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読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉

2011-11-11 |  北森鴻
邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉
北森鴻 浅野里沙子
新潮社
『卑弥呼の昔から現代まで──謎の古書に隠された、歴史の闇を貫く巨大な秘密。

奇妙な挿話と鏡のモチーフに彩られた「阿久仁村遺聞」。地図から消された村の来歴と、古書に秘められた暗号を解き明かすとき、邪馬台国から明治、そして現代まで繋がる「もうひとつの歴史」が浮上する! 異端の民俗学者・蓮丈那智、最大の事件。著者急逝のため連載中絶となった幻の長編ミステリーが、遺志を継いで遂に完成。』


北森鴻さんの月刊誌に連載されていた絶筆を新人作家の浅野里沙子さん(婚約者だそうだが)が書き継いだということで、本来北森鴻さんが企図していた小説にしあがったものかどうかはわからないが、それにしても小説としては面白みに乏しい。
北森ワールド総出演のたぶん本人も自覚の上での集大成であったとは思うのだが、それぞれの人物像がこれまでの作品からの人物像とうまく結び付かない。
邪馬台国の謎に押しつぶされているように思う。
それほど書きたかった邪馬台国の謎は、考古学あるいは歴史学の立場から喧々諤々の諸説が入り乱れているのは周知のことだが、民俗学の立場で見るとどうなるか、それを考えついた時に北森さんには大きな喜びがあったのだろうなぁと推察する。
その熱意にほだされて読み終わることができたというところ。

先日島田 荘司さんが「写楽 閉じた国の幻」を書いたのにもびっくりしたが、同様の驚きを本書にも感じる。








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暁英 贋説・鹿鳴館

2010-05-02 |  北森鴻
暁英 贋説・鹿鳴館
北森鴻
徳間書店

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『作家の津島好一は、進まぬ筆に悩んでいた。新作のテーマは、鹿鳴館―誰もがその名を知っている建築物。調べてみると資料が極端に少なく、設計図さえまともに残っていない。鹿鳴館は謎に包まれたまま建造され、その謎をまとったまま歴史から消えた建物と言えようか。しかし津島は、ある人物との邂逅をきっかけに、堰を切ったように物語を紡ぎ出し始める。明治十年、日本政府に雇い入れられた若き英国人建築家―のちの鹿鳴館建造担当者―ジョサイア・コンドルは、横浜港に降り立ち、外務卿井上馨らと対面する。工部大学校造家学科教授兼工部省営繕局顧問としてのコンドルの多忙な日々が始まった。日本趣味の昂じたコンドルは画家河鍋暁斎に弟子入りし、「暁英」という雅号をもらう。一方でコンドルは、来日の仲介をした国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた。それは、銀座煉瓦街の設計を担当した後に忽然と姿を消した、ウォートルスというアイルランド人建築技術者の消息を調べることだった。コンドルはやがて、時代が大きく動く際に必然的に生じる、濃くて深い闇の中に、自分が足を踏み入れてしまったことを知る―。鹿鳴館とは、何だったのか。そして明治とは、果たして何だったのか。 』


とうとう読んでしまった北森鴻の絶筆。
ほとんど完成稿とはいえ、謎がすべて解かれたとは言えぬ…。

北森鴻が好んで取り上げる明治初期。
洋風建築好きにはなじみのコンドルであり、辰野金吾たちなのだが、生きた物語としての彼らを知らなかった。
もちろんほんとうにこうであったとは言えないが、匂いくらいは…。

作中の作家津島好一はどうなるのだろう。
ほんとうに急逝が惜しまれる。


河鍋暁斎って江戸期の人とばっかり思っていた(・・;)



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うさぎ幻化行

2010-02-25 |  北森鴻
うさぎ幻化行 (創元クライム・クラブ)
北森 鴻
東京創元社

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『飛行機事故で亡くなった義兄が遺した音のメッセージ。音の百選を収録したものと思われる、その音源の謎を探るリツ子は、もうひとりの女性の存在に気づく。待望の連作長編。 』


