読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

難儀でござる

2008-06-30 | 歴史小説・歴史
難儀でござる
岩井 三四二
光文社

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『覇王・信長に金を無心する役を押しつけられた公家、隠居せぬ血気盛んな老父、いい人だけど無意味な篭城を続ける我が殿…。歴史的大事件の陰に密やかに咲いた、まことに億劫な出来事に振り回される男たち。解決方法はあるのか?小気味良い展開と洒落な人物描写。読後爽やかな快作。 』

時代は下がって戦国時代。歴史小説はわんさか。
ヒーローの活躍は目覚しく、派手に生き、派手に死ぬ。
岩井三四二はそんなヒーローには目もくれず(信長も脇役)、ひたすら歴史のウラを読む。
岩井の描く主人公は、でもそんな時代を耐え抜いて江戸の終わりまで生き延びる家の礎だったりする。
岩井の価値観なんだろうなぁ。
これはこれで面白いと思うのだけど、現実味がありすぎて、華々しいヒーローに会いたくなってしまう。

なぜ岩井の小説を読むことになったのかと言うと、新刊案内で↓踊る陰陽師―山科卿醒笑譚に気付いたため。
ちょっと面白そうでしょう?
でも知らない作家の本を¥1550も出すのは躊躇して・・・
(↑はAmazonマーケットプレイスで¥158+送料¥320で買いました)

踊る陰陽師―山科卿醒笑譚
岩井 三四二
文芸春秋

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『室町末期の、貧乏公家の山科言継と家来の大沢掃部助が、悩める男たちのために大活躍!? あちこちの揉め事に首を突っ込むが、事態はますますややこしいことに…。ユーモア時代小説。表題作など全5篇収録。』

で、買うのか?
ま、やめとこ(・・;)
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月ノ浦惣庄公事置書

2008-06-29 | 歴史小説・歴史
月ノ浦惣庄公事置書 (文春文庫)
岩井 三四二
文藝春秋

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『室町時代の末。近江の湖北地方。隣村との土地をめぐる争いに公事(裁判)で決着をつけるべく京に上った月ノ浦惣庄の村民たち。領主や山門に足繁く通い、袖の下に銭をばらまき、勝訴に持ち込んだはずが思わぬ横やりが。背後には幼くして村を逐われた男の怨念が渦巻いていた―第十回松本清張賞受賞作。』

そもそも室町時代末という時代について書いた小説は少ないだろう。
しかも近江地方のさもない村の土地争いで、ヒーローが登場するわけでもない。
しかしながら、室町時代末期の土地の所有や年貢、公事(裁判)の様子など面白く読んだ。
そういう知識面での充足感は得られるが、人間についてはどれも中途半端で、深く掘り下げる紙数はなく(たぶん技術もなく)、目の付け所は面白いと思ったが、ベストセラー作家への道は遠いといわざるを得ない。
そんなものを目指してはいないのかもしれないが。

松本清張賞ってなんだろう?
これが一般的にイメージする松本清張の賞にふさわしいのかな。



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写真な建築

2008-06-25 | 建築
写真な建築 新装版
増田 彰久
白揚社

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『明治~昭和初期の名建築を全国津々浦々に撮り歩き、藤森照信東大教授との名コンビで洋館探偵ブーム、近代化建築再発見ブームの火付け役となった人気写真家が、文字通り撮影現場から西洋館の面白さ、見どころなどを語り尽くす。』

藤森教授の建築探偵シリーズでおなじみになった増田さんのご本。
写真の歴史から書き起こし、ご自身の歩みについて書かれている。
やはり写真家、文章はあまり上手とはいえないが、引き込まれて読んでしまう。
あとがきに書かれている「・・・ぼくの場合は建物がかなり朽ちていても、なるべくダメージの少ない、きれいなところを探して撮る。みんなに愛され、元気に使われていた当時の誇らしい姿を、写真で蘇らせてやりたいのである。・・・」というひとことで、私が彼の写真を好きな理由を確認。

