている中、上方の空気に触れ、そこで寝起きするからこそ、本物の上方らしさが自然と身につくものと、頑なに上方にこだわり続け、上方歌舞伎の頭脳といわれるほどの研究家でもある。古稀を迎えた今年、六十余年となる役者人生を振り返り、数々の名優たちとの芸談、さまざまな演目、役のしどころ、見どころなどを語る。
名優の誉れ高い十三代目片岡仁左衛門の次男に生まれ、上方に生き、上方らしさに徹底的にこだわり続ける役者、片岡秀太郎が初めて語る女方の真髄! 』
雀右衛門さんの訃報を知り、思い出して積読になっていた本書を。
「上方のをんな」ということで、上方の演目の女形の要諦を的確に表現されて面白く読めた。
かわいらしい娘役もほんとうに違和感なく演じられるのはさすがというほかはない。
立ち役も女形も演じられるのが上方の役者。
愛之助さんにもたまには女形も演ってほしいと思うのだが。
批判めいたことはおっしゃっていないのだが、無視していらっしゃることがあることに否応なく気づいてしまう。
無視が批判ということになるのだろうな。
このところ歌舞伎には足が遠のいているのだが、久しぶりに行ってみるかなぁ。