春陰といへど少しく歩きけり
春になっても曇って寒さがぶり返すことがある。
暗く雲が垂れ込めた日は陰鬱な気分となる。
「秋陰」と似ているが、春陰はこれから暖かく、より明るくなる時期だけに、憂いを帯びた陰りを感じさせる。
春陰で肌寒く、歩く人もほとんど見られないが、健康維持のため少しだけ歩いた。
春陰やレターパックを小脇にし
春陰といへど少しく歩きけり
春になっても曇って寒さがぶり返すことがある。
暗く雲が垂れ込めた日は陰鬱な気分となる。
「秋陰」と似ているが、春陰はこれから暖かく、より明るくなる時期だけに、憂いを帯びた陰りを感じさせる。
春陰で肌寒く、歩く人もほとんど見られないが、健康維持のため少しだけ歩いた。
春陰やレターパックを小脇にし
春北風や畑のビニール波打ちて
日本海を通り過ぎた低気圧が北海道の東の海上に達し、西から移動性高気圧が進んでくると、一時的に西高東低の冬型の気圧配置に戻ることがある。
この時に吹く北寄りの風を「春北風(はるきた)」と呼ぶ。
「ならい」は、東日本の太平洋側、特に関東地方で吹く冬の季節風の呼び名。
春先にも吹き、これを「春北風’(はるならい)」という。
春北風は「春はまだこれから」と思わせる寒さを伴った風である。
春北風が激しく吹き渡っていた。
そのため、畑の野菜を覆っているビニールが波打っていた。
春北風秩父連山紺深く
薄雲のかかつてゐたる春の月
単に月といえば秋の季語なので、特に春の一字をつけて春の季語とする。
春の夜は大気中に水分が多いため、月は潤んで見える。
秋の月はさやけさを愛で、春の月は艶なる風情を楽しむ。
今日は満月だったが、春らしく薄雲が出て月がにじんで見えた。
春満月見てよりカレー作りけり
春一番走らせ畑の土埃
立春後、初めて吹く強い南風のことをいう。
強力な日本海低気圧へ吹き込む風で、大体二月末から三月初めに吹く。
だが、今年は本日、関東、北陸、四国の各地方で二週間も早い「春一番」が観測された。
元々は壱岐地方の漁師が使っていた言葉であったが、気象用語として定着した。
今日、春一番が吹いた。
畑の土埃を走らせ、凄まじい勢いであった。
春一番鴉四十羽流しけり
をちこちに米軍基地の斑雪かな
まばらに降り積もった春の雪、または解けかけてまだらに残っている雪をいう。
春の雪は解けやすいが、日差しや地形によりすぐ解けるところ、降り積もるところができ、まだらに解け残るのである。
また、はらはらとまばらに降る雪のこともいう。
散歩していると米軍基地があった。
広々とした基地の中のあちこちに斑雪が見られた。
片側や畑の隅のはだれ雪