私の祖父は写真屋であった。大正時代に兵庫県の田舎から東京の写真学校に学びに行ったのだという。生家が没落して道楽が本業になってしまったらしく、祖父の家はスタジオを兼ねていて、もちろん現像室もあり(小学校のとき、一度やらせてくれたことがある)、楽しい空間だった。そういえば"洋館"と言えるのかもしれない。私の洋館好きはそんなところから来ているのかもしれない。
祖父が撮っていたのは身過ぎ世過ぎの人物写真だったはずだが、元々はどんな写真が撮りたかったのだろう。DNAなのか、私も僥倖で得られた風景写真で賞をもらったこともある。
この年になって、"私"を作っているのは私一人じゃないなぁと気付くこと多々・・・。


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今、持ちたいバッグ―Daily Patchwork Bag

2008-06-25 | パッチワーク
今日は思いがけず晴れて、昨日の晴れで洗濯物は乾いたので今日は布団干し。久しぶり!!

「今、持ちたいバッグ」トープカラーのやさしい色合いがかわいい!!
すぐ作れそうなものから、ちょっと手のかかったものまで・・・。
なかなかいい感じです♪

今、持ちたいバッグ
今、持ちたいバッグ―Daily Patchwork Bag
パッチワーク通信社

『毎日持ちたくなるバッグの本。手提げタイプ、ショルダータイプ、簡単に作れるソーイングバッグなど、多種多様のバッグをご紹介。使いやすいポーチ、おさいふサイズのポーチも収録。人気のナチュラルカラー作品の配色アドバイス付き。』
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ウィンディ・ストリート

2008-06-22 | 海外ミステリー
ウィンディ・ストリート (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 2-19)
サラ・パレツキー
早川書房

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『二度と戻らないと誓った故郷サウス・シカゴにヴィクが足を踏み入れたのは、不治の病を得た恩師に替わり、母校の女子バスケット部の臨時コーチを務めるためだった。不況にあえぐ町の窮乏ぶりに心が痛む。やがてヴィクは生徒の母親が勤める町工場への嫌がらせ行為の調査を始めたことから、弱者を搾取する巨大企業と対決することに。頼まれれば嫌とは言えず、危険も厭わず体を張る、V・I・ウォーショースキーの胸のすく活躍 』

ヴィク12作目。
なあなあのファミリームードたっぷりになるシリーズものが多い中で、緊張感を保っている。
孤独感が非常に強かったけれど、恋人モレルが現れたことで少々和らいだ。

アメリカでは一代で大金持ちになる人もいるが、その一方貧困層はほんとうに悲惨な生活に追い詰められている。
光が強ければ影もまた濃くなるというもの・・・。
そこに目を向け、微力、ほんとうに微力ながら戦うヴィクが痛々しく凛々しい。
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パリの本屋さん

2008-06-21 | その他
パリの本屋さん
ジュウ・ドゥ・ポゥム

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『パリの街角にある、小さな本屋さん。
アートに、絵本、食べ物、旅、ガーデニング、映画とひとつのテーマにしぼった、個性的な品揃えが楽しいお店がたくさん!そんな31軒のユニークな本屋さんをはじめ、本好きなパリジャンたちが通うブック・カフェやクリエーターたちにインスピレーションを与える図書館など旅の途中で素敵な本と出会える、41スポットを紹介します。』

外国に行って本屋さんに行こうと思ったことがなかったのだけれど、ことばがわからなくても見るだけでも楽しいかもしれないと思わせてくれる本。
でもねぇ・・・やっぱり行かないかなぁ、読めないものは本ではないかも(・・;)

パリの本屋さん、それぞれ個性が光っていてすてき!!



