読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

胡蝶殺し

2014-06-30 |  近藤史恵
胡蝶殺し
近藤 史恵
小学館
『市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…? 』


萩太郎が秋司に固執するエピソードが薄いと思うし、これはミステリーではないと思うが、このなんとはなし不完全な感じがこの小説の(orこの作家の)魅力なのかもしれない。

バロックのような。まあ、当方が歌舞伎ファンだということに過ぎないのではあるが。


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師父の遺言

2014-06-29 | その他
師父の遺言
クリエーター情報なし
NHK出版
『祇園の料亭を営む旧家で育った著者は、少女時代から歌舞伎に魅せられ、やがて歌舞伎作に携わるようになる。そんな中、稀代の演出家にして昭和の怪人、武智鉄二との出会いと別れが、著者の人生航路を激しく揺さぶるのだった――。伝統文化はいかに継承・創造されるのか、昭和の演劇シーンはどんなものだったのか。時代の貴重な証言を織り交ぜながら、切なくも濃密な師弟関係を巧緻な筆致で描き出す。直木賞作家がこれまで明かしてこなかった波乱万丈の半生を綴った自伝文学の傑作! 』


本作の目的をご本人は師父=武智鉄二のことを伝えたいと言っておられるが、実際そう読む方はないだろう。
実際は松井今朝子さんご自身の自伝である。
私自身が松井さんを知ったのは高麗屋の「夢の仲蔵千本桜」を観る予習として「仲蔵狂乱」を読んだ2005年なのだからもうすでに作家という印象で、軽く生い立ちは知っていてもそれ以前の波乱万丈(と言っていいのだろう)の半生には驚きを禁じ得ない。
私自身の観劇の感想を松井さんのそれを見て答え合わせをしている気がするのもむべなるかな。

余録として私より少し上のノンポリの当事者としての学生運動の様子を知ることができた点は面白かった。



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オニマル 異界犯罪捜査班 鬼刑事VS殺人鬼

2014-06-22 | 国内ミステリー
オニマル 異界犯罪捜査班 鬼刑事VS殺人鬼 (角川ホラー文庫)
田中 啓文
KADOKAWA/角川書店
『忌戸部署管内で、頭部を無惨に潰された異様な死体が発見された。時を同じくして、奇妙な生物や怪奇現象の目撃が相次ぐ。次々と発見される惨殺死体を前に、自らも鬼である刑事・鬼丸は、その犯行を同族の仕業と確信するが、捜査の過程で逆に疑惑の目を向けられてしまう。そんな中、ついに姿を現す真犯人。陰陽師の力を持つ、美貌の警部・ベニーとともに、鬼丸は“殺人鬼”と対峙するが…。事件の真相、そして敵の正体とは!? 』


シリーズ3作目。

あら~、ここからが面白くなりそうなとこでお終いですか。
残念。
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女を観る歌舞伎

2014-06-19 | その他
女を観る歌舞伎
酒井 順子
文藝春秋
『歌舞伎の女は、こんなにアツい!!

初めての男が忘れられず、遊女に身を落とすお姫様。「桜姫東文章 さくらひめあずまぶんしょう」
主君の子を守るために、息子を身代わりにする乳母。「伽羅先代萩 めいぼくせんだいはぎ」
親のために吉原に身を売ろうとする町娘。「文七元結 ぶんしちもっとい」

――歌舞伎の演目に出てくるのは、人生に必死な女ばかり。
彼女たちの気持ちに思いを馳せれば、もっともっと歌舞伎の世界が身近に感じられます。

興味はあるけど、難しそう……歌舞伎にそんなイメージを持っている人も、
これを読めば劇場に駆け込まずにはいられない!
単なる解説には終わらない、いちばん楽しい歌舞伎論です。 』



こんなに共感も得るところもない歌舞伎の本もかつてない。
(もしいるならば)酒井さんの愛読者が読めばいい本なのだろうなぁ。
間違えた。




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最終陳述

2014-06-17 | 国内ミステリー
最終陳述
クリエーター情報なし
宝島社
『二人を殺めた強盗殺人事件の裁判員裁判で、被告人の最終陳述が始まろうとするなか、傍聴席の若い男が「その人は犯人ではありません。殺したのは私です」と突然声を上げた。混乱する法廷。予定通りに裁判を終わらせたい裁判官、曖昧な印象で合議する裁判員たち、組織の方針に縛られる公判担当検事、強引に方針を決めていた弁護人。彼らは無実の男を裁こうとしていたのか、それとも…?真犯人と自ら名乗る男が現れたことで、裁判は迷走し始める。事件の真相とは―。 』


言わんとするところはわかるし、見事にページターナーなのだが、人の動き、心の動きに違和感が残り、読後感はよくない。
ステレオタイプな登場人物たちの中、あり得ない被告たち・・・。

