俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

銀木犀

2010-10-16 | 俳句・秋・植物


細道の銀木犀の香なりけり

モクセイ科の常緑小高木。中国原産。観賞用で金木犀より鋸葉がはっきりとしている。十月頃小白花を葉腋につけ、芳香を放つ。これとよく似た柊木犀(ひいらぎもくせい)は柊と銀木犀の雑種とされる。葉は柊のようなとがった鋸葉。人ひとりが通れるような細道に銀木犀が咲いていた。葉陰に咲く花からほのかな白い香りが漂っていた。

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銀木犀


柊木犀

よく見れば銀木犀や池の風


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秋の水

2010-10-15 | 俳句・秋・地理


秋水と見ればすぐ手を浸しけり

秋の水はさらさらと澄んで冷たい。川底の石まではっきりと見えたり、野外のみならず、器の中の水や厨の水なども澄み渡る。急流の小流れがあった。誰もが近づくとすぐに手を浸した。少し冷たくて気持ちよかった。秋の水を実感した。

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岩の上(へ)に行く末想ふ秋の水


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2010-10-14 | 俳句・秋・植物


峡谷に人だかりして茸かな

大型の菌類の俗称。松茸や椎茸などの食用のはほか、天狗茸や月夜茸などの毒茸がある。茸は世界に数千種あり、毒茸の見分け方は難しい。岩手県の厳美渓(げんびけい)に遊んだ。水量の多い渓谷に人だかりがしていた。それは、渓谷の向こう岸の団子屋から綱を使って団子が籠に乗ってこちら側に届くからである。「空飛ぶ団子」といわれ、観光客に人気がある。お金を籠に入れて板を木槌で叩くとするすると引き上げてくれる。金額分だけ団子とお茶が籠に入れられて届く仕組みになっている。団子は郭公団子といい、柔かくて美味しかった。(続きを読むを参照)茸は近くの木々の間に生えていたものである。

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厳美渓


川向うの団子屋


郭公団子



いつよりぞ茸に屈む癖つきて


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鰯雲

2010-10-13 | 俳句・秋・天文


鰯雲前沢牛を食べにきて

巻積雲または高積雲のこと。鰯が群れるように見えるので鰯雲、鱗のように見えるので鱗雲、鯖の背の斑紋のように見えるので鯖雲などという。岩手県の前沢牛を食べに向かっている途中、鰯雲が見られた。広々とした東北の空の鰯雲は美しく、郷愁を誘うものであった。

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身を反らしをり陸奥(みちのく)の鰯雲


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藁塚

2010-10-12 | 俳句・秋・人事


義経も見しや奥羽の藁塚を

刈田のあとに円筒形に積み上げた藁束。「にお」「藁にお」などともいう。地方により高さや大きさが異なる。晩秋の懐かしい田園風景。東北地方の藁塚は大きく、陶俑に蓑笠を着せたような格好をしており、人が並んでいるように感じた。この藁塚を、奥羽に落ち伸びた義経も見たであろうかと想った。

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藁塚の会合めきし棚田かな


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