パリの本屋さん 公式ページ
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かぼちゃケーキを切る前に

2008-06-16 |  コージーミステリー
かぼちゃケーキを切る前に (お料理名人の事件簿 2)
リヴィア J ウォッシュバーン
ランダムハウス講談社

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『おとぎ話のようなお城のケーキにバラのケーキ―テーブルに並ぶのは、小学校の秋祭りで開催されるチャリティー・オークションに出品された豪華なケーキの数々。もと教師のフィリスも、巨大かぼちゃケーキで参加することに。ところが、いざオークション開始というとき、楽しい会場には場違いな悲鳴が!校内で遺体が発見されたばかりか、せっかく集まった募金も金庫ごと消えていて…。お菓子づくしのシリーズ第2弾。』

桃のデザートには隠し味」に続いて第2弾。

こんどはPTAの秋祭りイベント。
最近ではハロウィンのお祭にはできないんだそうである。
魔女とかこうもりとか「不快に思う人がいるかもしれないから」
アメリカは"政治的に正しい"ことに一所懸命になっていて、ちょっと違うと思う。
ま、それがあちこちでネタになっているのを読むから、本人たちもそう思っているんだろう。

で、本書、リタイアした教師たちを主人公に置いていて、世代的にはちょっと上だけれど、いずくも同じ秋の夕暮れ。
そんなに簡単に殺しちゃっていいの?というミステリだけど、コージーにミステリとしての完成度なんで誰も求めていない。
私がコージーを読むのは、一般人の生活を垣間見ることができるから。

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吉原手引草

2008-06-14 | 時代小説
吉原手引草
松井 今朝子
幻冬舎

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『なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか? 遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。やがて隠されていた真実が少しずつ明らかになっていく……。吉原を鮮やかに浮かび上がらせた、時代小説のあらたな傑作! 』

短編小説程度のネタを手練手管で長編まで引き伸ばし、あまつさえ直木賞まで取ったという、ま、画期的?技術?それでこそ直木賞?な作品。
吉原の扱いにもムリがあり、葛城が長い時間かけて艱難辛苦の末に信用を築きここまでのことができたのだとすると(できるはずもないが)、一見の客にべらべらしゃべる吉原の人たちって何??

時代小説ブームではある。
ほんとにたくさん出版されている。
でもレベルはいろいろだなぁってわかるから、つまらないものを読まされるのが怖くて、なかなか新しい作家に食指がのびない。





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意地―密命・具足武者の怪 巻の十九

2008-06-12 |  佐伯泰英
意地 (密命) (祥伝社文庫―「密命」シリーズ (さ6-42))
佐伯 泰英
祥伝社

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『金杉惣三郎に、突如襲いかかった不気味な具足武者! 泰平の世にふさわしからぬ姿で暗躍する彼らの正体、そして惣三郎に下された新たな密命とは……。一方、回国修行中の息子・清之助は佐渡島へ渡り、荒ぶる海と、金銀の盗掘を行なう至近十郎兵衛一味に相対していた。江戸と佐渡、父子の必殺剣がますます冴える、「密命」シリーズ待望の第十九弾!』

初老の惣三郎と若武者清之助、二人のヒーローに花を持たせた本巻。
半分ずつな分、ちょっと物足りないかな。
殊に周囲の人たちの描写が薄まったのは否めない。
愛読者というわがままな人種の欲望は止まるところを知らず・・・


来月は磐音さまの「紅花ノ邨」と狩りシリーズの「忠治狩り」が出版予定だそうです。そういえば狩りシリーズはまだ読み終わっていません・・・。
毎月さまざまなシリーズの新刊に接していられて、佐伯ファンは幸せですよねぇ。
お体どうぞお大切に・・・





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還らざる道

2008-06-12 |  内田康夫
還らざる道
内田 康夫
祥伝社

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『桜の季節、愛知・岐阜県境の奥矢作湖に他殺体が浮かんだ。被害者は業界大手、白陽インテリア会長の瀬戸一弘と判明。瀬戸は、二度と還らないと決めていた過去へ旅立つという手紙を残していた。それは、ずっと隠してきた故郷への旅だったのか?なぜ、いま旅立たなければならなかったのか?事件の真相を追って、三州、吉備、木曾へ、浅見光彦も推理の旅に出た―。 』

積読。2006/11出版。
そのころに林業関係で何か政財官間の癒着みたいな事件が起きていたかなと思うのだけれど、記憶にない。
まだ明るみになっていないということか・・・。
なかなか面白く一気に読んだ。

二世三世が幅をきかしている今、こういう正義の人が現れて欲しいと思う。
ま、一般人にとっての正義はこういう人たちにとってはちっとも正義ではないのだろうけれど。


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