見事なページターナーである。
読後、瑕疵に気づかないわけではないが、そんなことはもうよい。

北森鴻が亡くなって1カ月。
彼の作品をもう読めないのだなぁと思うと感慨しきり。


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訃報 北森鴻さん

2010-01-25 |  北森鴻
北森鴻さんが、今日午前3時に心不全のため亡くなられたそうです。

まだ48歳…突然のことで…

あれも…これも…続編がもう読めないのかと思うと…

2月25日に 「うさぎ幻化行」の発売が予定されていますが、これが絶筆になるのか、他のものがまだあるのか…

いやあ、落ち込みます





心よりご冥福をお祈りします



酔鴻思考 北森鴻公式サイト
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虚栄の肖像

2008-10-06 |  北森鴻
虚栄の肖像
北森 鴻
文芸春秋

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『舞い込んだ不思議な仕事。墓前での奇妙な花宴で依頼されたのは、肖像画の修復。報酬は、桜を活けた古備前というが…「虚栄の肖像」。藤田嗣治の修復を依頼された佐月が偶然、15年前に別れた恋人に再会する「葡萄と乳房」。暁斎の孫弟子らしき謎の絵師を探るうちに思わぬ真実が立ち現れる、書き下ろし「秘画師遺聞」の全3篇を収録した、ミステリー連作短篇集。花師と絵画修復師、2つの顔を持つ佐月恭壱シリーズ第2弾。』

深淵のガランス」の続編がやっと出て、早速・・・。

このところお子チャマなミステリー(を読むこと)が続いていたので、大人な雰囲気が心地よい。
いい男ですよ、佐月恭壱。
惚れます。

絵画修復は贋作と紙一重。
その紙一重の機微が面白い。


本書に陶子さんは登場するけれど、陶子さんの本編や那智先生もお待ちしてます。
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なぜ絵版師に頼まなかったのか

2008-06-03 |  北森鴻
なぜ絵版師に頼まなかったのか
北森鴻
光文社

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『変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝國大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として赴任していた。エルウィン・フォン・ベルツ先生もその一人。並はずれた日本びいきで知られるベルツ先生とその弟子・葛城冬馬が、次々に出来する新時代の事件に挑む。』

なぜ絵版師(えはんし)に頼まなかったのか・・・ん?なんかデジャヴュな感じ・・・なぜエバンスに頼まなかったのか・・・クリスティだ・・・。
もちょっと本歌取りなのかと思ったら、そんなこともなく題名だけだった・・・。
以下
 九枚目は多すぎる
 人形はなぜ生かされる
 紅葉夢(こうようむ)
 執事たちの沈黙
と短編が続く。
題名にはにやっとさせられるのだけど、明治初期という時代背景にもエルウィン・フォン・ベルツにもなじみがないので面白みが半減。

Wikiのエルウィン・フォン・ベルツに、彼独特の日本観の概略が載っている。
なかなか稀有な見方で面白い。
<彼は明治日本においての西洋文明輸入に際しての日本人の姿勢に対して、示唆に富む的確な批判をし続けていたといえるであろう。>(Wikiより)

「ベルツの日記」という本があるらしい。
北森もこれを読んだのだろうなぁ。
読んでみるのも面白いかも。
北森はときどき明治期の埋もれた歴史を掘り当てる。

ベルツの日記〈上〉 (岩波文庫)

岩波書店

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香菜里屋を知っていますか

2008-03-20 |  北森鴻
香菜里屋を知っていますか
北森 鴻
講談社

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『お客さまが持ち込む謎と、その解決。それが当店の裏メニューです。マスターの工藤が作るちょっとした料理と、アルコール度数の異なる4種のビールが自慢のビア・バー香菜里屋が消えた…。人気「香菜里屋」シリーズ完結編。

長い間のご贔屓、本当にありがとうございました。
香月圭吾、飯島七緒、日浦映一、越名集治、宇佐見陶子、蓮丈那智……香菜里屋の、懐かしい常連達が語る「私と香菜里屋」。そこから浮かび上がってくるマスター・工藤の秘密の過去と、香菜里屋の名の由来。工藤は、どこから来て、どこに行ったのだろうか。』

文庫になるまで待ちきれずに読む。
「香菜里屋」が閉店してしまった・・・さびしくてついほろり・・・
なぜ??
工藤さん的になぜなのかは書いてあるのだが、北森さん的にはなぜなんだろう??

