菜種梅雨レターパックを小脇にし
三月から四月菜の花が咲く頃、しとしとと降り続く長雨をいう。
本来の意は、その頃に吹く雨を含んだ南東の風のことであったようであるが、今では雨天を指す。
暗さの中にもどこか明るさの漂う気分がある。
昨夜から菜種梅雨となっていた。
その中を、レターパックを小脇に抱えて、郵便局のポストまで出しに行った。
野菜なき直売所なり菜種梅雨
菜種梅雨レターパックを小脇にし
三月から四月菜の花が咲く頃、しとしとと降り続く長雨をいう。
本来の意は、その頃に吹く雨を含んだ南東の風のことであったようであるが、今では雨天を指す。
暗さの中にもどこか明るさの漂う気分がある。
昨夜から菜種梅雨となっていた。
その中を、レターパックを小脇に抱えて、郵便局のポストまで出しに行った。
野菜なき直売所なり菜種梅雨
すれ違ふ人なき道や鳥曇
雁や鴨などの渡り鳥が、春になって北方へ帰っていく頃の曇り空をいう。
その雲を鳥雲といい、この頃の風を鳥風という。
この風に乗って鳥は北へ帰っていくという。
また、帰る鳥の群れをなして羽ばたく音が風音のように聞こえるので、鳥風という説もある。
川沿いの道を歩いた。
鳥曇というべき曇り空であったため、すれ違う人がいなかった。
木を映す潦あり鳥曇
固まつて帰る学童涅槃西風
釈迦の入滅した日である涅槃会(旧歴二月十五日)前後に吹く西風をいう。
俗に西方浄土からのからの迎え風というが、まだ寒さが残る頃の西風である。
また、春の彼岸の頃にあたるので、「彼岸西風」ともいう。
涅槃西風が吹きつけ、校庭の土埃が巻き上がり流れる中、学童たちは固まって帰って行った。
西方へ向かふ旅客機彼岸西風
麻布台ヒルズ春光返しをり
春光は本来、春景色や春の風光をいう言葉であるが、春の光として詠む句が多くなった。
ガーデンプラザ
まばゆい光や春らしい柔らかさ感じさせる。
麻布台ヒルズギャラリー
春色、春望なども同様に、春の景色をいう。
麻布台ヒルズ森JPタワー
この三月十三日に食品エリアのマーケットがオープンしたばかりの麻布台ヒルズを訪れた。
ビルの前に立つと、ヒルズの象徴であるタワーが春光を眩しく返していた。
春光の溢るる川に親子かな
春日燦ボール遊びの親子ゐて
春の太陽をいう天文の季語。
別に、春の一日をさす時候の季語である「春の日」「春日」がある。
春の昼は長く、暖かい。
そのなかを太陽がのどかにわたってゆく。
日暮れには夕日が西空を染め、郷愁に誘われる。
広場に春の日が燦燦と降り注いでいた。
その下で親子がボール遊びに興じていた。
林へと春の入日の大きかり