私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

お地蔵さんって、なんでー

2006-09-12 22:21:18 | Weblog
 先に、向畑の観音様を取り上げました。お地蔵さんが合祀されてました。

 いった、お地蔵さんってなに?
 
 「お地蔵さん!」
 殆どの日本人の生活の中に完全に入り込んでいて、誰にも最も親しみやすい、懐かしみすら感じられる、我々に一番身近な仏さんです。
 お釈迦さん、大仏さん、お薬師さん、観音さん、阿弥陀さん等と同じ種類の仏さんですが、どうして、お地蔵さんだけが、こうも我々の生活に、何かほのぼのとした温かみを感じさせる仏様になられたのでしょうか。
 田圃の畦道にも、路地のあちらこちらにも、中には民家にも、町外れの一本松の下にも、船着場にも、峠の頂上にも、中には、大都会の交差点にも、所構わず至る所に立っていらっしゃいます。
 昔から、このお地蔵さんの周りは比較的広い空き地が広がっていて、いつも子供たちの格好の遊び場となっていたようです。
 
  「泣けた泣けたこらえきれずに泣けたっけ」と歌っていた春日八郎の中にもいらっしゃいます。また、「いつもニコニコ見てござる」と歌っている童謡にもいらっしゃいます。また、大岡裁判にもでてきます。その他、田植えを手伝ってくれたの、年越しのお餅を持ってきてくれたのと、数え切れないぐらいのお話も日本全国に民話の中にも残っています。
 どうしてこんなにも「お地蔵さん」だけが人気が高いのでしょうか。

 お地蔵さんとは、仏の地位としては「菩薩」で、「如来」等に次ぐ仏の世界では第二の地位のある仏様のようです。
 
 でも、この仏さんは、餓鬼でも畜生でも修羅でも人でも総ての衆生(此の世に生きとしいける総てのもの)の苦悩を救済する仏です。
 頭の髪は残さず丸く剃り円頂であり、袈裟だけを纏い、左手には宝珠を、右手は錫杖(時には、與願印のことも)もち、人々を救済するという。何か我々と余り違わない格好をしていらっしゃいます。このあたりからも、我々により親しみを感じさせ、より人気が出たのではないでしょうか。
 人気の秘訣はこのほかにもあります。
 お地蔵さんも他の仏様と同様に、今生きている人々を救済するのですが、このお地蔵さんは、その他に、既に死んでいった人も、今生きている人と同じように救済するのだそうです。
 特に、子供を亡くした親が、特に母親が、我が子のあの世での平安を願って、一心に信仰したようです。世間の煩雑さを何一つ知らない初心な我幼子を、無事にあの世まで導いてくれる唯一の仏である「お地蔵さん」に願いを託したようです。
 その願いが「よだれかけ」をかけて、亡き我子の冥福を、このお地蔵さんにお祈りしたようです。
 それがお地蔵さんの「よだれかれ」なのです。
 多くの赤子が生まれてまもなく死んでいった昔ならでのお話だろうと思います。母親の我が子を思う愛情の深さが思いやられます。
 この母親を中心とした信仰がお地蔵さんの人気を支えたもう一つの秘訣でもあります。
 それが現在では、交通事故等不慮の事故で死んで行った人たちの肉親がその場にお地蔵さんを立て、死んだ人の冥福をお祈りしています。
 JR福知山線の事故の現場にも、日本航空の墜落現場の御巣鷹山にも立てられていると聞きます。
 それだけこの仏さんは、今でも私たちの生活の中に生きている証拠です