俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

蜘蛛(くも)

2012-05-21 | 俳句・夏・動物


むさしのの蜘蛛に生れて動かざる

クモ目の節足動物の総称。日本には千種以上いる。尻から糸を出し、車輪状の大きな網を張り、かかった虫を捕食する。初夏に雌蜘蛛の卵のうが破れ、まさに「蜘蛛の子を散らす」の譬えどおり子蜘蛛が無数に飛び出す。小流れの上に蜘蛛の巣があり、蜘蛛がしっと動かずにいた。生きるためとはいえ、動かずにいるのも辛かろうと思った。

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蜘蛛の囲にくもの不在や日の差して


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著莪(しゃが)の花

2012-05-20 | 俳句・夏・植物


著莪の花池の向かうに茶室あり

アヤメ科の常緑多年草。山地の湿った日陰に群生。四~六月頃、茎の先に白紫色で中心が黄色のあやめに似た花をつける。花のふちには糸状に細かい切れ込みがある。池のほとりに著莪が咲いていた。向こうを見やると池の端に茶室があった。

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水音を聞き一休み著莪の花


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新緑

2012-05-19 | 俳句・夏・植物


新緑の何処歩かむ森の道

初夏の頃の若々しい緑をいう。単に「緑」というと、ある程度夏も闌けたという感じがある。「緑さす」は明るい緑が物に映えるさまをいう。新緑の美しい森があった。その森のどの道を行こうかと思った。

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緑さす銀の磁石を取り出して


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鉄線花

2012-05-18 | 俳句・夏・植物


駅よりのゆるき坂なり鉄線花

キンポウゲ科の落葉蔓性木本。中国中部地方原産。日本には江戸時代初期に渡来。茎が針金のように硬いのでこの名がある。五~六月、直径五~八センチの花を開く。花弁に見えるのは六個の萼片が変形したもの。花色は白、紫、桃など。クレマチスは鉄線や風車などを交配して作られたもの。ある駅から歩いているとゆるい坂となり、道端に鉄線の鉢が置かれてあった。近くの人が育てているのだろう、よく咲いていた。

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鉄線の咲きたればほかいらざりし


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杜鵑花(さつき)

2012-05-17 | 俳句・夏・植物


綱張りて犬歩きゆく杜鵑花かな

ツツジ科の常緑低木。日本特産種。関東以西の渓谷の岩の上などに自生。盆栽、庭木としても栽培。多くの園芸品種があり、花の色は紅、桃、白、絞りなど。五月~六月頃、枝先に広い漏斗状の五弁花を一~二個つける。ほととぎすの鳴く頃咲くところから「杜鵑花」と書き、陰暦五月に花が咲く躑躅という意味で、正式和名を「皐月躑躅」という。散歩の犬が飼い主を引っ張って歩いていた。その道には杜鵑花が明るく咲いていた。

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池の橋さつき目指して渡りけり


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