小説を書くと言うことは難しいものだ。


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怪談

2014-06-16 | 国内ミステリー
怪談 (講談社文庫)
柳 広司
講談社
『残業を終え帰路を急ぐ赤坂俊一が真っ暗な坂道をのぼる途中、うずくまって泣いている女を見かけた。声をかけると、女はゆっくりと向き直り、両手に埋めていた顔をしずかに上げた―その顔は(「むじな」)。ありふれた現代の一角を舞台に、期せずして日常を逸脱し怪異に呑み込まれた老若男女の恐怖を描いた傑作6編。 』


小泉八雲の名作「怪談」を現代的に合理的に説明を付けようとしているのだが・・・。

う~~ん。。。。。

怪談ってのはやっぱり怖いっていうのが必須条件なのだと思うのだけど。



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警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官

2014-06-15 | 国内ミステリー
警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官
クリエーター情報なし
宝島社
『第12回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞2作品のうち1作。選考委員、絶賛の話題作です。「すぐにでも映像化されそうな(エンターテインメントとしての)もてなしのよさがポイント。舞台設定もキャラクター設定もすばらしい」大森望(翻訳家・書評家)、「序盤から軽快に読ませ、後半にも思いも寄らない展開が待っていた」香山二三郎(コラムニスト)、「“電卓女"の圧倒的存在感に拍手喝采を送りたい」茶木則雄(書評家)、「ヒロインの警部補キャラと意表をつく展開がいい。伏線や仕掛けを含め、全体にわたって娯楽性が発揮されている。文句なしの大賞受賞」吉野仁(書評家)。

警視庁捜査二課主任代理、郷間彩香。32歳、独身、彼氏なし。捜査二課で贈収賄や横領などの知能犯罪を追う彩香は、数字に手掛かりを求めて電卓ばかり叩いているため、周囲からは“電卓女"と呼ばれている。そんな彩香に、刑事部長から特命が下った。――「渋谷で銀行立てこもり事件が発生している。至急現場に向かい、指揮をとってくれ」。青天の霹靂に困惑しながらも彩香は、立てこもり現場である渋谷に急行する! 』


深刻な内容を深刻ぶらずに、というか笑いを取りながら描いた点が面白かった。
続きがかけそうだが、これ以上のシチュエーションを創作し得るか、楽しみにしています。


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密売人

2014-06-13 | 国内ミステリー
密売人
佐々木 譲
角川春樹事務所
『10月も半ばを過ぎ肌寒くなってきた北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。函館の病院にて為田俊平の転落死、釧路の漁港にて飯盛周の水死、小樽の湖畔にて赤松淳一の焼死。それぞれの事件は個々に捜査が行われ、津久井卓巡査は小樽の事件を追っていた。一方、札幌大通署生活安全課所属の小島百合巡査は、登校途中の女子児童が連れ去られた一件に、不穏な胸騒ぎを感じていた。三か所で起こった殺人と小島の話から、次に自分のエス(協力者)が殺人の狙いになると直感した佐伯宏一警部補は、一人裏捜査を始めるのだが・・・・・・。 』


道警シリーズ第5作。

別々の事件がいつものメンバーのおかげでうまくつながって・・・。

既定路線なんだけど、安心できる。


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夕暴雨―東京湾臨海署安積班

2014-06-12 |  今野敏
夕暴雨―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-35)
今野 敏
角川春樹事務所
『東京湾臨海署管内で大規模イベントへの爆破予告がネット上に流れた。安積警部補率いる班と相楽班は警戒警備にあたるが、爆破は狂言に終わる。だが再び、翌週のコミックイベントへの爆破予告がネット上に書き込まれた。前回と違う書き込みに、予告の信憑性を訴える須田刑事。須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、相楽たちの反発をうけてしまう。迫り来るイベントの日。安積班は人々を守ることができるのか? 異色のコラボが秘められた大好評シリーズ、待望の文庫化。 』



新庁舎に移転、相楽が来た。
事件はネットを介した犯罪。

安積班はチームワークよく、大好きなメンバーだけど、相楽はいいスパイスになってくれていると思うなぁ。
いらっとする頻度が減ったみたい(苦笑


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硝子の殺人者―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)

2014-06-12 |  今野敏
硝子の殺人者―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)
今野 敏
角川春樹事務所
『東京湾岸で乗用車の中からTV脚本家の絞殺死体が発見された。現場に駆けつけた東京湾臨海署(ベイエリア分署)の刑事たちは、目撃証言から事件の早期解決を確信していた。だが、即刻逮捕された暴力団員は黙秘を続け、被害者との関係に新たな謎が―。華やかなTV業界に渦巻く麻薬犯罪に挑む刑事たちを描く、安積警部補シリーズ待望の刊行。 』



1991年の初版。

なるほど。隠蔽捜査にも続く・・・。



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