三悪人

三悪人 田牧 大和 講談社 このアイテムの詳細を見る

『遠山金四郎、鳥居耀蔵、水野忠邦の知恵比べ 目黒祐天寺の火事から始まる、若き日の遠山金四郎・鳥居耀蔵・水野忠邦「三悪人」の騙し騙されの駆け引きと足の引っ張り合い。大型新人が送る華麗なる時代長編。
水野様が老中にでもおなりになれば、俺達の出世は思いのまま―。目黒・祐天寺の火事で焼死した若い僧は、遠山金四郎のなじみの遊女・夕顔の弟だった。姉弟は、水野忠邦の政敵の落とし胤。忠邦の弱みを握りたい鳥居耀蔵は、火事の裏に何かあると勘づいて、金四郎に働きかける。騙されたら、騙し返せ。駆け引きこそが生き甲斐だ。 』

のちの老中水野忠邦、北町奉行遠山金四郎、南町奉行鳥居耀蔵の若いころという設定であるが、この三人を"三悪人"と言い切ってしまっているところに妙味がある。
狐と狸の化かし合いにはにやにや、くすくす実に楽しく、水の清きといわれる水野がそれほど清廉潔白な人間でもなく、妖怪鳥居もそれほど極悪非道の人間でもなかったというところが面白い。
遠山の金さんはちょっとお得なやくどころ。
この三人に加え忠邦の懐刀小山田縫殿助もいい味を出している。

続編も出してもらえるとありがたい。

本書も朝日新聞の読書のページ（２/８）に「時代小説の新鋭　才能豊かに夢幻の世界つづる」と紹介されていた4冊のうちの1冊。
あとの2冊も楽しみである。
・蛇衆



・木挽町だより　田牧大和　公式サイト
　女性なんですって!!