きっと陶子さんや那智先生がどこかで見つけてくれると思う。
それを信じて待つしかありませんね。
・・・( ̄  ̄;) うーん





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パンドラ’S ボックス

2008-03-18 |  北森鴻
パンドラ’Sボックス (カッパ・ノベルス)
北森 鴻
光文社

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『画壇の若き寵児が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」) 大阪府警に届いた殺人を告白する手紙。少女の死体を古墳の陵墓に埋めたというのだ。捜査は、専門家による発掘調査を終えてからと命じられた刑事は……。(「踊る警官」)
 大胆な着想と鮮やかな謎解き! デビュー作を含む初期短篇7作と、エッセイ7編を収録。』

"デビュー作を含む初期短篇7作"などと書いてあると眉唾ものだけど、なかなか双葉より芳し。
北森鴻の過去など知らなかったが、雑文(?!)書きだったようで、そのことを笑い話にできるのはそこからのし上がった人だけなのかもしれない。そうでない人にはイヤミな文章だと受け取られるに違いない。ファンだけが読むべきエッセイである。
雑文書きだったからこその過不足のない文章だったのだと改めて思う。
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螢坂

2008-03-16 |  北森鴻
螢坂 (講談社文庫)
北森 鴻
講談社

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『恋の思い出が残る坂はどこに消えたのか。幻の焼酎の秘密とは…。旨いビールと粋な肴で柔らかくほぐされる謎。 三軒茶屋にひっそりと佇むバー「香菜里屋」のマスターが探偵役のシリーズ第3弾。03年刊「桜宵」に続く連作集。 』

久しぶりの北森鴻。
これをミステリーに分類することには多少の躊躇がある。
スリルとサスペンスを求めることはできない。
それを何より大切と思う向きには読み応えがないと思われるかもしれない。
バー「香菜里屋」、こんなお店があったらぜひとも常連になりたいと思う雰囲気が好きでここに通う。

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親不孝通りディテクティブ

2006-08-16 |  北森鴻
親不孝通りディテクティブ

北森鴻

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『タクシー強盗と、港の火事、そしてスーパーの警報騒ぎ、同時に起こった事件の意外な関連とは……。中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹(かもしだてつき)と、結婚相談所の調査員・根岸球太(ねぎしきゅうた)。腐れ縁の通称「鴨ネギコンビ」が、どういうわけか、物騒な事件に関わっていく。博多を舞台に大暴れ! ハードボイルド・ストーリー。』

博多が舞台。ほぉ、土地勘もないのに?←あてずっぽう(笑)
土地勘がない私には十分それらしく見えたけど、地元民のみなさん、いかがでした?
最近ハードが魅力の"男"を作り出している観のある北森氏、頼もしい。
さ~て、続編は出るのかな?

それよりも・・・この帯!(上の画像にはないけど)
大きく「北森鴻が売れている!」理由は読めばわかるそうですけどぉ
講談社さん、何をトチ狂ったの? "売れている"って言い方で作家の売り出し? なんだかねぇ・・・いただけない・・・身も蓋もない・・・。
確かにどんどんうまくなってはいるけれど、売れていいとは思うけど、自分がこっそり(?)贔屓していたものがメジャーになるってなかなかフクザツなのよね(嘆

解説は↓の公式サイトの管理人さん!
酔鴻思考 北森鴻公式サイト 
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