俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

樟若葉

2013-05-21 | 俳句・夏・植物




樟若葉人が小さく見えにけり


樟はクスノキ科の常緑高木。

関東以西の暖地に自生。

主に神社、公園などに植栽される。







大方は巨木になる。







五月頃、頂から萌黄、浅黄緑の新葉が萌え出る。







上野の森に幕末を見たかもしれない樟の大樹が若葉となってい

た。

その下を歩く人がひと際小さく見えた。






樟若葉女三人とほりけり



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柿の花

2013-05-20 | 俳句・夏・植物




見舞ひたるひと逝きにけり柿の花


柿はカキノキ科の落葉低木。

日本には奈良時代に中国から渡来したとされる。

食用にするため本州、四国、九州などで広く栽培される。







五~六月頃、新しい枝の葉腋に淡黄色の坪型の合弁花をつけ

る。







昨日、病院に入院されていたある方のお見舞いに行ってきたが、

本日亡くなられたとの連絡が入った。

大変お世話になった方で、悲しい。

目立たずに咲く柿の花に、その方のことを思った。






柿の花何処にゐても師のことを



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銭葵

2013-05-19 | 俳句・夏・植物




銭葵人近づけば猫鳴きて


アオイ科の一年草。

ヨーロッパ原産。

古く日本に渡来し、観賞用に栽培される。







葉は円形で五~七に浅く裂ける。

基部は心臓形をしている。







五~六月頃、紅紫色の花を下部から上部へと順に開く。







銭葵が道端に咲いていた。

近くにいた猫に男が近づくと、猫はにゃあと鳴いた。






歳経たる阿吽の像や銭葵



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椎若葉

2013-05-18 | 俳句・夏・植物




ダ・ヴィンチの手稿観てきぬ椎若葉


椎はブナ科の常緑高木。

初夏、鮮やかな萌黄色や緑の若葉が樹冠を覆う。







若葉と同時に、雌雄同株で花をつける。

淡黄色や黄色の雄花序が枝の下部に上向きに出る。






匂ひけり上野の森の椎の花







東京都美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの鏡文字で書かれた「アト

ランティコ手稿」を観た。人の手で書かれたとは思えないほどの極小

文字と精緻に描かれた図形には非常に驚いた。

外に出ると、細やかな椎若葉が目に入った。






着流しの西郷像や椎若葉



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紫蘭

2013-05-17 | 俳句・夏・植物




薄雲の広がりゐたる紫蘭かな


ラン科の多年草。

関東以西の山野の湿地などに自生。

観賞用に栽培される。







五~六月頃、茎の先に紫紅色の花を数個つける。







園芸種に、花の白いシロバナシランや斑入りのフクリンシランなどが

ある。







牡丹園の中に紫蘭が咲いていた。

普通のとは違い、淡い紫色で、涼やかであった。

空には午後の薄雲が広がっていた。






忙し気な茶店のをんな紫蘭咲き



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